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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センターに、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービスなどに従事。
現在は、地域や学校、介護サービス事業者や施設の研修講師、アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員などを兼務。介護福祉士などの受験対策講座も数多く行っている。 (介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級、介護予防主任運動指導員)

中央法規の『介護福祉士受験対策セミナー(直前対策講座)』
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第45回 第29回介護福祉士国家試験・筆記試験を振り返って(後半)

 こんにちは。皆さんが、そして皆さんのお仲間が挑まれた筆記試験。

 今回は、「午後」の問題を振り返ります。

 なお、解答速報については、こちらをご覧ください。

発達と老化の理解

 本科目は、介護の原因となる老化や、老いて患う病気・障害などの知識が問われます。

 その中で今回は、複数の薬剤間の相互作用が起こりやすい高齢者の薬物代謝や、からだで覚えた手続き記憶は忘れにくいといった老化に伴う知的機能の変化、加齢に伴う身体機能の低下を感じている高齢者の心理(こころのしくみの一つである適応機制)、浮腫など甲状腺機能低下症の症状、めまいとその症状、糖尿病に関する事例問題について出題されました。現場での経験を思い起こし、正答できた設問も、あったかと思います。

 また、老いに至るまでの人間の成長・発達にかかる理論のうち、これまでも出題され、第28回でも出題された、エリクソンの発達段階説が出題されました。

 「道路交通法では、運転免許証の更新を受けようとする75歳以上の者に、認知機能検査を義務づけている」ことは、時事問題といえる設問ですね。

認知症の理解

 薬物療法の副作用としてパーキンソン症候群が現れることがあるアルツハイマー型認知症、初期にめまいを自覚することがある血管性認知症といった、認知症の原因疾患別の特徴や、認知症の中核症状の一つである失行についてなど、認知症に関する基本的な知識が、例年どおり出題されました。得点できましたでしょうか。

 加えて、うつ病に伴って認められる仮性認知症や、若年性認知症、民生委員をはじめとする認知症の人の支援者、認知症の人を介護している家族への対応に関する事例問題など、本科目で習得が求められる、認知症にかかる幅広い知識の一端が、出題されました。

 認知症を支える介護サービスについても出題されてきた本科目において、今回は、家庭的な雰囲気によって症状の安定が図られる、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が出題されました。

障害の理解

 上記2科目が、およそ介護保険法の利用者を想定しているのに対して、本科目では、障害者総合支援法の利用者において、介護の原因となっている病気・障害などの知識が問われます。

 今回は、訴えに対して受容的に接するうつ病や、特定のものに対するこだわりが強い広汎性発達障害、呼吸障害が見られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)、関節リウマチの人が利用する自助具(福祉用具)、パーキンソン病の人の日常生活の留意点、レスパイトケアを必要とする介護者に関する事例問題について、出題されました。

 脳性麻痺の利用者に関する事例問題では、「介護の基本」でも出題される、ICF(国際生活機能分類)の理解が求められました。また、やはり「介護の基本」でも出題されるリハビリテーション関係職種についても、解答できましたでしょうか。

 障害をもつ人の心理を理解する上で重要な、障害受容過程のショック期は、「現実を実感することが難しい」時期とされています。

こころとからだのしくみ

 こころとからだのしくみも、学習範囲が広く、難しく感じる科目です。

 今回は、からだのしくみから、脳の中で記憶をつかさどる部位(海馬)、副交感神経の作用(消化の促進)、爪の白濁・肥厚の原因(白癬)、立位姿勢を維持するための筋肉(大腿四頭筋)、骨の強化に役立つこと(適度な運動をする)について出題されました。

 さらに、1日の必要エネルギー量について、摂食・嚥下のプロセス、皮膚に関すること、尿失禁の原因に関する事例問題、高齢者の睡眠の特徴、終末期に関する用語の説明といった内容について出題されました。

 この科目は例年、「発達と老化の理解」や「生活支援技術」など他の科目で学んだ事柄を組み込んだ出題が多く見られます。テキストでの学習と現場経験を結びつけながら、1問でも多く正解にたどりついていればと思います。

医療的ケア

 今回初めての出題となった本科目は、いかがでしたでしょうか。

 喀痰吸引等の医療的ケアは、「社会福祉士及び介護福祉士法」に規定しており、介護福祉士等が行う喀痰吸引は、咽頭の手前までを限度とすることを頭に入れた上で、解答できましたか。

 また、上半身を10~30度挙上した姿勢での痰の吸引や、経管栄養において、栄養剤の注入速度が速いと下痢を起こすことがある、栄養チューブが抜けていた場合、注入は行わずに看護職に状況を報告するといった、医療・看護との密な連携を必須とした、医療的ケアにかかる知識や技術、留意点などについて、テキストや本連載記事などによる学習や、実務者研修等での演習などを思い起こしながら、冷静に正解を導いてくださっていれば何よりです。

総合問題

 在宅あるいは施設で生活する利用者に関する4つの事例について、12科目の学習や、実務経験で身につけた知識、技術、理念をふまえて、正答できましたでしょうか。

 今回は、事例を通して、脳梗塞左片麻痺・MRSA保菌、アルツハイマー型認知症・帯状疱疹、頸髄損傷・起立性低血圧、知的障害とその介護に関する知識や技術などが求められました。あわせて介護保険法、障害者総合支援法の対象サービスについても出題されました。

 「午後」は、何問くらい正答できましたか。発達と老化の理解5問程度、認知症の理解6~7問、障害の理解5~6問、こころとからだのしくみ7~8問、医療的ケア2~3問、そして総合問題を9問くらい正答し、「午前」と合計して、125問中83問前後、あるいはそれを超える感じで得点できていればと思います。

 受験された皆さんからの良い知らせを心待ちにするとともに、結果は確かに大事ですが、現場の仕事をわかりやすく、おもしろく、やりがいをもって続けていくために、ここまで積み重ねた学びを、活かされることを願ってやみません。

 これからも一緒に取り組んでいきましょう。