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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センターに、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービスなどに従事。
現在は、地域や学校、介護サービス事業者や施設の研修講師、アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員などを兼務。介護福祉士などの受験対策講座も数多く行っている。 (介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級、介護予防主任運動指導員)

第27回 介護の基本(1)~社会福祉士及び介護福祉士法~

 こんにちは。もう10月。学問の秋ですね。少しずつやる気を喚起(かんき)していただければと思います。

 「人間の尊厳と自立」を皮切りに、ここまで2領域7科目を一緒に勉強してきました。みなさんが各科目を理解する基礎になっていますか。

 筆記試験当日まで、残り3か月と少々。忙しいとは思いますが、手元のテキストの詳細(しょうさい)を読み込んでいきましょう。また、過去問題解説集や模擬問題集で、問題をどんどん解いていきましょう。

 今回から、「介護」領域4科目に入ります。まずは、「介護の基本」という科目です。「介護の基本」では、介護職が日々の現場経験や研修でも身につけている、介護そのものに関する知識や理念(方針)、介護職や介護サービスとしてのあるべき姿などを押さえます。

求められる介護福祉士像

 2003(平成15)年6月にまとめられた報告書「2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳(そんげん)を支えるケアの確立に向けて」にて、高齢者介護の基本理念は、介護保険制度が目指す自立支援とその根底にある尊厳の保持(ほじ)とされました(報告書の内容について、第26回で出題)。そして、2006(平成18)年の「介護福祉士のあり方及びその養成プロセスの見直し等に関する検討会」報告書により、求められる介護福祉士像が次のとおり示されました。

  • ・尊厳を支えるケアの実践
  • ・現場で必要とされる実践的能力
  • ・自立支援を重視し、これからの介護ニーズ、政策にも対応できる
  • ・施設・地域(在宅)を通じた汎用性(はんようせい)ある能力
  • ・心理的・社会的支援の重視
  • ・予防からリハビリテーション、看取(みと)りまで、利用者の状態の変化に対応できる
  • ・多職種協働によるチームケア
  • ・一人でも基本的な対応ができる
  • ・「個別ケア」の実践
  • ・利用者・家族、チームに対するコミュニケーション能力や的確な記録・記述力
  • ・関連領域の基本的な理解
  • ・高い倫理(りんり)性の保持

 上記のような求められる介護福祉士に向けて、私たちは学び、経験を積んでいるといえます。さらに、2011(平成23)年1月に、「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会報告書」が出され、介護職員に占める介護福祉士の割合の目安を、5割以上にすることが示されました。参考まで、2012(平成24)年の割合は、37.6%です。

社会福祉士及び介護福祉士法

 介護、社会福祉分野に従事する介護福祉士のあり方などを定めている社会福祉士及び介護福祉士法が、1987(昭和62)年に制定されました。第5回の科目「人間の尊厳と自立」で学びましたが、本科目でも毎回出題されています。次の事項も追加して知っておきましょう。

  • ○ 介護福祉士は、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより、日常生活を営むのに支障がある者につき、心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこととしている。
  • ○ 介護福祉士となる資格を有する者が介護福祉士となるには、指定登録機関の介護福祉士登録簿に、氏名や生年月日などを登録しなければならない。
  • ○ 信用失墜(しっつい)行為の禁止規定や秘密保持義務に違反した場合は、登録の取り消し、又は期間を定めて介護福祉士の名称の使用停止を命じられることがある。
  • ○ 介護福祉士でない者は、介護福祉士という名称を使用してはならない(名称独占であり、業務独占ではない)。名称を使用した者は、30万円以下の罰金に処せられる。
  • ○ 2011(平成23)年6月の改正において、介護福祉士の業務に「喀痰吸引(かくたんきゅういん)その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるものを含む」が加えられた。

 第25回では、胃ろうとその造設(ぞうせつ)において、ボタン型は(チューブ型に比べて、体外に出ている部分が少ないので)自己抜去(じこばっきょ)しにくいなど、上記の医療的ケア(喀痰吸引と経管栄養)に関して出題されました。また、第27回では、介護福祉士制度が創設された背景に、日本学術会議が、介護職員の専門性と資格制度についての意見を出したことが、出題されました。

 気温も下がってきました。引き続き、体調に気をつけて取り組んでください。