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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センターに、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービスなどに従事。
現在は、地域や学校、介護サービス事業者や施設の研修講師、アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員などを兼務。介護福祉士などの受験対策講座も数多く行っている。 (介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級、介護予防主任運動指導員)

第24回 こころとからだのしくみ(3)~身じたく、移動関連~

 前回までの知識に加えて、生活場面ごとに関連したこころとからだのしくみについて学習していきます。本講座で基本的な事項を押さえ、テキストを読み込んでいってください。

 なお、生活場面は、ADL(日常生活動作:移乗・移動、食事、更衣(こうい)・整容(せいよう)、入浴、排泄(はいせつ)コミュニケーションなど)、IADL(手段的日常生活動作:家事〔掃除、洗濯、買い物、調理など〕、金銭管理、交通機関の利用など)に分類されることも知っておきましょう(第24回、28回に出題)。

身じたくに関連したこころとからだのしくみ

  • ○ 身じたくを整えることは、健康を維持するうえで重要である。例えば、歯磨きにより口腔(こうくう)内を清潔にすることで、むし歯や歯周病を防ぎ、洗髪により、かゆみや臭いの原因となる、頭皮(とうひ)に分泌(ぶんぴつ)される皮脂(ひし)を取り除くことができる。
  • 口腔の機能として、食事を摂(と)り、咀嚼(そしゃく)し、唾液(だえき)を分泌し、嚥下(えんげ)する、また、呼吸器の入口でもあり、顔貌(がんぼう)をつくり、会話を楽しむなどがある。
  • は、エナメル質(身体の中で最も硬(かた)く、食物の中の化学物質や硬い食物などから歯を守る)、セメント質(歯根部分の表面を覆(おお)っている)、象牙質(ぞうげしつ)(エナメル質とセメント質の内部)からなっている。
  • は、粘膜に覆われた筋肉の組織で、表面にある味蕾(みらい)は、味覚を感じる受容器である。唾液分泌量の低下や、不十分な口腔ケア、喫煙(きつえん)等の生活習慣などにより、舌苔(ぜったい:舌の上に白く見られるもの)が増え、口臭の原因となる。
  • 唾液の分泌には、食物残渣(ざんさ)を洗い流す自浄作用や、消化作用(唾液には消化酵素(こうそ)が含まれている)、緩衝(かんしょう)作用、潤滑(じゅんかつ)作用、薬物排泄作用、抗菌作用などの働きがある(第26回に出題)。
  • は、外界の汚染物質からからだを守り、保温の役割をもつ。は、指先を外力から保護し、指を支え、手足の動きを助ける機能がある。

移動に関連したこころとからだのしくみ

  • ○ 移動は、自立した生活を営むうえで欠かせない生活動作である。転倒や骨折を防止しながら移動を可能にするためには、筋力や関節の機能を維持し、骨を丈夫に保つことが大切となる。また、移動は姿勢を変え、骨に力を加える動きを伴っており、それ自体が筋力や関節可動域を維持し、骨を丈夫に保つ運動につながっている。
  • 筋力の維持には、日々の生活において、最大筋力の20~30%以上の筋力を利用する必要がある。関節も、長期間動かさないと、関節の周囲組織の伸張性(しんちょうせい)が低下し、動く範囲が減少(関節拘縮(こうしゅく))することに留意する。
  • の強度は、骨量と骨の構造が関係する。骨量は、カルシウムなど必要な栄養を摂取(せっしゅ)して、日光にあたることで保たれ、骨の構造は、骨に適度な力を加えることで、丈夫な構造を維持できる。
  • ○ ベッド上で側臥位(そくがい)から起き上がる際、上肢(じょうし)の力を利用し、下肢(かし)の重みも起き上がりの力として活用する。
  • ○ 座位姿勢をとるためには、股(こ)関節を屈曲(くっきょく)する可動域が十分にあること、座位の安定には、重心を、身体を支持する面(支持基底(きてい)面)の中に保つことが必要である。
  • ○ 立ち上がりの動作には抗重力筋を活用し、立位姿勢では支持基底面が狭くなり、重心の位置が高くなるので、筋力の適切なバランス反応が求められる。
  • ○ 歩行では、体幹(たいかん)や下肢の筋力で体重を支え、感覚器官からの情報をもとに、制御中枢(せいぎょちゅうすう)が筋力を適切にコントロールしてバランスを保ち、両下肢を交互に振り出している。加えて、周囲への注意力、判断力、道順などの記憶力という高次脳機能(こうじのうきのう)も働いている。
  • ○ 移動の自立は、主体的な生活とその意識、意欲を喚起し、保つ効果がある。また、移動を通して生きがいが創出(そうしゅつ)されることにより、次の活動への意欲にもつながる。

 生活場面ごとに関連したこころとからだのしくみについては、次回も続きます。