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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

合格率が13.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部准教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第23回 「ケアマネジメント論」6回目

「ニーズ優先アプローチ」の意味を考える

 いよいよ9月に入ってしまいましたね。
 あと1か月で試験日となります。焦らず、迷わず、一歩一歩学習を続けていただければと願っています。

 たぶん、現在のみなさんの想いは「時間がない」ではないでしょうか。この時間のことを「ニーズ」というならば、ケアマネジメントのアセスメントの目的である、「ニーズ」の把握が最も重要なポイントとなることは言うまでもありません。
 そして、ニーズを把握するためには、アセスメントで把握した身体的状況・心理的状況・社会環境的状況を総合的に分析し、利用者や家族とともに「ニーズの確定」をしていくことが大切となりますよね。
 この「ニーズ」に対して、その望ましい結果や状態がどういうものであるのか、具体的な支援やサービスとして何があるのかを検討し、ケアプランを作成するプロセスが最も重要であるとされているのです。

 したがって、ケアマネジメントは「ニーズ・オリエンテッド(優先)アプローチ」であると言えます。しかしながら、実際のケアマネジャーの業務は「デイサービスを週2回程度と福祉用具としてベッドを借りたいのですが」という家族の言葉から始まることが多いようです。
 そういう利用者に対し、「まずはアセスメントさせていただきます」なんて言ったら、「大丈夫です。デイサービスとベッドが使えれば…」なんて言われる可能性があるかもしれません。そういう流れで、適当なアセスメントでニーズも不明確なケアマネジメントが行われることが危惧されます。

 アセスメントを充分行わなければ、真のニーズ把握もできず、ケアプランも「サービス優先アプローチ」になってしまう危険性があります。ぜひとも、みなさんがケアマネジャーになられましたら、専門性を遺憾なく発揮し、よいケアマネジメントを展開していただきたいと思います。

「利用者のニーズ」と「家族のニーズ」

 さて、ニーズは「利用者」と「家族」で同じ場合もあるかもしれませんが、多くは微妙に異なるものであることを知っておいてください。
 例えば、ショートステイの利用にあたって、利用される方が「本当はここへは来たくなかったけど、私が家にいると、家族が大変なので…」などという声を何度と聞きます。このように利用者のニーズと家族のニーズが一致しないこともあるのです。

 ケアマネジャーは「利用者本位」であることはもちろんですが、介護保険法上は「利用者の家族」の支援も必要とされています。
 したがって、利用者と家族の間に入って調整する必要もあります。しかしながら、実際のところ「声の大きい人」に従ってしまうことも事実です。このあたりも、ケアマネジャーは専門性をもって進めていただきたいと思います。

「サービス担当者会議」では

 ケアプランの原案が作成されたら、利用者・家族を中心にして計画に位置付けられたサービス事業者を招集し、サービス担当者会議を主宰します。
 利用者・家族の同席が望ましいのは、サービス担当者との顔合わせの意味もあります。私は通常本人の自宅でさせていただいていました。送迎用車両の進入なども理解していただけますし、家屋の状況なども見ていただくことで、それぞれのサービス提供機関としての支援方法を持ち帰って検討いただけるからです。

 そのとき、ケアマネジャーは、絶えず利用者の表情などの状況をみていなければなりません。専門職同士が専門用語で話をしていたとしたら、きっと落ち着かない表情になってしまうと思います。利用者本人や家族の方にとっても、自分の考え方や意見を言えるような雰囲気づくりも必要になりますね。
 また、都合で参加できない事業者には予め文書による意見を求めることとされています。
 そして、ケアプラン原案の修正とあわせて、利用者によるケアプランの了承が行われ、サービスが提供されることになります。

「ケアプランの実施」と「モニタリング」

 ケアプランが実施されるようになると、ケアマネジャーは「モニタリング」を行います。モニタリングの目的は、(1)サービスは計画通り提供されているか、(2)事業者の提供内容は適切か、(3)ニーズがどの程度解決していっているのかといったことと合わせ、(4)サービス提供によって新たなニーズは発生していないかということも大切な目的となります。

 ケアプランがサービス提供当初から何年も同じというケースも実際にはありますが、ケアプランには長期目標があり、それに近づけるための短期目標や期間も記載するわけですから、何年も同じサービス内容ってことは、まずおかしいことだと思います。
 モニタリングによって、再アセスメントを行い、再度ケアプランを策定し、新しいケアプランが実施されていくから「マネジメント」(管理)と言われる理由です。

 今回は、「ニーズ」を中心にケアマネジメントのプロセスに沿って、介護支援専門員として当然の考え方について書いてみました。
 試験問題のなかで、介護支援専門員として適切かといった問題に対応していただければと思います。

 また、「事例問題を解く鍵の15」についても再掲しておきますので、ご確認いただき是非とも、利用者本位のケアマネジャーになったつもりで、試験に臨んでくださいね。

『15の鍵』とは何か

 介護支援専門員の基本姿勢として挙げられている「基本倫理」「基本視点」、そして介護支援専門員の「役割・機能」を理解しておけば必ず事例問題は正解できます。
 具体的には次の内容となります。

  • ・人権尊重
  • ・主体性の尊重
  • ・公平性
  • ・中立性
  • ・社会的責任
  • ・個人情報の保護

  • ● 3つの基本視点(「基本テキスト」257~259ページ・「ワークブック」131ページ)
  • ・自立支援
  • ・ノーマライゼーションとQOL
  • ・生涯発達

  • ● 介護支援専門員の役割・機能(「基本テキスト」262~269ページ・「ワークブック」132~133 ページ)
  • ・利用者本位の徹底
  • ・チームアプローチの実施
  • ・居宅サービス計画に基づくサービス実施状況のモニタリングと計画の修正
  • ・サービス実施体制におけるマネジメントの情報提供と秘密保持
  • ・信頼関係の構築
  • ・社会資源の開発

 来週からは、介護支援分野の振り返りと、試験日に向けた準備などを書いていきます。

 最後の最後まで、応援していますからね。