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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

合格率が13.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部准教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第22回 「ケアマネジメント論」5回目

特訓、そして復習です

 わかりやすい講義をするのが教員の使命ですが、すべての科目が教えられるだけの力はありませんので、おのずと専門分野が固定してきます。特に年齢を重ねると、新しい学習やこれまでと違う分野などはなかなか挑戦しなくなるものです。
 しかし、過日に「教育原理」という科目の半日講義を担当することになったのです。依頼されたときには、「いやいや、私が教育原理なんて講義できないですよ」と言ったのですが、「教員免許を持っているのは先生だけですから…」と説得されました。
 それからは猛チャージで、特訓する毎日でした。

 今から40年ほど前になりますか、私が大学生時代、教職課程もとっていたので、教育に関する科目を履修しました。「教育原理」「教育心理学」「教育法規」など、まったくわからない世界、単位だけ取れればなんて思っていた大学時代のテキストと今回の特別講義である「保育士資格の教育原理」の数冊の参考書籍を読みながら、「結構覚えているなぁ」なんて振り返っていました。当時の担当した教員のエピソードまで…。

 そして、そのなかで大学時代の使用したテキストに、「人は忘れるから新しい知識が入ってくるのであって、記憶なんて忘れるもの」「試験が終われば忘れてもよいが、今は覚える!」なんてメモがしてあったんですね。
 なるほど、「エビングハウスの忘却曲線」ですね。ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが実験してどれくらいのスピードで忘れていくかをグラフ化したものです。
 驚くことに、20分後には42%、1時間後に56%、1日後には74%、さらに1か月後には79%を忘れてしまうというデータなんです。そしてこれだけではなく、これを防ぐにはどうしたらよいかとの実験も行われています。
 それが「復習」です。
 「定期的な復習をすれば、その記憶は確実に定着していく」ということ。つまり「再認可能忘却」と「完全忘却」です。忘れるけど復習すれば思い出される期間にすれば、その記憶は確実に定着していくということが大切なのです。

 再認可能な時期に復習することが大切なんですよ。あと1か月もありますから、復習、復習 !!

指定基準に関する問題の傾向

 指定基準は、先週先々週と過去問と解説をしてみました。そして、どうも3年前からこの基準に関する問題も、他の問題と同様に難問となり、実践的で詳細な問題になってきていることがわかりましたでしょうか。
 そこで今週は、今年出題されそうな基準を、「ヤマ勘」ですがあげてみようと思います。まずは傾向と対策を考えてみましょう。

 最近の基準問題の傾向として、5点あげてみました。

  • (1) 基準の問題を実践と結び付けての出題
  • (2) 基準の出典が追記されている
  • (3) キーワードが短い
  • (4) 期間や数字も基準に示されているので出題される
  • (5) ケアマネジメントの過程(プロセス)で何が大切かという知識が必要

 こうしたことから、ケアマネジメントのアセスメント、ケアプラン原案の作成、ケアプランの調整・実施、モニタリング・フォローアップそして終結の一連のプロセスと基準を整理してみておく必要がありますね。
 先週解説した第19回の問題をもう一度みていただければと思います。問題24でケアマネジメントの開始、問題23でアセスメント、問題22でサービス担当者会議、問題19でモニタリングと問題の並び方は全く逆となっていますが、ケアマネジメントのプロセスで基準を絡めてあります。
 これはケアマネジメントのプロセスについて、その定説が明確でないために、考え方の設問の適否が判断しにくく、試験後に「どちらも適切ではないか」とか「テキストにはこう書かれているのに」といった批判が多く、基準にしておけば明確だという判断があるのかもしれません。

指定基準について考えてみましょう

 第18回の講座で、次のように記載していますので、要約して再掲しておきますね。

 「指定基準」とは、事業者の指定にあたって、一定のレベルを維持しているかを指定権者が判断するためのもので、基本指針・人員基準・設備基準・運営基準から構成されています。
 介護保険の制度内でサービスを展開する場合は、それぞれ指定権者から指定を受けていなければ、たとえ介護サービスを提供したとしても、介護報酬が受け取ることができないという仕組みとなっています。
 居宅介護支援事業の指定基準には、「設備基準」が定められていないのが特徴ですが、「居宅介護支援 」は『[七訂]介護支援専門員基本テキスト』(以下「基本テキスト」)1巻278~328ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2017』(以下「ワークブック」)145~149ページ、「介護予防支援」については「基本テキスト」1巻370~438ページ・「ワークブック」155~156ページに記載されています。

どんな基準は知っていた方がよいのか

 「居宅介護支援」も「介護予防支援」もほぼ同様な事柄を規定していますので、それぞれの違いを比べながら、学習しておくのもよいかもしれません。そこで「居宅介護支援」の基準(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号))で、見ておいたほうがよいものを上げてみたいと思います。

基準第2条 人員基準
 ☛常勤の介護支援専門員を1以上おくこと。利用者の標準は35人であること

基準第3条 管理者
 ☛常勤の管理者をおくこと。管理者は介護支援専門員であること。兼務も可

 次に運営基準として、試験に向けて最低限、理解しておくべき基準を列記したいと思います。テキストをしっかりと読んでおいてほしいと思います。

基準第5条 提供拒否の禁止
 ☛正当な理由とは何か…断っていい場合を理解しておきましょう

基準第7条 利用者の受給資格等の確認
 ☛被保険者証の何を確認するのか…

基準第8条 要介護認定の申請にかかる援助
 ☛これに違反すると…申請代行ができませんね

基準第9条 身分を証する書類の携行
 ☛介護支援専門員証を携行し、提示しましょう

基準第13条第7号 課題分析における留意点
 ☛必ず居宅を訪問し、利用者・家族と面接して行います。「課題分析標準項目」

基準第13条第9号 サービス担当者会議等による専門的意見の聴取
 ☛サービス担当者会議の開催、欠席した場合の意見聴取など

基準第13条第14号 モニタリングの実施
 ☛月1回以上、居宅を訪問し、月1回以上記録を残すことが必要です

基準第13条第17号 介護保険施設との連携
 ☛介護保険施設への紹介と退所時の円滑な支援をしましょう

基準第13条第19・20号 主治の医師等の意見等
 ☛医療サービスの利用には、主治医の意見と指示の確認が必要です

基準第13条第22・23号 福祉用具貸与及び福祉用具販売の居宅サービス計画への反映
 ☛妥当性の判断、サービス担当者会議、理由を居宅サービス計画に記載します

基準第15条 利用者に対する居宅サービス計画等の書類の交付
 ☛他のケアマネジャーに代わる場合も気持ちよく、直近の計画等を交付しましょう

基準第23条 秘密保持
 ☛当然のことですが…。えっ、従業員でなくなったあとも…

基準第25条 居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止等

  •  ☛ケアマネジャーは公正中立な支援をします! これに違反すると…更新認定の調査ができません

こうしたなかで「ヤマ感」で出題予想をしてみますね。

  • (1) 事業所の人員基準が最近出題されていませんので………基準第2・3条
  • (2) 医療と介護の連携が特に求められていますので………基準第13条
  • (3) 居宅介護支援では様々な様式についての規定がありますね。
    • ・受給資格の確認と援助………被保険者証による確認
    • ・アセスメント………課題分析標準項目
    • ・サービス担当者会議………欠席者への意見聴取様式
    • ・居宅サービス計画書………業所が変更になる場合、直近の計画書等の提供
    • ・介護支援専門員証………身分証明書なので、訪問時には提示する

 少し基準の出題割合が増えたと思われましたので、ケアマネジメント論のなかで掲載回数を増やしました。
 来週はアセスメントの目的である「ニーズ」について解説する予定です。

 まだ30日以上も時間はありますが、コツコツと学習を続けて「再認可能」時期の復習をしてみてくださいね。
 あっ、「勉強して、すぐ寝て、朝起きたら復習する」のが効果的であるということも証明されているようですよ。今夜は就寝時間ギリギリまで勉強して、そして早起きして、復習してみませんか?