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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

合格率が13.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部准教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第7回 第3単元「保険事故」1回目

合格率のデータから発見!

 みなさんこんにちは。先週ある地域で、今年度初めての受験対策講座の機会がありまして、お話をさせていただく機会がありました。
 中央法規さんの『ケアマネジャー試験受験対策セミナー』でもお話する機会はありますから、ぜひご活用くださいね。

 受講者の皆さんの「熱心さ」には、本当に頭が下がります。休み時間にも列をなしての質問攻め(笑)もあり、「私の休憩時間はないのかな?」なんて思いながらも、ていねいにお答えさせていただきました。「先生と握手させてください!」とか「ここにサインしてください!」とか…。 本当に焦りました(汗)

 「安心してください 今年からサインの練習をはじめましたから…」(冗談ですからね…)

 さて、そんなケアマネジャー試験受験対策講座のイントロ部分では、これまでの試験の合格率を例に「簡単に合格できるものではない」ということを伝えます。昨年の合格率は、13.1%でしたね。私の大学の定期試験で、合格率がこのくらいの試験を実施したとしたら、学生はもとより教務からも批判がでそうですね。試験として認めていいものなのでしょうかなどと言いながら、ここ数年のデータを掲載してみます。

 ここ数年の合格率は次のようになっています。

第13回(2010)139,959人28,703人20.5%
第14回(2011)145,529人22,332人15.3%
第15回(2012)146,586人27,905人19.0%
第16回(2013)144,397人22,322人15.5%
第17回(2014)174,974人33,539人19.2%
第18回(2015)134,884人20,923人15.5%
第19回(2016)124,585人16,280人13.1%

 みなさん、よく見てくださいね。合格率は、概ね「20・15・20・15・20・15」になってませんか!!!!!!
 とすると「今年(2016年)は合格率が上がる?」「つまり合格しやすい?」なんてことを受験対策講座でお話ししました。「いや、これは全く根拠のないデマですから…」と打ち消したものの、受講者のみなさん俄然とやる気が出て頑張り始めました。
 されど20%といっても5人に1人しか合格できない非常に難関な試験であることには間違いありません。

 にもかかわらず、実際は13.1%という過去最低の合格率でした。
 もはや通す試験ではなく、落とすための試験と明言してよいのかとも考えます。

 しかし、受験対策20年目の私には確かな事実が1つ言えます。

 「しっかりと勉強すれば合格できる試験であるということです」

 さぁ! 勉強がしやすい季節です。がんばっていきましょうね。

 今週は第3単元「保険事故」について解説していきます。


保険事故ってなんだろう?

 「保険事故」という言葉は、専門用語なんですね。解りやすく言えば、その保険のなかで「規定している事故」という意味です。

 介護保険法ではこの「保険事故」を、第1条の「目的」において「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、…」と保険給付の対象を定めています。そして、さらに第7条の「定義」では、その「要介護状態」「要支援状態」とは何かということを定めています(『[七訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)1巻70~71ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2017』(「ワークブック」)39ページ)。この条文では、「要介護状態」「要支援状態」が継続する期間を、厚生労働省令で定める期間として「6か月にわたり継続して」といっている点をおさえておきましょう。

要介護認定等の仕組み(「保険事故」はどう認定されるのか)

 はじめに「要介護認定」という表記からですが、介護支援分野では、やたらに「」が出てきます。
 この「等」は書き手にとっては、非常に便利なのですが、読み手にとっては難解なものになりますね。

 つまり、「要介護認定」と、それ以外に「何か」があるのですが、その「何か」がわからないと大変なことになります。介護保険法では「要介護認定」と「要支援認定」という2つをまとめて「要介護認定等」と表記しています。

 介護保険では「要介護状態または要支援状態」となった場合、「保険事故」に該当することになります。

 保険の仕組みでは、被保険者が「保険事故」に該当することによって、保険者から保険給付を受けることができるようになります。その「保険事故」に該当するかどうかについては「保険者による認定」(「基本テキスト」1巻84~85ページ・「ワークブック」47ページ)が必要となります。

要介護認定等の手順について知る(「保険事故」の認定のシステム)

 被保険者が「要介護状態」や「要支援状態」となり、その状態が6か月以上継続すると見込まれる場合、被保険者は保険者に対し、「要介護認定等」の申請(「基本テキスト」1巻74ページ・「ワークブック」41~42ページ)を行うことになります。

 ここで注意しておきたいのは、介護保険法第1条の「加齢に伴って」という箇所です。第1号被保険者については、65歳以上の方々ですから「加齢している」と判断されますが、第2号被保険者については、40歳以上65歳未満ですから、「加齢している」と判断できるかがポイントとなります。

 実は「加齢」という現象は、人により個人差があるものですね。そこで介護保険では、第2号被保険者については、心身の病的な加齢現象と医学的関係がある16種類の疾病を「特定疾病」(「基本テキスト」1巻72ページ・「ワークブック」40ページ)として、この疾病を原因として要介護状態等になった場合は、第2号被保険者でも「加齢している状態」と判断することにしています。

 みなさんが難関の試験に合格し、晴れてケアマネジャーになられたときに、第2号被保険者の方から「介護保険からのサービスを受けたい」という相談があったとしましょう。

 そのときは、その原因が「特定疾病」に該当するか判断することが求められますよね。
 したがって、この16の「特定疾病」名(「基本テキスト」1巻72ページ・「ワークブック」40ページ)については、覚えておかなくてはならないんですよ!!

 誰ですか!? 「私は若年性認知症だから16種類も覚えられない!」なんていっている人は? 初老期における認知症や脳血管疾患、骨粗鬆症などは老化のイメージがあるので覚えやすいですね。

 そして次に、申請を受け付けた市町村は、認定調査の結果および主治医意見書をコンピューターで分析し、「要介護認定等基準時間」を算出します(一次判定)。

 そのうえで、特記事項・主治医意見書とともに、介護認定審査会に提出します。

 介護認定審査会は5人を標準とする専門職の合議体で、要介護状態区分等が審査・判定(二次判定)をし、市町村に通知します。介護認定審査会の通知を受けた市町村は、保険者として被保険者の「保険事故の認定」と「状態区分の認定」を行います。

「保険事故」の重要ワード

 いったん、このあたりで「保険事故」の重要ワードをまとめてみます。

  • ● 要介護認定・要支援認定(「基本テキスト」1巻68~72ページ・「ワークブック」39ページ)
    被保険者からの申請に基づき、あるいは介護予防のスクリーニングの結果によって、保険者である市町村が全国一律の基準を用いて行うもの。要介護状態区分等(非該当・要支援1~2・要介護1~5)が、介護サービスの必要度等によって定められる。
  • ● 特定疾病(「基本テキスト」1巻72ページ・「ワークブック」40ページ)
    第2号被保険者については、加齢に伴って生じやすい16の疾病に対して、保険給付が認められる。継続して要介護状態等となることが見込まれることなども、その前提となる。
  • ● 認定申請(「基本テキスト」1巻79ページ・「ワークブック」41~42ページ)
    被保険者が保険給付を受けようとする場合は、保険者である市町村に認定申請を行う。その際には、被保険者本人による申請、あるいは家族・親族等による代理申請のほか、指定居宅介護支援事業者・地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設のうち、認定申請にかかる援助義務違反のないものに加えて、地域包括支援センターや成年後見人・民生委員・介護相談員・社会保険労務士による申請代行も可能である。
  • ● 認定調査(「基本テキスト」1巻80~81ページ・「ワークブック」42ページ)
    被保険者からの申請を受けつけた市町村が面接により行う、全国一律の基準を用いた基本調査。新規認定は、原則、市町村が行う。更新認定については、利益の収受・供与の禁止規定に違反したことのない指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設、地域包括支援センターや介護支援専門員に委託することも可能となっている。その場合は、守秘義務が課されるなど公務員としてみなされる(みなし公務員)。
  • ● 審査・判定(「基本テキスト」1巻82~84ページ・「ワークブック」44~47ページ)
    市町村は、認定調査の結果および主治医意見書をコンピューターで分析し、要介護認定等基準時間を算出する(一次判定)。そのうえで、特記事項・主治医意見書とともに、介護認定審査会に提出する。介護認定審査会での合議により、要介護状態区分等が審査・判定(二次判定)され、介護認定審査会からの通知を受けた市町村が認定する。
  • ● 遡及効(そきゅうこう)(「基本テキスト」1巻85ページ・「ワークブック」47~48ページ)
    要介護認定・要支援認定の効力は申請時に遡(さかのぼ)る。申請のあった日から利用されていた介護保険サービスについても、暫定居宅サービス計画等を作成していれば、申請日から認定日までの間も保険給付の対象となる。
  • ● 認定有効期間(「基本テキスト」1巻86~87ページ・「ワークブック」48ページ)
    新規認定の場合は原則6か月間であるが、市町村が特に必要と認める場合には、3か月から12か月の範囲内で月を単位として定める。更新認定の場合は原則12か月間。ただし、市町村が特に必要と認める場合には、3か月から24か月の範囲内で月を単位として定める。
  • ● 更新認定(「基本テキスト」1巻87ページ・「ワークブック」48ページ)
    認定有効期間満了後においても、被保険者に要介護状態等が見込まれるときは、有効期間満了の日の60日前から満了日までの間に市町村に対し、要介護認定・要支援認定の更新を申請することができる。
  • ● 介護認定審査会(「基本テキスト」1巻89~90ページ・「ワークブック」49~50ページ)
    認定にかかる審査・判定を行う機関。要介護者等の保健・医療・福祉に関する学識経験者によって構成される専門機関で、市町村の附属機関として設置される。介護認定審査会の委員は市町村長が任命し、委員の任期は2年。再任することもできる。また、委員には、職務上知り得た秘密についての守秘義務が課せられている。

 来週は「保険事故」の具体的な手続きについて詳しく解説していきます。

 あっ、そうそう!! 「受験願書等」の配布開始の時期が近づいていますから、注意しておいてくださいね。

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