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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

合格率が13.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部准教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

第2回 いよいよ4月ですね

 みなさんの職場にも新しい仲間が意欲満々な感じで登場していませんか?

 緊張しているうえに変なところに力が入って…。 誰もがそんな感じですね。

 つい先日、この3月に私の大学を卒業した学生たちが、「ケアマネジメント論」や「老人福祉論」の私の授業でのレポートで、「将来は先生の話してくださった『本物の』ケアマネジャーに必ずなります」と書いてくれました。

 私自身は、1990(平成2)年に在宅介護支援センター配属され、ケースマネージメントに出会いました。1人のニーズが地域を動かし、新しいサービスを創っていくといった、ケース支援を通して、コミュニティを変えていく素晴らしさに感動したものでした。

 学生たちに、この古きよきケアマネジメントの事例を話すと、ケアマネジメントの魅力を感じて、「5年後には必ず試験を受けますので、先生また教えてくださいね」なんて言ってくれるんです。

 私は、この大学に赴任して12回目の春を迎えました。

 卒業生たちのなかには「けあサポ、見てましたよ。そして合格しました!」とうれしい報告や、「先生、やっぱり勉強しないで受けたらダメでした。今年はしっかりやりますから先生お願いします」なんてメールが届いています。

 新しい春、誰もが希望に満ちあふれ「やるぞ!!」と思う時期。

 さぁ! 合格に向けて意気揚々とスタートしましょう。

介護支援分野の概要

 先週、お話したように、10月8日(日)に行われる介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)の全60問は、「介護支援分野」(25問)と「保健医療福祉サービス分野」(35問)の2科目があり、それぞれの科目ごとに一定以上の正答数が求められます。特に「介護支援分野」は、合否のカギを握るといわれています。

 ちなみに昨年のケアマネジャー試験は、「介護支援分野」は25問中13問、「保健医療福祉サービス分野」は35問中22問の正答で合格となります。『ケアマネジャー試験 過去問解説集2017』などで、昨年の試験問題で何点くらいとれるか試してみるのもよいかもしれませんね。

 この けあサポの受験対策講座でお話しする「介護支援分野」の科目では、「介護保険制度」と「ケアマネジメント」が主要な項目です。このやたらと広範囲な介護保険制度は、法律用語やら、「難しい・長い・わからない」漢字の長文のオンパレードなのです。

 ケアマネジャー試験の本番当日に初めて出会う「法律上の言葉」があったとしたら、もう試験中は、「なんだっけなぁ~」と、ほかの問題を解こうとしても、その言葉がくるくる頭のなかをかけめぐって集中できないこともあります。

 この介護保険制度をどう理解するか…。

 私は、介護保険制度の大枠である概要を理解し、それぞれの関係性をとらえていくという覚え方がよいと思います。つまり「『介護保険の森』を見てから、『介護保険の木』を見る」というような勉強の仕方が大切だと感じています。

社会保険としての介護保険を知る

 さっそく介護保険制度のお話を進めていきますね。

 さて、わが国の社会保障は、給付の財源の調達方法により、「社会扶助方式」「社会保険方式」に区分されます(『[七訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)第1巻30~33ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2017』(「ワークブック」)22ページ) 。

 生活保護制度のように、その財源を税金で賄う方法を「社会扶助」といいます。

 介護保険制度導入前の高齢者介護は、基本的にこの社会扶助で行われてきました。

 しかし、要介護高齢者の増加とサービス供給体制をどう準備するかが課題となりました。1989(平成元)年の消費税の導入とともに、「高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略」(ゴールドプラン)などが取り組まれましたが、介護ニーズの増大と多様化には十分こたえられず、特に財源調達が課題となりました。

 そこで、ドイツの介護保険制度を参考に、1995(平成7)年に社会保障審議会が「社会保険」による介護保険制度の導入を勧告しました。

 「社会保険」は、その財源を保険料によって賄うもので、民間会社などが販売しているいわゆる「保険」と同じ仕組みです。違いは、その財源に公費である税金を投入していることであり、これが「保険」という言葉の前に「社会」という言葉がついている所以(ゆえん)ですね。

「社会保険」だから押さえておくこと

 わが国の「社会保険」って全部でいくつあると思いますか?

 実は、「介護保険」も含めて5つあるんですよ。

 私は大学の授業で「わが国の5つの社会保険をすべて書きなさい」なんて試験に出すこともあるのですが…。解答に「生命保険」とか「自動車保険」なんて書いてくる学生もいますね。

 皆さんはわかりますか?

 そうですね、まず「医療保険」があります。それから「年金」も社会保険の仕組みです。それから失業保険ともいわれている「雇用保険」、そして労働中の災害等に対応する「労働者災害補償保険」があります。そして「介護保険」で5つになります。

 これらの社会保険の名称を聞いて、何か感じることはありませんか? 実は社会保険は、ある特徴があるのです。

 そうです! 民間の、例えば生命保険は、自分で加入の契約を結ぶという「任意加入」ですが、社会保険は、一定の要件に該当すると、必ず加入しなければならないという「強制加入」(強制適用)の仕組みとなっているのです(「基本テキスト」1巻54ページ・「ワークブック」32ページ)。

 保険で規定している事故(保険事故)に遭いそうな人だけが万が一に備えて加入する保険ではなく、「逆選択」といって、幅広い人々に加入させ、みんなで支えあう仕組みにしてあることが第一の特徴です。

 また、社会保険は、さまざまな区分けができます。

 例えば「職域保険」と「地域保険」です。介護保険は、市町村保険者とし、その住民を被保険者としていることから「地域保険」ということができます。

 また、保険財政の運営形態から社会保険は、「短期保険」と「長期保険」に区分できます。介護保険は、財政運営期間が1年間または3年間と短期ですし、加入した期間にかかわらず給付を受けることができますので、「短期保険」であるという特徴があります(「基本テキスト」1巻47ページ・「ワークブック」23ページ)。

介護保険は、社会保険です

 介護保険は、「社会保険」です。

 「社会保険」だから「強制適用」の仕組みが採り入れられています。

 また、介護保険は、「地域保険」「短期保険」です。

 これらを続けると、「社会保険強制適用地域保険短期保険」という、介護保険の4つの特徴をまず押さえておくとよいでしょう。

 さらに「保険」というシステムですので、下の図のように区分することができます。


 つまり、「被保険者」「保険料」「保険事故」「保険給付」「保険者」と、制度を支えている「国・都道府県・国民健康保険団体連合会(国保連)」の6つの区分です。

 来週からこの区分を1つの単元として、解説していきますので、皆さんも単元ごとに整理して理解をしたうえで、その単元ごとの過去問題などにチャレンジをし、確認していく学習を繰り返してくださいね。

 今週は、『介護保険の森』を4つのキーワード「社会保険・強制適用・地域保険・短期保険」と6つの区分「被保険者」「保険料」「保険事故」「保険給付」「保険者」「国・都道府県・国保連」でとらえてみました。

 来週から、まず1本の『介護保険の木』である「被保険者」を第1単元として解説していきますね。

 それでは、やる気スイッチON! となったところで、『[七訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)『ケアマネジャー試験ワークブック2017』(「ワークブック」)の準備をお願いしますね。