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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

合格率が15.6%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部准教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

第4回 第1単元「被保険者」2回目

「被保険者」についての学習(5)「強制適用」と「適用除外」

 熊本県・大分県の震災が心配でなりません。テレビの地震速報の音を聞くたびに「また地震か? 大丈夫なんだろうか」と、被災地のみなさまがどんなに心配な毎日を過ごしておられることか心を痛めます。そんななか全国からいろんな支援が被災された方々に届いている様子を見聞きすると、「自分たちも何かできないか」と学生たちと話しているところです。

 また、支援物資が届いていない避難所がある一方で、おにぎりなどがあまってしまい大量の放棄があったと報じられたりすると、ニーズ把握とコーディネートの難しさと重要性を感じます。これは、ケアマネジメントとまったく同じプロセスですね。

 さて、そんななか、被災されながらも、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)を受験される方のお手伝いができたらと、今週も原稿を書き始めました。

 またまた、出して申し訳ないのですが、介護保険の特徴として4つのキーワードをあげてみましょう。もう暗記していますよね。「社会保険・強制適用・地域保険・短期保険」の4つですね。

 そのなかの「強制適用」と関連して押さえてほしいのが、今回解説する「適用除外」です。介護保険の「被保険者」として、「強制適用」される一定の要件については、先週でお話したように、「年齢要件」「住所要件」さらには第2号被保険者には「医療保険の加入」がありましたよね。

 この要件を満たした場合は、「強制適用」(強制加入)となり、強制的に介護保険の「被保険者」ということになります。したがって、「被保険者」となれば、保険料を納めることなどの義務が発生するとともに、要介護状態等になった場合には、介護保険制度からさまざまな給付(サービス)を受けることができるようになります。

要介護状態等となってもサービスを受けない人も…

 しかしながら、人によっては「被保険者」の要件に該当し、「要介護状態」となった場合であっても、介護保険制度からサービスの給付を受ける可能性がない場合が想定されるのです。

 そうです。児童福祉法や障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)、生活保護法等により施設等に入所している人の場合は、その施設等で、すでに療養上の介護が提供されていることがありますから、介護保険の給付(サービス)を受けることがないと考えられるといったケースがこれにあたります。

 そこで、介護保険では強制適用から除外される、つまり「適用除外」となる者を規定しているのです(『[七訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)1巻56ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2016』(「ワークブック」)41ページ)。

  • (1)長期にわたる継続入所の実態がある。
  • (2)入所施設等において介護に相当するサービスが受けられる。
  • (3)40歳以上の人が多く入所している。

といった理由から介護保険法施行規則において、施設種別を定めています。

頻出の「適用除外者」

 この「適用除外者」については、実際のケアマネジャー試験でも必ず出題されるポイントですので、特に施設種別は押さえなければなりません。

 「生活保護法の救護施設」「児童福祉法の医療型障害児入所施設」は、何回も繰り返して出題されています。障害者総合支援法の施行と定着により、上記の赤字部分は今年出題されるかもしれませんね!

被保険者についての学習(6)「住所地特例」

 4つのキーワードのうち、「地域保険」に関連して、さらに覚えたいのは「住所地特例」です。

 被保険者として「強制適用」する要件の1つとして、「住所要件」(先週)がありましたね。介護保険制度は、地域保険ですから、被保険者の住所を基本とした住所地主義をとっています。

 この住所地について、押さえるべきポイントとして、「住所地特例」というものがあるのです。つまり、住所地についての特別ということですね。

  • (1)介護保険施設
  • (2)特定施設
  • (3)養護老人ホーム

に入所する被保険者は、もともと住んでいた他の市町村にある自宅を引き払って、ある市町村の施設に入所してきたというような場合があるのです。そうすると、元の家を引き払っているので、住所を施設の所在地に移す場合が多いのです。住所地主義をとった場合、施設の所在する市町村に要介護者等が集中し、介護給付費等の市町村間の不均衡を生むことがあります。

 そこで、「住所地特例」といって上記のような介護保険施設等に入所し、施設所在地に住所を移した場合、その被保険者の住所地を事実とは違う「特例」として、入所前の市町村を住所とすることとしています(「基本テキスト」1巻59~61ページ・「ワークブック」43ページ)。

 この住所地特例についてもさまざまなケースが存在することになります。例えば、ある市町村で一人暮らしをしていた高齢者が、一旦、違う市町村の施設等に入所したあと、退所し、施設所在する市町村の家族の住所に入った場合などは、どの市町村の被保険者となるのかといったさまざまなケ-スについて考えておくことも必要です。

 「住所地特例」は、実際のケアマネジャー試験でも頻出で、毎年、必ず出題されているという重要ポイントです。しっかりと理解しておいてくださいね。