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福祉マイスターへの道 毎日更新

認知症と薬(2)

【Q】
 薬のPTP包装シートの誤飲事故があると聞いています。私ももう少しで利用者がシートのまま服用してしまうケースに遭遇しました。
 どのように注意すればいいのでしょうか。

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【A】
 医薬品の錠剤やカプセルなどはPTP包装シートに入ったまま渡されることがよくあります。現在、薬の包装は、プラスチックにアルミなどを貼り付けたPTP包装シート(Press-Through-Package)と呼ばれるものが主流です。
 ご質問のケースは、薬を包装ごと飲み込んでしまう事故ですが、喉や食道などを傷つけたという事故が危害情報システムに86件寄せられています(2000年4月~2010年9月)。
 その内訳は・・。
 性別では、女性61件(70.9%)、男性25件(29.1%)。
 年代別では、60代17件(19.8%)、70代29件(33.7%)、80代(26.7%)で、60~80代で8割を占めています。
 このPTP包装は衛生的で便利なのですが、1996年以前のPTP包装は縦横にそれぞれミシン目が入って、1錠ずつ切り離せる構造で錠剤と一緒にPTP包装を誤飲してしまう事故が多発したため、その後はミシン目を一方向のみとして1錠ずつに切り離せない構造に改良されました。
 しかし、その後も依然として誤飲事故は後を絶ちません。事故は薬を服用する機会の多い高齢者に多い傾向が見られます。
 1錠単位に切り離した薬をPTP包装のまま飲み込んでしまうと、自力で取り出すことは難しく、X線写真にも写りにくいため、内視鏡で取り出すことになり、身体への負担も大きいのです。
 問題は、飲み込んだことに気がつかない場合がほとんどで、ラッキーな場合は便とともに排出されますが、消化器官に引っかかった場合は、腹痛などの症状が出て、腹膜炎、敗血症などの合併症を起こすことがあるということです。
 包装シートの改善は製薬業界に要望されていますが、私たちも以下の5つを守りたいものです。
 (「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」、平成22年9月15日、医政総発0915第2号、薬食総発0915第5号、薬食安発0915第1号)

表 薬の誤飲を防ぐための注意事項

(1)PTP包装には誤飲防止のため、横か縦の一方向にのみミシン目が入っているので、1錠ずつに切らない
(2)高齢者での事故が目立つので、家族など周りにいる人も気を配る
(3)薬を飲むときは集中する(テレビを見ながらとかおしゃべりをしながら飲まない)
(4)PTP包装を飲み込んだかもしれないと思ったら、ただちに診察を受ける
(5)1回分ずつの薬を袋にまとめて入れる「一包化」を活用する


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