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福祉マイスターへの道 毎日更新

腹圧性失禁

【Q】
 私は42歳です。3年ほど前から軽い縄跳びなど、運動したときに尿が漏れるようになりました。はじめは気にしませんでしたが、最近は長時間外出したときや、軽い咳、くしゃみでも漏れるようになり、量も増えてきたようです。そのため、外出するときや風邪を引いたときなどは生理用のナプキンを当てています。調子の悪いときはかなり濡れています。ひどくせき込むと、普通の生理用のナプキンでは足りず、ナイト用を使っています。
 このまま年をとるともっとひどくなるのではないかと、とても心配です。何とか治る方法はないのでしょうか。

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【A】

 この相談は、「腹圧性尿失禁」の典型的な訴えです。腹圧性尿失禁は、尿道を締める「骨盤底筋」という筋肉が緩んだため、腹圧がかかったときに漏れる症状です。でも、そう判断する前にいくつかの基本を確認する必要があります。
 まず骨盤底筋の緩みの原因となる出産の回数や状況、肥満、便秘の有無等を確認します。骨盤底筋は、恥骨と尾骨、腰骨を支点として骨盤の底にハンモックのように張った筋肉です。妊娠や肥満、便秘などはハンモックの上に重圧がかかり、緩みの原因となりますし、出産は骨盤底筋を伸ばしたり、損傷させたりすることもあります。それらの緩みの原因に当たることがないかどうかは、大切な確認ポイントです。
 そして、そのほかの大きな病気がなく、腹圧以外では漏れないし、尿の勢いも良ければ、真正の「腹圧性尿失禁」と判断できます。
 腹圧性尿失禁は、尿の出口にあたる、尿道を締める筋肉が緩んだためで、簡単に言えば、パッキングがしっかり締まっていない水道と同じ状態だとお考えください。したがって、パッキングを強くすれば良くなります。
 強くする方法は、骨盤底筋体操と薬、尿道にコラーゲンというタンパク質を注入する方法、膣に用具を入れて尿道を抑える方法、手術があります。骨盤底筋体操以外の対処には受診が必要ですが、骨盤底筋体操はすぐにできるので、ぜひ覚えてください。
 今立つことはできますか? では、立って足を肩幅に開いてください。電話を持っていないほうの手をお腹にあてて、1回思いっきり息と一緒に、お腹、肛門、膣の力を抜いてください。そのまま静かに呼吸を戻して、お腹が引っ込んだりしないよう、つまりお腹に力が入らないように気をつけながら、肛門を静かに体の中に引っ張ってくるように締めてみてください。


出典:西村かおる著、『こちら、お漏らし110番―排泄とそのケアにズバリお答えします』、中央法規出版、2000年


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