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電気けいれん療法の際に薬で注意すること

【Q】
 電気けいれん療法を行う際に麻酔薬を使いますが、知っておかなくてはいけないことは何でしょうか。

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【A】

 電気けいれん療法が日本で初めて報告されたのは1939年です。電気ショック療法とも呼ばれています。電気けいれん療法は、側頭部から100Vの電圧を5秒程度通電します。現在は、手術室や麻酔科外来などで麻酔科医のもと行われる、けいれんの起きない修正型電気けいれん療法が主流となっており、麻酔薬、筋弛緩薬を併用した全身麻酔により行われます。ただし、単科の精神科病院でしゃ、現在も有けいれんの電気けいれん療法を行っているところもあります。
 電気けいれん療法の主な副作用は、(1)発作後の錯乱、せん妄、記憶障害などの認知機能障害、(2)電気けいれん療法初期に起こる徐脈、洞停止、その後の交換神経が優位になってくるために起こる頻脈、心室性不整脈、高血圧などの心血管性合併症、(3)頭痛、(4)筋肉痛、(5)嘔気、(6)咬筋の収縮による歯や口腔内の損傷、(7)けいれんが3分以上続く遷延性けいれん、(8)躁転などです。これらは、電気けいれん療法実施時、実施後の観察のポイントとなります。
 誰もが抱く脳を損傷するのではという心配ですが、脳の形態学的な異常は起こらないことが示されています。しかし脳の虚血や低酸素が損傷の原因と考えられているため、修正型電気けいれん療法で十分な酵素を供給しながら行われることが、より安全性を高めることになります。
 電気けいれん療法の際に使用する麻酔薬には、チオペンタールナトリウムなどがあり、添付文書に電気けいれん療法の際の使用方法が書かれています。


出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』、中央法規出版、2011


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