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福祉マイスターへの道 毎日更新

介護事故への対応(1)

【Q】
介護サービスを提供中、利用者が転倒して骨折してしまいました。明らかに事業者側に責任があると思われる場合、どのような対応をすればよいのでしょうか。

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【A】
 まずは、被害者である利用者およびその家族などに対し何らかの対応をする必要があります。そこで、まず一般的にどのような対応を採るべきかについて検討しましょう。なお、利用者の手当など、緊急になすべき事柄がありますが、ここでは事故対応に限定してお話しします。
(1)通常は、被害を受けた利用者かその家族から施設に対し相談、もしくはクレームという形で事故が紛争として顕在化します。まず、施設側がどのような対応をすべきかが問題となります。
(2)最初にすべきことは、家族(あるいは後見人など)に知らせることです。これと並行して事故に至る経緯、けがの状況を正確に把握することが必要です。この段階では、詳細な経緯までは不要ですが、的確・迅速な対応が大切です。本人や家族に接する際は、誠実さも大切です。これも信頼関係の維持に不可欠です。
(3)家族には、あらためて事故に至る経緯など詳細について説明をすることになります。そのときは、可能であれば施設長などの責任者と直接事故を起した担当者とで対応するべきです。この段階で、一般に事故に至る経緯の詳細と責任の所在について話すことになります。
(4)家族の反応にもよりますが、通常は、損害賠償など金銭的な話を持ち出すのは被害者のけがの症状が固定して損害額が確定してからです。保険から給付がなされる場合もあるので、注意しておきましょう。症状固定というのは、これ以上治療を続けてもその効果が現れない状態になることをいいます。
(5)何回かの話し合いを持ち、損害賠償額について合意が成立すると「示談書」が取り交わされます。
 しかし、話し合いをしてもお互いの考えが食い違い、どうしても合意に至らないこともあります。その場合は、残念ですが裁判などの法的な手続きを求める必要が出てきます。なお、事態がある程度落ち着き損害賠償の話が出た段階で、弁護士など法律の専門家に委任することも検討する必要があります。

出典:吉岡讓治『職員と利用者を守る 介護現場の法律講座』中央法規出版、2010年


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