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福祉マイスターへの道 毎日更新

向精神薬の効果判定

【Q】
 向精神薬は人によって効き方がさまざまなようですが、どのくらいの期間でその薬の効果の判定が可能なのでしょうか?

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【A】
 向精神薬の効き方がさまざまに見えるのは、脳内の神経伝達物質のバランスが関係していると思われます。薬は、ドパミン受容体、セロトニン受容体、アドレナリン受容体などにそれぞれ違う割合で結合し、効き目を発揮します。理論的には、患者さんの脳内の神経伝達物質のアンバランス状態に対して適切な薬剤の選択がなされれば、症状改善に効果が現れることになります。しかし、神経伝達物質は、互いに他の神経伝達物質のはたらきを促進したり制御したりするため、脳内のバランスの乱れを改善するのには、時間がかかります。
 治療のゴールをどうするかによっても、効果の判定期間は違ってきます。統合失調症では、従来、陽性症状の改善を目標に治療を行ってきましたが、現在では、社会復帰を目標に、陰性症状や認知機能障害の改善を視野に入れた治療に変化してきています。
 薬の特性からも、効果判定に時間がかかるものが多いといえます。抗精神病薬は、半減期の長いものが多く、有効血中濃度に達するまで時間がかかります。抗うつ薬は、効果を発現するまでに1~3週間、効果を判定するには1か月程度かかります。統合失調症はで使用する場合の抗精神病薬は3~6週間、薬によっても違いがありますが、長ければ2か月くらい経過観察期間をおいて効果を判定することも一般的に行われています。

出典:辻脇邦彦・南風原泰・吉浜文洋編『看護者のための精神科薬物療法Q&A』中央法規出版、2011年


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