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摂食障害の最近の傾向

【Q】
 摂食障害の最近の傾向には、どのようなものがあるでしょうか? また、ほかの嗜癖と異なることなどがあれば、教えてください。

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【A】
 摂食障害の最近の傾向ですが、以前はシンプルな摂食障害のみの患者さんが多かったのに対し、近年はアルコール依存症を併発した人や、パーソナリティ障害(特に境界性パーソナリティ障害)など、ほかの精神疾患を抱えた人が増えています。したがって、食行動のみならず、自傷行為や盗癖等の問題行動が少なくなく認められるようになりました。一般病院や精神科病院に入院した摂食障害の患者さんが、食べ残しを漁ったり、ほかの患者さんの食べ物を盗んで問題になるという話はよく耳にします。これについては、食べものへのこだわりや強い飢餓感、合理的な思考能力の低下等がそうさせている部分もあるでしょう。いずれにせよ、表面的な問題言動の根っこにある彼らの心の問題に、十分な関心を寄せるべきです。
摂食障害とほかの嗜癖との相違ですが、食するという行為は、飲酒やギャンブル行為とは異なり、生きていく上で不可欠な基本的行為(生活習慣)であるということです。人間は、眠ったり食べたりしないわけにはいきません。したがって、嗜癖行動につながるような状況に身を置かないことでリスクを避ける(環境調整でリスクを避ける)、ということができません。この相違が、摂食障害からの回復を難しくしているのです。

出典:松下年子・吉岡幸子・小倉邦子編『事例から学ぶ アディクション・ナーシング―依存症・虐待・摂食障害などがある人への看護ケア』中央法規出版、2009年


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