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福祉マイスターへの道 毎日更新

通告までの現場での対応

【Q】
 児童虐待の通告に至るまでに、福祉職などがしておくべきことは、どのようなものでしょうか?

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【A】
 “気になる親子”として発見しても、すぐに通告をするということではなく、まずは関係者でカンファレンスを行ったり、関係機関に連絡して情報を集める作業を行うことも必要です。
 例えば、医師が通告者の場合は、メディカルチェックや全身のレントゲン撮影の後、保健センターに連絡して乳幼児健診の受診状況の把握や保健師のかかわりなどについて情報交換をして虐待を疑うかどうかの検証をします。それとともに生育歴を把握するとか、院内のカルテや看護記録を時系列に具体的に記載して情報を集めることも大切です。情報がなければ判断ができないので、いかに虐待の発生要因に関係する必要な情報を集めるかが虐待の認知、通告の有無、リスクアセスメントに影響してきます。
 保育所などで、発見者が虐待なのか、しつけの範囲なのか判断に迷い、通告に自信がもてない場合は、保健師に事例の相談をして、保健師から通告してもらってもよいでしょう。あるいは、学校においても校長、または教育相談室に相談して具体的な情報を集めたり、通告の判断を委ねることもあります。発見者が困ったときは、身近に相談する人がいるかどうかが通告のしやすさにつながるので、一人で抱え込まないで、職場の上司や地域の関係資源を上手に活用するのも1つの方法です。
 発見者が通告する前に、児童相談所の仕事や機能を説明して、親が児童相談所に出向いて相談するように提案するのはとても効果的です。児童相談所が子どもを守るための機関であると理解させ、親の偏見を拭い去る支援をしていきます。特に子どもの発育・発達、精神発達に遅れがみられる場合は、子ども支援の立場で「養育上問題があるから」と児童相談所の活用を勧めます。児童相談所につなぐ対応、そして自ら児童相談所を利用するようになると、ネットワークに当事者が関与することになるので、その後の家族関係の血起動や関係修復に大きく影響すると思われます。

出典:徳永雅子著『子ども虐待の予防とネットワーク―親子の支援と対応の手引き』中央法規出版、2007年


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