ページの先頭です。

ホーム >> 福祉専門職サポーターズ >> プロフェッショナルブログ
どうなる? 介護保険 2012年08月

介護と仕事の“両立”

 8月27日、「国民生活に関する世論調査(2012年6月)」(内閣府大臣官房政府広報室 以下、世論調査)が公表されました。この調査は1948(昭和23)年から続けられていますが、介護保険サービスがはじまる前年の1999年から、「老後は誰とどのように暮らすのがよいか」という設問が加えられました。
 今年の調査では、子世帯と「同居する」が24.1%、別居が68.9%で約7割になります。ただし、別居と回答した人の半数は「近くに住む」としています(表1参照)。
 設問がはじまった2001年9月調査と比べてみると、「同居する」が10%近く減り、「近くに住む」が約18%と大幅に増えました。また、「息子(夫婦)と同居する」が減り、「どの子(夫婦)でもよいから近くに住む」が増えていることがみてとれます(表2参照)。


認知症の人の「医療計画」

 「“病院死”から“在宅死”への提言」(8月15日更新)で、厚生労働省が「地域における医療と介護の連携の仕組みの道筋を早急に付けることが求められる」(提言型政策仕分け)として、“病院死”(医療機関完結型医療)から“在宅死”(地域完結型医療・介護)にシフトするため、厚生労働省内に「連携推進室のようなプロジェクトチーム」を設置予定であることを報告しました。
 一方、「認知症は『2カ月で退院』 国、都道府県に通知へ」(8月8日共同通信)というニュースがありました。「認知症患者の長期入院を解消するため『新たな入院患者のうち半数は2カ月以内に退院する』ことを目標に医療態勢を整備するよう、厚生労働省が都道府県に通知することが8日分かった。都道府県は通知に沿って2013年度からの医療計画を策定する」というものです。
 厚生労働省ホームページには「医療計画」(2013~2017年度)のコーナーがあり、医政局長通知(3月30日)のほか、社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課「精神疾患について」(資料A-3)が掲載されています。


“病院死”から“在宅死”への提言

 厚生労働省では2010年4月から、厚生労働省版提言型政策仕分けを実施しています。その目的は「自ら改革を実施するために、厚生労働省の事務・事業や所管する独立行政法人、公益法人等の事業などの在り方について、公開(一般傍聴可)、かつ、外部の視点を入れて、議論を行う」ものだそうです。
 2012年度は5月からはじまり、第5回(6月29日)、第6回(7月6日)では「医療・介護の連携」がテーマとなり、8月10日には、第6回議事録(宮山徳司・座長)が公表されました。
 第6回では、「最期まで住み慣れた地域・在宅等で、自分らしく、満足度の高い生活を過ごす」という多くの国民の願いを実現するため、「適切な医療と介護サービスが提供され、QОLの高い在宅生活を実現する体制」をめざし、「自宅が病室となり、道路が病院の廊下と同じようになるよう、地域における医療と介護の連携の仕組みの道筋を早急に付けることが求められる」という提言がまとめられました。


低所得者のサービス利用

 「不正受給」がなにかと話題になる生活保護ですが、制度については毎年、「福祉行政報告例」(厚生労働省大臣官房統計情報部)が公表されています。
 最新の「2010年度福祉行政報告例の概況」では、生活保護を利用するのが141万49世帯と過去最高になり、「高齢者世帯」が60万3,540世帯(42.8%)でもっとも多いと報告しています。
 生活保護の利用が多いのは「高齢者世帯」と「傷病・障害者世帯」で、1970年代から「傷病・障害者世帯」が4割と最多でしたが、2000年代になって「高齢者世帯」が4割を超え、順位が入れ替わりました。
 生活保護は住宅、医療、教育など「扶助」が分かれていますが、「介護扶助」(自己負担部分)の利用者は22万8,235人になります。
 しかし、生活保護の対象となる人は介護保険サービスの利用料をカバーしてもらえるけれど、生活保護にまで至らない低所得の高齢者にとって1割負担が苦しくて利用できないという話もよく聞きます。


「利用者」の数え方

 厚生労働省大臣官房統計情報部は7月26日、「2011年度介護給付費実態調査の概況」(2011年5月~2012年4月審査分 以下、実態調査)を公表しました。
 マスコミでは「介護利用、最多517万人 03年度の1.4倍」(共同通信)、「介護サービス利用者、昨年度最高に 517万人」(日経新聞)、「23年度、前年度を24万5600人上回る」(産経新聞)などの報道がありました。
 なお、今年4月の実態調査月報(2012年5月審査分)の公表は10月に予定され、介護報酬改定の全国的な影響をチェックするには、あと3カ月ほど待たなければならないようです(厚生労働省「統計結果の公表情報」より)。


ページトップへ
プロフィール
小竹 雅子(おだけ まさこ)
市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰。「障害児を普通学校へ・全国連絡会」「市 民福祉サポートセンター」などを経て、2003 年から現在の活動に。著書に岩波ブックレット『介護認定介護保険サービス、利用するには』(09 年11月)、『介護保険Q&A 第2版』(09年5月)、『こう変わる!介護保険』(06年2月)などがある。
メニュー
バックナンバー

文字の拡大
災害情報
おすすめコンテンツ
福祉資格受験サポーターズ 3福祉士・ケアマネジャー 受験対策講座・今日の一問一答 実施中
福祉専門職サポーターズ 和田行男の「婆さんとともに」
家庭介護サポーターズ 野田明宏の「俺流オトコの介護」
アクティブシニアサポーターズ 立川談慶の「談論慶発」
アクティブシニアサポーターズ 金哲彦の「50代からのジョギング入門」
誰でもできるらくらく相続シミュレーション
e-books