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和田行男の「婆さんとともに」

ぶっ飛ばせ 「年だから」

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 名古屋在住の77歳の方が、介護福祉士の試験に合格したというステキな話が新聞(中日新聞4月21日朝刊)に掲載されていました。

 後期高齢者になる年に介護福祉士に挑戦し、1年目は学科試験で落ち、2年目は実技試験で落ち、そして今回、3度目の正直で見事に合格したそうで、テキストをミニサイズに自分で改造し、電車の中でも寸暇を惜しんで勉強した努力の結果だそうです。
 僕の周りでも、試験結果に悲喜こもごもで、うなだれ「僕はむいていないかも」なんて悲壮な連中もいますが、何事にもすぐにあきらめがちな僕も含めて「77歳の挑み心」と「結果への追求」を見習わねばです。

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 もうひとつ。
 写真のクルマは、去年の秋に「僕とクルマ」という題の記事で「次はどんなクルマかって…それはヒミツ」と書かせてもらった当事車です。
 1968年製トヨタパブリカ・コンバーチブルと言い、僕にとっては二代目のパブリカですが、写真のとおりオープンカーです(もちろん幌の屋根がつきますが)。
 お金がなくて数カ月引き取れなかったのですが、引き取りに行ったときは感動しました。と言ってもそれは、クルマ自体にではなく、このクルマにまつわる話にです。
 整備工をしている60歳代のご兄弟のお兄さんが昭和40年代のクルマ(今では名車ばかり)をたくさん長年にわたって所有していたようですが、スペースのこともあって1台また1台と手放し、これは最後まで手放さなかった車だそうです。

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 僕が出会った一昨年は、写真のように内装も外装もオンボロ状態で猫の住処になっていました。元々は白い車だったのですが、何回も色を塗り替えて、お客さんに代車で貸していたためオンボロになったそうです。
 40年以上前の車なので「ない部品」もあるのですが、「なければ手作り」「なければ他車の物を加工」で組み上げてくれました。さらに驚いたのは、もう一台解体屋からパブリカを買ってきて部品取りにしたそうです。同じパブリカでもオープンカーは別物なのであまり役に立たなかったそうですが、それも「発見だった」と探究心は旺盛です。
 専門の業者の力も借りて1年以上かけ、丁寧に仕上げてくれました。
 仕上がりは1968年当時のオリジナルとは若干違いますが、そんなことはどうでもいいこと。愛情たっぷりに仕上げてくれたにもかかわらず、僕がこの車を購入せざるを得なくなった経緯を伝えると、超破格値で譲ってくれました。

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 引き取りに行ったとき、持ち主のお兄さんは、「もう最後だから」と車を丁寧に拭き「最後に運転させてくれ」とご近所をドライブされ「大事にしてやって」と言葉をかけてくれましたが、その想いいっぱいの言動には心の中で泣けました。たかがクルマ、されどクルマなのです。
 お二人の職人が他の職人の手を借りて愛情たっぷりに仕上げてくれた車は見事に蘇りました。
 僕も専門職として「よみがえり」の職人になれるよう、この車にまつわる話を忘れずに尽力していきたいと思います。

 僕も次は60代、その次は70代。
 50代の僕に「年なんて関係ない」とばかりに「挑み」と「結果」を魅せてくれ、世間の「年だから」をぶっ飛ばし「とし宝」に変換している先輩たちに、感謝・感謝・感謝です。


コメント


和田さま、介護一筋ではなかったのですね。なんだか勝手に嬉しいです。涙なくしては乗れないパブリカですね。和田さんにピッタリです。羨ましい私もお金があったらいつか乗りたいです。私は今、バイク寄りで65年カワサキW1Sに乗っています。日頃は和田さんの言葉を胸に介護の仕事に携わる一介護士です。


投稿者: 葵井S美 | 2013年04月25日 12:20

和田さん、本当に車好きなんですね!    先日、久しぶりに96歳太郎さんと74歳三郎さんとコーヒー飲みに誘い三人で出掛けました。たまには違うお店、、と市内車走らせるも、なかなかで諦めかけた時、コーヒーと書かれた旗がヒラヒラ。Ùターンしてみると、なんかゴルフショッツプみたい感あり、おそるおそる駐車場へ、ちょうど外に店員さんいたので聞くと、どうぞ~と。店内入ると白木木目の床、黒い椅子、広々とゆったりした店内。お目当てのコーヒーと三種類のケーキありそれぞれ注文。そこそこに時間かかり、出てきたケーキは脇に果物が添えられどれも美味しそう!三人揃ってうわ~。続いて運ばれてきたコーヒーもとーっても良い香り。店員さんの優しい配慮に太郎さんニコニコ。目の前に置いたシュガー気づかず、ミルクのみで美味しい~と満面の笑み。いつもは5、6本入れるのに~。店員さん色々教えて下さり、午後早い時間はすいてるからいつでもどうぞ~と。定休日に貸し切りでランチや演奏会に利用してもよいですよ!と。奥はシュミレイションでゴルフ楽しめるらしく、都内はゴルフバーというのがあるそうで。そこは他にもアート教室もあり、壁の向こうには打ちっ放しや一角に練習用のコーナーがあり、三郎さんは夢中になり遊んでましたが、コーヒーだけがお目当ての太郎さんの帰るコールに帰ってきた次第です。お勘定してると、太郎さんがカウンターの新聞におれも若い頃この仕事していた!とまた話盛り上がり、結局、店員さん車まできて見送ってくれました。また代わるがわるいきたいでーす!(*^^)v


投稿者: むらさき | 2013年04月26日 21:50

私も介護福祉士の試験合格目指して、突っ走ります!


投稿者: わたる | 2013年04月27日 00:13

和田さんお久しぶりです。
これが以前話してくれた愛車ですね。
とても惹きつけられました。
以前一緒に同行させていただいた時の、KP61でも盛り上がりましたが、本当に素晴らしい一台だとおもいます。私もプライベートで楽しみ、それをバネに婆さまとかかわっていきます。
是非愛車北海道まお来てください。


投稿者: コン タロウ | 2013年04月27日 18:43

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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