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和田行男の「婆さんとともに」

デイde「生活支援」を!

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 通所介護:通称デイサービスがあちこちにある。
 このデイサービスで「生活支援」ができるようになると良いと考えている人はたくさんいるのではないか。

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 介護保険の事業はそれぞれに目的をもっているが、介護保険法の目的であり、各事業の運営基準基本方針に謳われている「自立した日常生活を営むことができるように」の理念は共通している。
 就労人口が減少し、要介護状態に至る人が増えることが予測される中で、これからの仕組みに必要なことは「効率化」でもある。
 だとしたら、何もわざわざ、買い物支援は訪問介護の家事援助でなんて機能分化する必要はなく、デイサービスに来ている間に買い物支援ができれば、人手もコストも効率化できるし、国民負担も減るし、国民も喜ぶことだろう。
 自分一人では買物に外出できなくても、デイサービスの「車」や「支援者:専門職」を使えば応援できることはたくさんある。
 デイサービス滞在中に夕食を作って持って帰ることができれば、まさに「生活支援」になる。
 通院や理美容に行けるように支援することも、仕事をすることを支援することだって「生活支援」である。
 デイサービスで日常生活とは切り離れた「非日常の時間」を過ごすことも悪くはないが、公金を使う本来の意味は「日常生活を支援すること」にあり、日常生活を支援できないデイサービスというのはもったいない限りである。
 うちのあるデイサービスでは、毎日昼食づくりのため食材を調達しに商店街に出かけるが、自分が家に帰って食べるものは買えない。その向こう側で「配食サービス」や「訪問介護」を別に受けるなんて、何ともおかしな話である。
 都市部のように、身体能力が低下しても身近に生活資源がある地域はまだ良いが、車がないと生きていけない地域だらけになった今、自宅生活を支えるデイサービスという仕組みの「生活支援への有効化」は、簡単にできて効果絶大である。
 その昔、デイで一人暮らし・高齢者世帯の人の「年末買い物ツアー」というのをやったが、「本来の目的から外れている」と裏でとやかく言われたことがあった。
 でも僕は、バスに乗って外出できるように支援することも、買い物ができるように支援することも、「自立した日常生活を営むことができるように」に沿っており、間違っていないという自負は今でもある。
 お金も人手も不足しているというなら、知恵を使って介護保険の目的を遂行しやすいようにすればいいだけで、簡単に手をつけられることからつければいいのだ。

追伸
 写真は、愛知県半田市乙川の山車。
 これから5月まで、半田市のあちこちお祭りである。ぜひとも一度見に来てください。狭い街中を練り歩く山車は壮観ですよ。


コメント


こんばんは。

実は先ほどまで和田さんが講演をされていた場にいたものです。

本日はこの悪天候予報の中、あのような僻地にまで来てお話をしてくださり本当にありがとうございました。

和田さんの婆さんたちへの愛情をたくさん感じ、その愛すべき婆さんたちのためにあれやこれやと頭と身体を働かせている和田さんの力強さを感じながらあっという間にすぎた時間でした。

日頃自分の課せられた仕事内容に不信や疑問を抱きながらも何の力も持てずに働いていた私にとって、今日の和田さんの講演は頭の中の雲がすーっと風で流れ去っていくようなすっきり感を得ることができるものでした。

今日は日頃思うことや抱いてきた疑問を和田さんにお聞きしたかったのですが、仕事仲間と一緒に参加していたため手をあげることができませんでした。(仕事内容を否定する発言になりそうで・・・自分の立場を悪くする勇気はなく・・・すみません!)

でも今のデイは役割間違えや役割不足が過ぎるのでは?!という疑問には今日の和田さんの話やこのブログからも答えをいただけました。

問題は、現実にはそういう疑問を持たない仲間もいる中でどうやって自分は行動していけばよいのか・・・

ともあれ、今はまず自分の脳に「ありがとうね~」とねぎらいの言葉をあげることにします(笑)

今夜は本当にありがとうございました。



投稿者: とあるパートのおばさん | 2013年03月18日 21:52

「デイサービスに来ている間に買い物支援ができ
れば」「通院や理美容に行けるように支援することも」激しく同意です!
そう出来ない制度上の問題でもあるのですか?
というか、何故いまのような「サービス」の内容が「定番」になったんでしょう。
レクリエーションなどわたしには考えつかないことです。


投稿者: ねむりねこ | 2013年03月19日 02:10

相変わらずの和田節 大好きです。私もデイサービスの方と買い物にいっしょに行った時、車の横に貼ってあるデイサービスの名前をご覧になった方が、ご丁寧に県の方へご注進なさったみたいで、実地指導に来られた県の方曰く、「新規にお店が開業したからと言って、利用者を連れて粗品をもらいに行ってはまずいですよ」
泣きたかったですね。デイサービスでどんなに歩行訓練をしても、その先に歩いて行ける楽しみがなくてどうするんだろう。何か目的や楽しみがあるから歩こうとされるんではないのかな
お店でカートをシルバーカー代わりにスタスタ歩く様は小気味いいですよね。
和田さんのおっしゃる通り、デイで堂々と買い物ができたり、夕食を作って持ち帰れたら、それこそまさに在宅支援の最強の策だと思います。
そうなるようにお力を!!(他力本願です)


投稿者: 花蓮 | 2013年03月19日 07:16

買物支援で歩行介助○、行き歩きで帰りのタクシー利用○、往復タクシー×、片道車イス移動×、往復車イス移動×…。
生活必需品購入と気分転換を目的とした買物支援…移動手段を利用者さんが決めれないことが自立支援なのかと、考えています。


投稿者: わたる | 2013年03月19日 22:52

在宅独居者が通所日を増やしたいが、在宅でヘルパーが洗濯や掃除をしないとダメだからと言っても1日に入れる支援内容は限られる。
だったら、デイに来て風呂に入ったついでに洋服を自分で洗濯して、干して、畳んで、次回に来た時の入浴の着替えに・・・とスリム化を考えた時、所管の指導課に問い合わせたら通所の役割ではないと言われた。

選挙が有った時、投票日にわざわざ外出ヘルパーを入れられないのだからデイで不在者投票に行きたいと言っても保険者は良い顔をしない。国民の義務を果たすのに通所介護が支援してはダメなのか?

在宅での生活を維持できるように支援する通所介護を堂々と出来るように外出や買い物など機能訓練と言う名目だけでなく、有する能力の支援を住んでいる地域で出来たらいいですね。
(こっそりしていますが・・・)


投稿者: がちょ~ん | 2013年03月20日 17:14

この度、デイサービスを開業する予定でおるものです。
おっしゃる通り、デイサービスはこちらのメニュー通り利用者を動かすところではなく、家で暮らすために何を提供するかだと思います。それはレクでも手作業でもないのではないでしょうか?レク・手作業もあっても良いですけど、本質は違うように思います。だって、デイサービスの介護保険基本方針にしっかりとうたってありますものね。レクをやれとは書いてないですよ。
ベルトコンベアの上に年寄りを乗せて流れ作業だけしているデイサービスは無しですよね。
でも、デイサービス以外の場所でサービス提供するのはダメだと指導をされたこともありますが、ちゃんとケアプランに入れて本人や家族の同意をもらっていれば・・・年寄りが元気になれば・・・それでいいですよね・・・和田さん!! みなさん!!
家で閉じこもりで、デイサービスに来ても閉じこもりなんてかわいそうですよ。


投稿者: いなかもん | 2013年03月20日 21:11

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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