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和田行男の「婆さんとともに」

当然ちがい

 9月7日ゆうさんのコメントに書かれた職員の行動は看過できない。
 人前では繕って、人の目から外れると本音を吐く・本音に基づいて行動する。なんていうのは誰にでもあることで珍しくはない。
 そのことそのものをとやかく言えるほど僕に清さはない。
 でも、こと仕事上でとなると、話は別である。それは介護に限らずだが、ゆうさんの母親がいる施設の職員の言動から、あれこれ考察してみよう。

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 「○○さん悪いけど、今はトイレに連れて行けないからオムツにしちゃって。後で綺麗にしてあげるから。」
 この職員は、これを当然のこととして何ら間違った意識もなく吐いた言葉であろうが、これで感じたのは、この職員は介護に従事している職員ではあるが「介護の専門職(以下「専門職」)ではないということだ。
 なぜなら、仮にその時にオムツ交換することができないとしたら、生活を応援する専門職として、まずは応援できないことに「申し訳ないと思う」はずであり、せめて「すいません、今は応えられないので後できます」となるのが当然のように思うからだ。
 ゆうさんはこの職員の言葉を、職員の数が少ないこと、システムで動かさざるを得ないこと、家族では面倒見られないのだからと受けて「しょうがいない」と言っているが、実はこれが「専門職」を生まない・堕落させる原因でもある。
 よく、こうしたことを「職員が少ない、忙しいから優しくできない」「介護職は待遇が悪いから、いい人が集まらないのよ」なんて言い方でごまかす人がいるが、これはこの職業に就いた時点・プロになった時点からあわせもたねばならない姿勢の問題であって、人手やシステムやお金は関係なく、小さくは個人だが、大きくは施設の体質が問題なのだ。
 僕の知人の介護職が、一念発起して看護学校に入ったが、その実習先の病院である患者に便臭があったので「あの方排便していますがどうしましょう」と先輩に聞くと「もうすぐお風呂だからそのままでいい」と言われたそうで、そいつは愕然としたそうだ。
 それまで勤めていた施設では「すぐに取り替える」を教え込まれてきただけに、せめて「そうね、今日は実習生がいるから大丈夫か。あなた替えてきてあげて」と言ってほしかったと。
 こうしたことが日本全国で起こっているのかと思うとゾッとするが、これで専門職だなんて言ってほしくないし、介護の仕事をなめてほしくない。
 しかも許せないのは、「家族がいるときは応えて、いないとなると応えないその姿勢」である。
 僕は職員に、取り繕いをしないように話している。現場の連中は、視察がくるとなると、掃除をしたり片づけたりしたがるが「いつもどおりを見てもらうように」と言っている。取り繕いは誤魔化しの素であり、誤魔化しは不正の温床となるからだ。
 家族がいるときといない時の行動に違いをつける職員がのさばっているような施設では、さまざまに問題が潜在していてもおかしくはないということにもなる。
 またもうひとつの「人形のように・個性もなく」であるが、確かに現在の人員配置基準では一人ひとりの能力を維持・取り戻すことに思い切って取り組めないし、安全面を優先すると「動かさない」運営にならざるを得なくなる。
 その結果入居者の姿は、生きた人の姿からどんどん離れて「人形化」していくが、これは一概に施設側を責められないこの国の事情が潜んでいる。(これは今までもいっぱい書いてきたし、これからも言い続ける重要なテーマ)
 ゆうさんから「安全重視の副作用として認めざるを得ないのか」と聞かれたら「家族が安全を求めていけばそうならざるを得ない」と僕だって言うだろう。
 でもそうした点を踏まえつつ、母親を通して見聞している施設のあり方について、責めではなく意見を交わしてみてはどうだろうか。
 ゆうさん、ここは思い切って施設幹部と膝つきあわせてみて、自分が見聞きしたことや思っていることを話してほしい。
 どんな答えが返ってくるかわからないが、そうした行動こそが専門職を育み、体質改善につながり、この国の介護水準を引き上げることになるのだから。気づいた人が声をあげるべきである。
 家族はつい「人質にとられているから」と思って口をふさぐが、意見を交わすことさえ受け入れない事業者(施設)ということがわかれば、契約事項に基づいて苦情を出せばいい。いわゆる泣き寝入りは事を発展させない最悪の道である。
 こうしたことは何度も何度も繰り返しわが身に問いかけ続けていかないと、すぐに下がって「当然ちがい」が起こる。誰もがもつ「傲慢」との闘いでもある。
 お金も人手もかからない「姿勢や体質は介護の専門職たれ!」と責めを受けるのはプロとして当然のことであり、お金や人手のかかることは国民(家族)とともに歩もうとする姿勢をもつことは専門職として当然のことなのだ。
 僕の所属する法人の会長は「当たり前のことを当たり前のできるように」といつも僕らに言ってくれるが、人のふり見てわがふりなおせである。我が現場でも同様のことが起こっていないか再点検することにする。ゆうさん、ありがとう。


コメント


終盤に書かれている会長の言葉、実に、私たちの施設の理念でした。皆で考え5年前にこのように理念を変えました。「当たり前のことが当たり前にできるように支援します」「痒いところに手が届くように支援します」「ダメ!を言わない居場所を創ります」と。またまたコメントがずれてしまいますが、8年待ち続けたグループホームの公募が私たちの圏域ででました。もちろん応募しました。来週ヒアリングです。ようやく気持ちをおもいっきりぶつける機会を得ることができました。運よく選定された暁には、プロの職人として今以上にヤル気が出ちゃいます・・・。人形創りの職人には絶対になりません!!


投稿者: 稲毛のマウンテン | 2012年09月11日 11:43

和田さん、皆さんこんちにわ!!
このブログを私物化している感が否めないですが、すいません。今、10月の開設に向けて日々、職員研修をしております。介護の責任者として、ことある事に現場職員に言い続けている事です。
「介護の責任は全て、私がとる。だから、一つだけ協力して欲しい。どんな時も、何故、そのようなケアをしたのか?を言葉にして返してくれ」といっています。和田さんから教えて頂いた「覚悟」を自分なりに通しています。
昨日、保健所との闘いにようやく結果がでました。ユニットでご飯を炊いてもよいと認めて頂きました。
老健で、ユニットでご飯を炊く意味が通じたかどうかは、正直わからないですが・・・。たかが飯を炊く、たったそれだけですが、それが、生活に及ぼす影響は無限大です。当たり前のことを当たり前にする、しかし、その当たり前が当たり前でない施設。むかし、読んだことがあります。「施設の常識は、世間の非常識」いま、その言葉を思い出しました。
追伸

和田さんへ
今後も、かってに投稿しますが、よろしくお願いいたします。ご飯の件は、全国の和田チルドレンに少しでも、伝えたかったんです。介護の専門性はまだまだ、無限の可能性を秘めているよ、と。


投稿者: 博一 | 2012年09月12日 07:18

当たり前をやる為の1つに看護主任がご利用者の排泄のリズムを掴むよう、習いました。

排泄ケアは健康管理の上でも大切で重要で、その方の最もプライベートなことだと思います。

介護に携わる者として、寂しい。


投稿者: わたる | 2012年09月12日 08:07

先日は8月の和田さんのブログ記事へのコメントで、まったく本題と違うコメントを突然書いてしまった事をお詫び申し上げます。また、今回、その内容について、「当然ちがい」と題して、取り上げていただき、大変恐縮しております。

排泄介助について、見聞きした内容について、施設側に事実の報告とそれについての意見も伝えてみたいと思います。

この施設の入所責任者になっている、支援相談員の方にうかがってみます
この方はとても真摯にいつも質問や相談などに応じて
対応してくださり、現場への確認もスピーディーにしてくれるので、ひとまずアプローチしてみようと思います。


投稿者: ゆう | 2012年09月13日 20:07

私は定年を迎え今は一線を退いた身です。時々認知症関連のお話を頼まれてさせていただいています。現役時代に、「普通の暮らしを支援する」という和田さんの言葉を少しでも実現しようと頑張ってきたつもりです。県の主催する研修(グループホーム管理者の必修研修)に出て同じように学んできても、どうしてこうも違いがあるんだろうと思っていました。まるで「生活」のにおいの感じられない、とてもきれいで親切すぎるホームが多々あることに腹が立つのは通り越して、この世界から足を洗おうとさえ思いました。
しかし、そんな人ばかりではないんです。若い子が勉強したい、今までの経験談や、和田さんの言葉の奥にある、知識のみを学ぶのではなく、心が動くような話をしたい、といってきたんです。毎月1回自由に言い合える場を設けました。もちろん、想いだけでケアできるわけではありませんが、認知症の介護が辛いけど「楽しい」と思えるような会にしたいです。ケーキを食べながら、私が作った「和田語録」(今までのブログの中から引用)を資料にして楽しい場が持てそうです。
「和田語録」として5人で読ませていただくことを許可してください。


投稿者: 花蓮 | 2012年09月14日 09:42

和田さん、こんにちは。久しぶりの投稿で失礼致します。凄く釘付けになって読んでしまいました。私はまだまだ新米で学びたい事も山々ですが、何故かホームでチーフ的な役割になってます。
職員やパートさんから、人員的な事を理由に人が居ないからトイレ中止にして!夜勤がしんどいからオムツにしたら良いやん!と言われてます。人が居ない事を理由に変えてしまうことが嫌で意見を交わすのですが、中々理解してもらえません。自分1人でその意見を通してるみたいに感じて最近では萎えてしまってます。オーナーに話をしても、夜勤が大変やし1人やからなーと仕方ない良い方をしてました。
仕方ない…確かにそうですが、本当にそれで終わって良いのでしょうか?プロとしてみんなの意識を変えるにはどうしたら良いのでしょう。家族が来た時だけ、監査が来る時だけ、それぢゃ何もよくなりません。自分自身ブレ無い強さが欲しいし、意識を変えれるような人になりたいです。


投稿者: つくし | 2012年09月14日 14:50

花蓮さんへ

遊びに行きたぁ~い。
チャンスをうかがって。
そのためにも、連絡先を知らせておいてください。
コメントで投稿してくだされば、内緒で和田に届きますので。
よろしくお願いします。

いやぁ~行きたいなぁ。その井戸端会議。


投稿者: わたゆきお | 2012年09月14日 23:30

初めまして。介護の世界に未経験で飛び込んで、まだ半年もたたない新米です。前職は、接客業、事務職、経理・・でしたので、介護の仕事が自分にできるのか?と、悩みながらも、生活のためになんでもやる、という、なんだか、ものすごく現実的な理由でこの世界に入りました。働いている職場は認知症の方のグループホームです。認知症・・ボケる・・不幸・・というイメージを少なからず持っていた私ですが、職場体験をさせていただいたときに、おじいちゃん、おばあちゃんたちの笑顔や優しさに逆に癒されて、自分は介護職に向いているかどうか・・なんてことより、またこの方たちに会いたい!と思って、その介護施設に入社しました。
介護のプロとして成長するために身に着けていかなければならないことは山ほどありますが、なんといっても、ホームの住人さんが大好きなんです!!!
笑顔が見たい・・根底にそれがあれば、こんな時にどう接するか、はもっと、本能的に見えてくるのではないか?なんて、新米ながらに思う今日この頃です。


投稿者: まりりん | 2012年09月16日 07:32

前職場で なんとなく、社長代理みたいに働いてました。今あれ?っていう間にリーダーになった方々の?も 今を頑張って欲しいです。なにわともあれ 利用者さんの気持ちとスタッフの気持ちをどうとらえるのかです。話は変わりますが 施設でお世話になってる母のことです。今日は 誕生日で 自宅で祝いました。車椅子で改装もしてないですが。なんとか自宅に戻りました。母は食事は早い方ですが 職員の都合なのか 副食を主食に全部乗せていいか 職員に聞かれ了解してるようです。なにげなく、ビックリした1日でした。


投稿者: マメ | 2012年09月23日 19:22

9月7日のコメントに投稿させていただいております。母がお世話になっている施設の職員の言動について突然投稿させていただいたところ、和田さんには9月11日の記事にて、「当然ちがい」と題して、とりあげていただいております。

だいぶ、タイムラグができてしまいましたが、今日、支援相談員の方を通して、施設側の問題提示への対応と今後のケアの方針のご回答をうかがいました。

今回、どういう形で、施設の方へこの問題を提示したらよいか、正直、和田さんに指南されてから、迷っていました。

実際に母が受けた対応では無かったのに、そんなことを言って、今後の母のケアにひびいたり、厄介もの扱いされ、居辛くなったら、などと少し考えていました。

そして、言いだすきっかけになったのは、9月中旬に行われた施設の敬老会でした。

家族も参加していましたので、帰る前に施設の対応や、環境的なことなど、また今後の予定など、要望や、意見などなんでも良いので、気がついた事を記入してください。という用紙をもらったので、そこに、

9月7日にコメントで書かせて頂いた内容について記入をしました。

そして、信頼できる支援相談員の方に、用紙を手渡しし、自分からだと告げました。

それから、施設側では、その相談員さんを通して、意見のピックアップを行い、内容について、確認作業に入っていただいたらしく、まず、現状把握のため、職員へのヒアリングや、この件について5回、会議を重ねてくだったらしいです。職員への指導も行い、今後のケアのあり方を再確認してくださったとのこと。

このような問題の提示をしていただいた事に感謝しますとのことを言われました。

まず、安心したのは、この職員のしたケア、言動は不正解だったと名言してくれたこと。あってはならない、言動ですと。

老健ということで、30~40人規模の利用者を相手に、多分、業務も大変なことでしょう。

私もホームヘルパー2級の実習で特養やデイでケア実習をかじったことがあったので、
まっさらな利用者の一家族という視点からの意見ではない部分も実際あったので、
少し弱腰な感じでしたが、相談員の方は、きっぱりと、そういう施設の事情とかはケアを行ううえで、分けて考えなければいけないので、そういうことを理由にケアが疎かになるのは絶対にあってはならない事ですと言いきっていただきました。

排泄ケアに関しては、意思表示のある方にはその時に誘導するのが基本になっていますので、その職員の言動はまったくもって間違っていて、指導させていただく内容ですとのことでした。

なかなかご家族様からはご意見というのは言い出しにくいところかと思いますが、ぜひ、何か疑問に思われることがありましたら、遠慮せず、申し出てくださいと言われました。
ご家族様の意見がそのまま反映されたケアになるのが、基本ですからと。
職員のケアや、意識の改善が、私の母が受けるケアにもつながっていくので、ぜひ、他の利用者様へのことでもよいですので、気になることがあったらお申し出くださいとこと。
それから、今回、こういう意見が利用者側からあった、それに対しての対応、回答を、施設内に文書で利用者様、ご家族様にわかるよう、掲示いたしますとのことでした。

和田さんに、私の見聞きした施設の在り方について、責めではなく、意見を交わしてみてはどうだろうかとご提案していただき、思い切って行動に移してみて良かったと思いました。

和田さん、ご指南いただき、ありがとうございました。


投稿者: ゆう | 2012年10月26日 20:47

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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