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和田行男の「婆さんとともに」

華車いっす

 全国フラワアジメント全国大会に、こんなステキな作品が出展されました。
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 大きくすると
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 この作品を出展したのは、東京都豊島区南長崎の「大正ロマン フラワーショップ アスター」の箆津さんという方です。
 僕が所属する法人のグループホーム「なごみ西落合」がよく使わせていただく商店街にあり、うちの職員さんが僕に紹介してくれました。
 以下、うちの職員さんが箆津さんにインタビューをしてくれましたので紹介します。

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――なぜ車椅子を題材にしたのですか?
 毎日、なごみの入居者さんだけではなく、多く人が店の前を車椅子で通っていく姿を見て、感じることがありました。車椅子で通っている人の姿を見ると、表情が暗かったり、とても寂しそうに感じることが多かったんです。
 さまざまなもののデザインが多様化している時代の中で、何で車椅子って、こんなにも「無機質」なんだろうか?「無機質」なだけではなく「清潔感」も感じられない。清潔感が感じられないと、介護する側も含めて「大丈夫か?」と感じてしまう。
 デザインに関しては、若い娘は頭に花飾りをして、外出することを自分自身の生きがいとし、もちろん、他人からの目を気にして、楽しんでいる。
 だったら車椅子にお花を装飾してもいいんじゃないか。それって特別なことではなく、洋服やネイルアートのように、毎日、車椅子のシートなどの色を変えて外出を楽しむことが、生きているってことではないのか。
 そう考えると、車椅子には「季節感」がなく、単なる移動するための道具になっているのではないかという疑問が湧きました。
 誰だって、毎日を明るく生きたい。
 しかし「暗い」「寂しい」車椅子に乗っていて、毎日を明るく生きることができるのか?
 車椅子の「暗い」「寂しい」イメージが世間一般に定着しているから、それを見て他者は変に気を使い、現実として「閉鎖的」に世の中がなっているのではないのか?
 だとしたら、車椅子に乗ってワクワクして、明るい気持ちで出かけたくなるには、どうすれば良いか?
 そんなことを思って、フラワーアレンジメント全国大会で車椅子を題材に表現しました。

 花で装飾された車椅子を見ていたおじいちゃんとおばあちゃんは、「こんな車椅子があったら、毎日出かけることが楽しくなるね」と笑顔で言っていました。
 政治家やスポーツ選手などが施設慰問しているのをテレビ等で見ることはあるが、私は、おばあちゃんが車椅子に乗って、ファッションショーやガールズコレクションに出場してみたら、とても面白いと思うし、見る側にも何か心に響くのではないのかと思います。「受け身」ではなくて、「積極的に参加」することが大切です。
 施設を作る時など、介護関係者だけで考えるのではなく、さまざまな職種の声を聞いて考えていくことができれば、既存の無機質で清潔感のない作りにならないのではないかと思います。
 「介護業界自体が閉鎖性」をなくしていくことがとても大切ではないでしょうか。

 インタビュー記事はここまでですが、芸術家は実に明快でいいですね。僕はさっそくこの記事を設計士に届けようと思います。
 また職員にもしっかり読んでいただいて、婆さんが暮らすグル
ープホームの「環境」について考えていただくことにします。
 特に「清潔感」は気になりました。
 外出する機会を多くとっているうちのグループホームにあって、周りの人から見て「清潔感がない」というのは致命的。外出するのに「身なりも道具も磨かず」ってことなんでしょうね。
 もっと言えば、婆さん達の内面が磨かれていないということなのでしょう。
 またまた課題をいただきました。きっとここのグループホームは急速に変わっていくことでしょう。こんなステキな応援団が身近にいるのですから。
 その連鎖で、うちの施設全体が変わっていけるようにする、社会に響くようにするのは僕の仕事です。
 美しいものには棘がある。
 まさにぴったりの言葉ですが、棘は「磨げ」ですからね。磨いで美しくなれ!ってことをお互い肝に銘じましょう。

○お店情報
大正ロマン フラワーショップ アスター
フラワーアレンジメントの作品者 
箆津奈緒子さん(ノツ ナオコさん)
〒171-0052 東京都豊島区南長崎5-18-16
TEL/FAX 03-3950-8226
Mail aster@fs-aster.com


コメント


赤い車イスに大輪の花、とてもかわいいです。モダンですね。
車イスは乗り心地や機能性、特に移乗や移動介助をスムーズにするという所に重きを置いてました。

「清潔さ」…この言葉は響きました。今まで「衛生的」=「清潔さ」でした。

人の数だけ、可能性が広がります。
今日もまた新しい発見。
介護に前向きスイッチが入ります。


投稿者: わたる | 2012年07月24日 00:36

片麻痺の人が利用されている車イス。
麻痺側に、食べこぼしによる為のカピカピになって溜まってしまった食物のカス…
いつも清潔に!
なんて気を付けていたはずなのに、いつの間にか不潔な状態に…
車イスは歩行が困難になられた人の体の一部・生活の一部であること・いくら、お風呂に入っても体の一部が汚いままでは…???ですね(>_<)
当たり前のことですが、今回のブログを拝見して、改めて、私達もケアの質を磨いて美しくならなければ!(^^)!と感じました。


投稿者: moto | 2012年07月25日 19:19

なんて可愛い車いす!
私は神戸在住ですが、昔、神戸祭りの時に通っていた花バスを見るのが、すごく楽しみだったことを思い出しました。
この車いすで、お出かけできたら、街の人達とも会話がはずみそうですね!


投稿者: やまねこ | 2012年07月25日 21:59

よく見える場所にヘアブラシを置いてみたら、丁寧にブラッシングをしている人がいました。鏡ごしに、後ろを通る人の頭がぽさぽさなことにも気付き、その人の頭も美容師さながら綺麗に仕上げていました。

とってもお洒落なAさんは、Bさんの服の着こなしがいつもとほんのちょっと違った変化を見逃さず「わぁそれ素敵」とかいろんな言葉で褒め讃えていました。
褒められたBさんは5分後(早っ)今度はスカートに履き替えて登場し「こんなのは娘時代のものだよ」とか言ってくるっと回ったりしていて

自分の部屋がどこにあるのかさえわからないCさんには、職員がさっと、本人のかわいらしい帽子を手渡し、女子会の中に入れるようにしました。

夜中に衣類をいじって眠れなくなるからと部屋からタンスも服も取っ払った時代を思うと、こんな姿が見れるのはほんとに「やったあ」というか、借金を少しずつ還してる感覚もあります。

和田さんは「婆さん達が磨かれていない」いうけれど、私は婆さん達をみていて、人は生きているかぎり磨き磨かれ磨き続けているものなんだと思える。強いていうなら、人がそうやって磨き磨かれ磨き続けて生きていることを、職業人が自ら阻んでいる現象が私達の世界には非常に多い気がして、ひとつでもその現象を取り除きたいと思う。婆さんが磨かれるように支援するなんて思う前に、磨きながら生きていることを、せめて邪魔しないようにと思う。婆さんを見習ってせっせと自分を磨く努力をしないと、着せ替え式のお洒落な車イスが登場しても、介護職によって廃れさせられかねない気がします。
(的外れなコメントでしたらごめんなさい)


投稿者: すみこ | 2012年07月27日 15:01

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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