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和田行男の「婆さんとともに」

巡回と徘徊

 夜な夜な廊下をうろついている日本全国の24時間型入居施設で暮らす婆さん。
 きっと記録や朝の申し送りで「夜な夜な廊下を徘徊していました」なんて言われまくっていることだろう。

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 僕らは日常生活の中で、徘徊と言う言葉を使わない。だからこの世界に入るまで使ったことがない人がいっぱいいるのではないか。
 気にしていると「被疑者少年Aは渋谷界隈を徘徊したのち、21日未明現場に向かったようです」なんて事件報道なんかに出てくる。
 つまり、何のために渋谷界隈を行動していたか特定できないが「うろついていた」ということを表現するために、目的もなく歩き回ることを指す徘徊を使っているのだろう。
 でも一般的に「うろうろしていた」と言っても「徘徊していた」なんていう言い方はしない。
 その証に、まったくこの業界とは無縁=未経験者や新卒の人たちにあえて「徘徊」という言葉を伝えないで現場に配属すると、こんなことが起こったのだ。
 夜な夜な歩く婆さんに出会ったときの記録を見ると、「廊下を巡回されていた」と書いてあり、「どうも、夜中に目が覚めて朝だと思い込み、お参りをしようとしてウロウロしていたようです」とウロウロしていた理由まで考察していたのだ。
 介護業界に漬かっている人なら、ウロウロしていた理由があろうがなかろうが(わからなかろうが)「徘徊していた」で片づけてしまいかねないし、徘徊=症状として扱いかねない。
 こうなると「徘徊していた」と書き考察を加えない経験者は素人で、「巡回していた」と書き考察を加える初心者が専門職ということになる。
 まさに経験者は働いているに過ぎず、初心者は仕事をしていることになり、働いているだけの経験者よりも仕事をしている初心者にこそ対価を多く渡すべきである。
 初心者もいつかは経験者になるが、経験者になっても初心を忘れないとはこういうことを指すのではないか。


コメント


私も 徘徊 汚染行為暴言 迷惑行為など の表現が好きではありませんでした。 最初に教わった先輩や職場の環境による事もあるかもしれませんし 働く方個人の考え方 様々ですが、新人だから
老練だからにとらわれず 新鮮な感性は大切だと思います。


投稿者: マメ | 2012年04月16日 19:48

素敵な方ですね!僕も、常にそうありたいです!


投稿者: おでかけ | 2012年04月16日 21:32

職場で教わる?伝わる?記録の書き方。
手短に、その時の行動を書く。
その方の思い、スタッフの目線、思い、そんなもの
どうでも良いと。
なんの為の記録なんでしょう。
私もそんな風にみられて、書かれたら・・嫌です。


投稿者: 3suns | 2012年04月17日 21:15

僕もそこそここの業界に長くいますが、ある研修で目にした「盗食」にはかなり驚きました。これは専門用語?業界用語?ことあるごとに、色々な施設の人に聞きますが、確かに使っている施設はあるようです。【隣の人の食事を盗食した】こんなのありでしょうか?こないだは「脱走」も見ました。認知症を正しく理解をしている介護職なら、絶対に使わない、使ってはいけないと思っています。事実を事実として、見たまま感じたまま表現したいものです。


投稿者: ichi | 2012年04月19日 08:21

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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