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和田行男の「婆さんとともに」

旗揚げ

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 2012年となりました。毎年恒例のお正月年中行事も終わり、確実に時間は経過しています。今年は介護保険法、介護報酬、診療報酬のトリプル改定の年です。
 国民生活を持続的に護っていくべき「医療」や「介護」がどのようになっていくかは、この国の今後のあり様を決定づけることになるやもしれない「おおごと」です。この業界に身をおく専門職として極めて高い関心と監視をもって、可能ならば行動を起こしていこうではありませんか。

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 1月3日、こんなメールが届きました。
■1月3日8時8分
 ○市の○です。
 昨夜から行方不明捜索中のAさんは、現在まだ発見されておりません。このため今朝8時30分より捜索隊による捜索を開始します。また9時より警察犬、救助犬も到着します。一晩経過しているため、生命の危険性大ですので、多くの捜索協力者が求められます。ご協力いただける方がおられましたら、○課までおいでください。

■1月3日9時55分
 ○市の○です。
 昨夜から行方不明捜索中のAさんは、先ほど愛情ネットで連絡がありましたように9時30分に無事発見されました。場所は○小学校前の歩道を歩いているところを○さんが発見されました。ご心配おかけしました。ありがとうございました。

 この町は全国的にも「行方不明者の捜索ネットワーク」で有名ですが、和田も捜索ネットワークに登録していただいているのでこうしたメールが届きます。

 昨年の6月にも同様のメールが届いています。
◆6月10日9時31分
 ○市の○です。
 先ほど愛情ネットで配信された○町の女性について詳細を情報提供します。
 氏名:Bさん(○歳・女性)
 住所:○市○町○丁目○番地
 服装:上⇒赤色の長袖シャツ 下⇒黄色のズボン
 履物:黒色のスニーカー
 持物:赤色のリュック・コーチの帽子
 身長:150cm 体重:40kg
 体型:やせ形 髪型:茶色で肩くらいまでの長さ、白髪混じり
 認知症:軽度 徘徊歴:なし
 不明前の様子:○市の○ホテルに行くと言って出掛けた
 不明となって一夜が明けていることから、遠方におられることも想定されます。筑後地域の広域ネットワークや熊本県北の地域包括への協力依頼も行っています。ご協力をよろしくお願いします。

◆6月10日9時34分
 ○市の○です。
 先ほど配信した○町の女性は、皆様にメールを配信した直後に発見されました。大変お騒がせして申し訳ありませんでした。
 今後もご協力のほどよろしくお願いします。

 こうしたメールがネットワークの「メール登録者」に配信され、受信者は自分の事情に合わせて行動をするという仕組みになっています。僕は遠すぎて何もできないのですが、一応仲間に入れていただいています。
 僕がいつも感心するのは、この町では行政が市民の先頭に立っているところ。行政が音頭だけとって市民任せになっていたり、市民主導で行政は黒子と言いつつ逃げ腰になっていたりしがちですが「市民とともに・先頭を歩く」を貫いているところに強みがあるように思います。
 僕の知り合いの親族は行方不明になって3か月が経過しましたが、まだ見つかっていません。こうしたネットワークがこの町にもあったらと思うばかりですが、自然に産まれてくるものでもありません。誰かが声を上げなければ叶わないことですが、やっかいなことに、誰が最初に声を上げるかによって「その後」が決まってしまうこともあります。また個人情報保護なんていうバリアもあります。こんなときこそ行政や社会福祉協議会のような「公」の出番です。
 去年は大震災や大事故を受けて「絆」という言葉をよく聞きました。今年この業界では「地域包括ケア」という言葉があちこちで聞かれることでしょう。
 現代における地域包括ケアを和田さん流に解釈して一言で言えば「町のリストラ:合理性を高める再編成」であり、その主軸は「人と人の関係構築」、目指すは「連係(切れ目なくつながり合う)&連携(互いに連絡し合って提携する)」、目的は「福祉:人々が幸福に暮らす生活環境」で、幸福感は「壊れても不自由感がない」です。
 今は個々にはかなり活動しているにもかかわらず、行政・社会福祉協議会・地域包括支援センター・医療機関・介護事業者という専門職集団でさえ連係&連携できているとは思えません。いや、介護事業者だけでさえ事業者、事業間にバラバラ感を感じます。

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 超犠牲の上で「絆」という言葉に改めて出会ったこの時期だからこそ、各地で高遠な我が町の理想を掲げて「連係&連携一座」を旗揚げするチャンスとも言えます。
 ただし、この国の向かうべき方向が「認知症になったら囲いの中だけで暮らさせる」というのであれば話は別ですがね。
 今年も足元を陽に向け、しっかり道を見極め歩いていきたいと思います。よろしくお願いします。


コメント


私が登録している名古屋市の『ひとり歩きSOSネットワーク・ご近所ささえたい』も活躍しており、年末に行方不明になられた方をその日のうちに無事に発見。
ネットワークに登録して初めて受信したのですが、携帯電話のメールに情報が届くのが『力』なると思いました。
こうした輪が広がると良いですね。


投稿者: チエンフイ | 2012年01月05日 11:09

和田さん、明けましておめでとうございます。(いつも弟がお世話になりありがとうございます)
初めて投稿致します。
今年は、本当に私たちグループホーム業界において正念場の年になるかも、ですね。地域包括ケアシステムが、本当の意味において発揮されるかどうかも自分たちの姿勢いかんによることを、最近つくづく感じながら過ごしています。
行政を、どう元気に、自分たちと共に動く体制にもっていけるか・・・今年の自分のテーマになるかな・・・と和田さんのメッセージを読みながら思いました。
(追伸  現在、指導者研修受講中の身です・・・)


投稿者: 桑原 さわ江 | 2012年01月05日 15:04

謹賀新年
平成24年の幕開けですね。
ブログを読みながら、思い出しました。平成23年1月1日の早朝に当ホームの玄関に、見知らぬ女性高齢者がスリッパとパジャマ姿でニコニコとおられました。声を掛けると、○○から来ましたと・・・。明らかに、認知症を患っている方でした。何だか、とてもワクワクしてしまいました。どう関わろうかな~どうもてなそうかな~、内の入居者にどう紹介しようかなぁ~と・・・

とその半面、よくぞここに辿りついてくれてたなぁ~よう、事故に合わんかったこっちゃと思うと、意味も無くウルウルとしました。

和田さん!!無事に?和田語は卒業できそうです。自分語ですこしづつ、喋っています。先日は、自分自身の喋っている姿をビデオに撮り、見てみました・・・自分を自分で見るって怖いですね(^_-)


投稿者: 博一 | 2012年01月06日 16:36

今年も無事に年越しさせていただきました。本年もよろしくお願いします。

この業界で専門職として おおらかにしたたかにやっております。
昨年は地域連携を実現できるビッグチャンスをもらえたと思い喜んで参加。これがなかなか厳しい。各立場の利益主張はあるものの他の立場の人の考えを理解しようとする姿勢が。。。とてもとても今の私の立場では太刀打ちできない。何とか意見は聞いてもらえ、同意はいただけるがそこから進まない。
そしてまた年度末で異動か。。。
まあ、今回は、こういうやつがいると覚えてもらえるだけでもラッキーと思うか。

大事な人を亡くした婆さん、時間が経っても悲しみにくれるが理由は分からなくなる。その姿に職員より先に親身になって寄り添う婆さん。その中に入れてもらえた。迎えに来た家族と手をつなぎ、「あら、あなたこんなに手が冷たくなって。かわいそうに。ほら。」と私にも家族の手を繋がせた。3人で家族の手をさすって温めた。
そんな婆さん達とたくさん笑って泣いて怒って、最期まで支援できるような専門職でありたいと想う年明けです。


投稿者: まんまる | 2012年01月06日 21:43

新しい年なのに、辛く暗い予感を感じている私です。和田さんの書かれている通り、誰が声を上げるか、どんな声の上げ方をすれば、行政や同じ業界の人に響くのか痛切に感じ、力のなさにめげます。年は関係ないと思うけどやっぱり年を取りすぎました。もっと若いうちに創めていたらと思います。今年はまめにブログを見ようと思います。よろしくお願いします。


投稿者: かがやき ふくだ | 2012年01月07日 19:27

コメントをくださった皆さんへ

 今年もおつき合いいただければ幸いです。

かがやき ふくださんへ

 これまでも幾多の困難がありましたが、それを乗り越えてこられたふくださん。どってことないですよ!と言いたいところですが、ホンマに「とし」というのを感じることってありますよね。
 でも、そこへ逃げ込もうとしている自分ともう一度向き合ってみたらどうですか。
 若いころのようにがむしゃらにはできなくても怪しく振舞える「歳の考」があるじゃないですか。2月9日に名古屋の講演会に来てくださいませ。お待ちしております。

まんまるさんへ

 おおらかにしたたかに・・
 いいですねぇ。ステキな言い回しで大好物です。
 今年もたくさんのステキを書いてくださいね。

博一さんへ

 よかったねぇ。すごいじゃないですか。
 僕はそう考えてそう行動してその自分をジャッジしようとしている博一さんはすごいと思う。少なくとも僕にはとてもじゃないけど真似できないです。
 どこかで見かけたら「ひろいちです」と声をかけてくださいね。呼び名が間違っていたとしてもですよ。よろしく

桑原さわ江さんへ

 弟さんですかぁ。どなたでしょうね。僕は他人に面倒をかけることはあっても世話をすることはないので・・・。
 でもそんなことはどうでもよくて、よくぞコメントを下さいました。ありがとうございます。しかも指導者研修中ですかぁ。
 時間がありますから、しっかり介護保険法が掲げる「要介護状態にある者が、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように」を考察してくださいね。そこから目を離さないようにね。
 またコメントをくださいませ。

チエンフイさんへ

 確かにツールは大事やね。
 世の中には便利な物がたっぷりあるから、そういったものとコラボレーションできると、かなり効率化を図れそうですね。
 「探索者のネットワークシステム」が名古屋でも始まったのは知っていますが、そこまで有効打を放っているとは。僕も登録しまぁーす。


投稿者: わだゆきお | 2012年01月09日 22:22

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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