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和田行男の「婆さんとともに」

ともだちの死

 カーステから流れる「僕が始めて沖縄にいったとき、物悲しく思えたのは・・・」というミスチルの歌のごとく、真っ青な空、コバルトブルーの海を目にしているのに物悲しいのは、大切な友人夫婦の妻訃報の知らせを受け、沖縄の地に立ち、彼女の元へ向かう真っ最中だったから・・・

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 彼女に出会ったのは4年前。友人の妻として紹介された。
 誰もに「心に残る出会い」があると思うが、友人と彼女のカップルを見て、性懲りもなく「もう一回結婚したいなぁ。こんな夫婦になれたらいいなぁ」なんて感じさせられた出会いだった。彼女に出会っていなかったら、今の僕の暮らしはなかったと言えるほど、影響力をもった出会いである。
 人の死はどんな人の死もかわりはないのだが、関係のあるなし、その深さ・濃さなど自分との相対関係によって、またその人を取り巻く関係者と自分との関係によって、同じ死への思い様が違う。
 彼女とは、期間も時間も少しだけだったが、友人とその子供たち、友人を介した友人たち、自分の家族も絡めた関係だったからか、彼女の死への感情は思いのほか強く、僕のダメージの大きさに僕自身が戸惑っている。
 死を以ってはじめて「友人夫婦がいた」ことの重さを気づかされたが、死によって大切な人が不在になっても、自分の中で存在し続けられるのは、事によってしか気づけない人間の愚かさがそうさせてくれているのかもしれないなと思う。
 友人もそのことを悔やんでいたが、どんなふうにしていたとしても想いは残ったことだろう。それが人間のいいところでもある。
 ここのところ大きなダメージを受ける人の死に出会う。
 以前ブログで紹介した「行きつけの店のマスター」も癌で死んだ。僕と同い年である。最期に手渡してもらった自作の歌が綴られたCDが宝物となった。僕の結婚祝いに贈ってくれた歌も収録されているが、聞けばまだ哀しい。
 それだけ自分が生きてきたということなのだろうが、年間100万人を超える人々が亡くなっているなかには、自分に関係する人、ダメージを受ける人の死が例外なく含まれてくるということでもあり、この先その確率は高くなるばかり。
 友人にとって配偶者の死は、客観的には血縁者の死に出会うよりも確率は極めて低い。順序からいけば親が先で、年上の男性である自分が先である。事実友人は自分の人生設計図に「配偶者の死」は描いていなかったと話ししていた。
 なのに起こってしまうから、悲しさは増すばかりだ。
 人の死は誰しもに、平等に、いつ・どこで・どんなかたちでくるかわからない。考えればそうなのだが、まさか自分の周りにいる者が、いわんや配偶者が、急に・こんなふうに死ぬなんて思いもしないからダメージは大きい。しかもお腹の子供までも一緒に・・・。神様のいたずらにしては度が過ぎる。
 それでも時間というのはありがたい。こうして書きとめることができるところまでは気持ちを取り戻してくれた。でもその「時間」も、友人やその子供たちにとってしばらくは、悲しみを増幅させる悪役でしかないことだろう。
 死の事実を受け、淡々と目の前のことをこなすために、小さな者への影響を考えて自分を律し続けていた友人も、時間とともに泣きじゃくる場面が陰に陽に増えてくるはずだが、そんなときに友人の心に存在する「友人にとっての彼女の存在」が生きる。一緒に生きてきたことが生きてくることだろう。
 人は死を以って「存在しなくなる」のではなく「居なくなる」にしか過ぎない。人の心もち次第で、居なくても人は存在できるのだ。
2010年7月18日彼女は荼毘にふされたが、その日は彼女にとって38回目の誕生日に当たる。神様のいたずら好きにはあきれるばかりだ。
極めてプライベートなことを公のブログでづらづら書かせてもらったこと、断りもなく書いたこと、お許しを。どうしても彼女の死を史にしておきたかったから。

あなたがたに遭えたことはこのうえなく嬉しく
あなたが居なくなったことはそれだけに寂しい

冥福を祈る 合掌
ともだち「たかの」へ
2010年7月18日

【案内1】
福祉セミナー
介護の仕事を語ろう!
  ~技術・知識・前向きな考え~

日 時:平成22年8月12日 13時30分-18時20分
場 所:新宿住友ビル47F(新宿区西新宿2-6-1)
主 催:株式会社エイチエル
参加費:8400円 

和田を含め5人の講師によるリレー・セミナーです。
テレビでお馴染みのオスマン・サンコンさんが出演されます。
 詳しくは「けあサポ」に掲載されています。
申し込みは 0422-70-1601 ㈱エイチエルまで


【案内2】
理学療法士 田中義行さんの著書
「潜在力を引き出す介助」刊行記念セミナー

《東京会場》
日 時:平成22年8月29日 9時50分受付 10時20分-16時
場 所:女性と仕事の未来館(港区芝)
《大阪会場》
日 時:平成22年9月12日 9時50分受付 10時20分-16時
場 所:チサンホテル新大阪(淀川区中島)

主 催:中央法規
参加費:5000円

理学療法士田中さんが本を出された記念に開催されるセミナーです。
和田はサポーターとして移乗介助などの被介護者役とトークで出演。
僕で務まるかなぁーとやや不安ですが、初めての経験にワクワク・ドキドキでもあります。
田中さんは古くからの友人で、いつも和田が説く「介護」ではなく「支援」という視点から、動作介助の方法を伝えてくれます。
申し込み方法などは中央法規ホームページ、ブログ「けあサポ」に掲載されています。
問い合わせは 03-3397-3878 中央法規営業部営業課


コメント


追憶の詩---Alfred Tennyson

 I hold it true, whate'er befall;       何が起ころうとこれは真実だ;
 
 I feel it when I sorrow most;        悲しみの極みの中でも同じ思いだ;
 
 'Tis better to have loved and lost     愛してその愛した人を失うことは
 
 Than never to have loved at all.      全く愛さなかったよりもよいことだと


投稿者: Anonymous | 2010年07月20日 21:19

 歳重ねると色んなものを失う。失っていくことの事実には逆らえないけど、代わりに何かが‘刻まれていくんだ’。先輩達の背中をみてきてそう感じた。

 心の中でそっと掌を合わさせていただきますね。


投稿者: Anonymous | 2010年07月20日 23:55

 田中義行さんの「潜在力を引き出す介助」を読んでいます。知識の引き出しを増やすに良い一冊だと思います!
 知識を活かすための介助でなく、どこでどの知識の箱を引き出し‘生きる’に活かせるかが「介護」の腕のみせどころでは。と違った視点から改めて介護についても考えさせられた。
 1点、ある介助方法について小さな疑問が湧きました。筆者が和田さんならつっこむところですが!セミナーでのトーク楽しみにしております。


投稿者: 夜勤ヘルパー | 2010年07月24日 01:10

 和田さん、遅くなりましたが、沖縄のグループホームの講演ありがとうございました。
 車中の和田さんとのひととき、その後の居酒屋では楽しい時間でした。

 私も今回の訃報には驚き、悲しみました。
 あの世が存在するならば、何よりも亡くなられたご本人が、一番驚き、悲しまれておられるでしょう。
 ご家族の事を思うと、胸がしめつけられる思いです。
 
 何気ない日常が、生きていることがこんなにも素晴らしく、何よりも大切だと改めて思い知らされました。
 
 ある有名な方が「 この世に偶然は無く、全て必然 」と話していました。

 日本に生まれたこと、この両親の下に生まれたこと、友人との出会い、職業、職場、全て必然であり、無駄な事は何も無い、と・・・・・。

 私自身、和田さんとの出会いがあり、今回の悲しい事も、偶然ではなく必然だとすれば、自分はそこで何を学び、何を成していくべきか?

 今回の訃報を聞いて、妻を改めて愛しく想い、家族を想い、自分が今、生きていること、生かされている意味を考えました。

 そして、この訃報の前にも、認知症指導者研修同期の鹿児島の大切な友人が亡くなられた。

 彼は末期癌の中、昨年10月の認知症フォローアップ研修に参加していた。

 自分なら決して研修などに行く気にもなれず、死に怯えていただろう。
 
 彼は、「 この研修はとても楽しみにしていたんだ・・・」残念な事に、フォローアップ研修中に体調を悪くされ、研施設近くの病院に入院し、2日後奥様と帰郷された。

 お見舞いに行ったのが、顔を見た最期になった。

 彼の死の一ヶ月以上前、身を案じて職場に電話した。 その一方で、「 まさか仕事はしてないだろう 」と思ったが、予想に反し、いつものやさしく、温かい声が受話器から聞こえた。 「 いや~まだ生きているよ ははは 」と元気そうに振舞っておられた・・・・。

 なぜ、こんな病の中、仕事を続けるのか問う私に、「 認知症の方が、安心して住める街づくりを目指してきた自分が、認知症の方がまだ、安心して住めてないのに、癌ごときで、休んでられない 」と、仕事を頑張っておられた。

 彼と、この度の奥様に心からご冥福をお祈り致します。 合掌


投稿者: まんたろう | 2010年07月26日 04:25

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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著者:和田行男
定価:¥1,470(税込)
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