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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

月刊ケアマネジャー連載「自分育ての学び術」読者感想文から

 先週末、連載5回目の締切お知らせメールが、担当編集者Hさんから届きました。「私はこまめな催促がいいので、遠慮なくメールくださいね」と言ってあるので、几帳面なHさんはしっかりと締切を知らせてくれます。
 今回、うれしかったのは、読者であるケアマネジャーの皆さんからの感想文を、添付で知らせていただいたことです。

写真1

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 連載を行っていてつらいのは、読者が「見えない」ことですね。どのような人が読んでいるか、実感がわかずに書いているのは結構つらいものです。
 とはいっても、全国の研修会で出会う皆さんの顔を思い浮かべるので、そうそう外れているわけではないのですが…。
 読者からのこのような感想は、書き手にとっては励みになります。この場を借りて、私からのフィードバックをさせていただければと思いますね。

 反響が大きかった6月号「本の読み方」の読者の声をいくつかお届けします。意外とベテランの方からの感想が多かったようです。

写真2

 「最近、本を買っても、読めないんです…。時間がなく、集中もできず…。ただ、この記事を読んで、途中になっている本を、ちゃんと系統立てて読もうと思いました。」(神奈川県ケアマネ)
高室談:本を読むには集中力が必要です。まずは「小刻み読み」をやってみましょう。10分間とか、節ごととか、目安をつけて読む習慣はどうでしょうか。それと過去に読んだ本の「読み返し」も効果的です。その頃の自分のレベルと今のレベルを、振り返ることができます。何より、一度読んでいるから、苦もなく読み進めることができるでしょう。


 「本の読み方についての学び術でした。本を読むのが小さい頃から大好きだったため、納得をしながら、新しいことを発見しながら、(自分のスタイルは)間違ってはないなと思いました。」(群馬県ケアマネ)
高室談:納得しながら発見しながらの読書は、新鮮でもあり、何より「新しい自分」に出会えることになります。自分一人で読んでいるなら、「へえ~、そうだったんだ!」と大げさに驚いてみる(つまりリアクションする)ことで、自分を発奮させることもいいかも(^_^;)?


 「書いてあることの内容に同感です。ただ、(3)「音読」する・(4)「読み切る習慣」はしていなかったし、できていなかったことです。口コミや人づてで「いい!」という本でも、自分自身がインスピレーションを感じない本は途中で挫折してしまいます。読み手は自分。自分にあった本を選ぶことが大事かなって思いました。友達の選び方(つくり方)、付き合い方に似ているかも…。」(新潟県ケアマネ)
高室談:音読の効果は意外と忘れがちですね。ほとんどが黙読ですからね。たしかに音読は時間が余計にかかります。でも数行だけでよいので音読をすることで、深い気づきに出会ったり、インスピレーションからひらめきが生まれたり…結構、スリリングな読み方です。
 とりわけ詩や短歌はいいですよ。その点で谷川俊太郎さんの詩はおすすめ。「生きる」のように深く考えさせる詩もあれば、子ども向けの韻を踏んだリズミカルな詩もあるので、音読には最高のテキストです。


 「2週間に一度、高室先生のメルマガを拝読しています。メルマガとこの記事で相乗効果があると思っています。最近、本当に“自分は自分で育てなくちゃあ!”って実感しています。」(奈良県ケアマネ)
高室談:そうなんです、その実感なんです。つまり自分で自分を育てるのがプロフェショナルの条件の1つと私は考えます。小中高校時代は「社会」が育ててくれます。社会人となったら「会社」(組織、先輩、業界)が育ててくれます。しかし、それも20代~30代まででしょう。
 40代からは育てる側の役が回ってきます。そして自分を育てるのは自分しかいないことを自覚して愕然とする…それは私自身の苦い経験(><;)から来ています。


 「“年に1~2冊しか専門書を読まない人を専門職と呼びますか?”という問いかけ、いいですね。まったくその通りです。(中略)ケアマネは介護保険制度のキーパーソンの1人ですから、常に知識を蓄え、ブラッシュアップしていってもらいたいものです。」(兵庫県ケアマネ)
高室談:専門職とはスペシャリストということ。対人援助の技法の1つである相談援助技術、対人援助者の人材育成手法の1つであるスーパービジョン手法も進化が求められています。その進化の萌芽は、常に現場から始まります。介護保険も第2ステージです。地域包括ケアの定義や自助・共助の定義も変化(進化)しています。
 学びをしない人は「取り残された人」になります。その不利益を被るのはケアチームであり、何より利用者です。つねにブラッシュアップとスキルアップしているからこそ、低下しないでいられるのです。イチローが走り込むのは「レベルの維持」のためです。
 とりわけ50代からは、「維持」のための学びトレーニングが必要と私は考えますが、いかがでしょうか?


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 研修の様子はケアタウン総合研究所の公式Facebookをご覧ください。


【研修会場・写メ日記】

 広島県尾道市介護支援専門員連絡協議会「質問力と分析力~その人らしさとケアマネジメント~」。
 参加された100人のケアマネジャーの皆さんと、「その人らしさ」とは何か?「その人らしさ」の内面にある生活歴・職業歴・家族歴、さらにADL・IADL・CADLを質問力を使っていかに引き出すかについて学びました。

写真3

写真4

 静岡県沼津市の社福)信愛会の教育担当者研修会です。テーマは「人材育成のための現場マネジメント力」です。
 高齢・障がい・保育の各施設の管理者層と施設ごとの事務職および調理員の方も参加しての一日研修でした。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

【高室成幸さんの最新刊】
『ケアマネジャーの質問力』
著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
ご注文はe-booksから
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