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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

「知ること」と「ワクワク感」 

 私という人間に、他の人よりちょっと強い?ものを挙げろといわれれば、間髪入れずに「好奇心」と反応するでしょう。つまり「何事も知りたい」と思うタイプなのです、子どものころから。子どもの質問に「宇宙の始まりはいつなの?」「どうして星はたくさんあるの?」「人は死ぬとどうなるの?」という、一筋縄ではいかない問いがあります。
 この手の質問を大人相手にして、困らせるのが好きでした。答えに窮しながら懸命に話す大人(特に先生)に、さらに屁理屈な質問をしては困らせるという、どうしようもない小学生だったようです(>_<)。

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 ただ本人的にはいたって大マジメ。真剣に考えては、答えを求めて図書館に入りびたる時期もありました。そして学研の百科事典「星の誕生」なる本にかじりついては、いっぱしにわかっているつもりになっていました。わかる?と誰かに話したくなり、拙い知識でけっこう恥をかいたり(^_^;)。なにせにわか知識の浅はかさといったら……。

 知ることが楽しいと感じたのは「なるほど!」と思えたときでした。とりわけ小3まで漢字が苦手、作文はもっと嫌いだったタカムロ少年にとって漢字テストと書き順は地獄の時間……適当に書いては50歳の女先生にこっぴどく叱られていたものです。

 私は年に3回は確実に3~4日間、病欠する習慣がありました。その原因はじんましん。熱があるときに鯖を食べるとテキメンでした。顔だけでなく、頭も全身もクレーターのようになり、痒いこと、この上ない。ですから布団に伏せるしかない。翌日あたりから次第に回復してくるのですが、すると、とにかくヒマで仕方ない。
 おそ松くんのチビ太やビッグXをノートに書き写したりしていました(なんと、これを自宅学習として認めてくれたんですね、小4のO先生が)。
 ところがそれも飽きてきて・・・ある時、兄の国語辞典を何気に開いて読んでいると、たくさんの用語が並び、そこに意味が書いてあるんですね。これは便利だ!これは、9歳のタカムロ少年の脳に衝撃が走った瞬間です(^_^;)。

「そうか、この言葉はそういうイミだったのか!」とね。

それからというもの、国語辞典という「言葉の海」を漂いはじめることに。そして新聞や大人の会話で耳にした単語をすかさず引いて、意味を確認して。そんなことに熱中する変な小学生が仕上がったのですが、4年生の時に教室中の笑いものになることに。

O先生「~のようなことを、みんなならどう表現するかな?」
みんな「え~、わからへんよ」「そんなん知らんわ!」
 その時、ある言葉が頭に浮かびました。そや、これしかない、この言葉や!とワクワク感で手を挙げました。
わたし「それって、ゆうが、ということですよね」
O先生「高室君、エライ言葉知っているなぁ。まさにそうです」
 そこで止めてくれれば良かったのに……(>_<)
O先生「その文字を漢字で書くとどう書くんや?」
 私の頭の中は真っ白!!!アカン、浮かんでこない!
わたし「えっと、えっと、わ、わかりません」
 その瞬間、教室中に笑い声が起こりました。

 直感的に浮かんだ「優雅」という言葉は正しかったのですが(多分)、いかんせん、小4の漢字嫌いにはむずかしすぎたんですねぇ。今でも、この瞬間がトラウマのように思い出されます。

 ただ、知ることを続けておくことで、いつか「わかる瞬間」や「使える瞬間」、あるモノゴトを「読み解く瞬間」、悩まなくても「考えられる瞬間」に出会えること、その瞬間にワクワクすることを身を持って体験できました。これは大きいです。

 そのせいでしょう、20代は役に立つ情報や知識というのでなく、雑学に近い本や情報をやたら詰め込んだものです。それはほとんど今でも変わっていなくて、ある時、天啓(笑)のように「わかる瞬間」に出会えることになります。

 みなさん、とにかくいろいろなものを読む・見る・聴くだけでなく、触れる・嗅ぐということを大切にして下さい。それもひとつの体験です。とりわけ「読む」という行為は、日々、読むことがとてもよいトレーニングになります。新聞、雑誌、ミニコミ、絵本、とにかく活字ならなんでもいいので「読む習慣」をつけておくと、読む基礎体力がつきますから。これがあなどれないんですよ……

 このブログも、そんなもののひとつとして使ってやってくださいな<(_ _)>
 ※今回はちょっと長めでしたね(^_^;)。


ムロさんの写メ日記

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第3作「三丁目の夕日‘64」を観た後で・・・逆光です(>_<)


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一路、飛行機は沖縄・宮古島へ。その時、東京は雪でした


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一昨年に引き続き2回目です。その日も宮古島は寒かったです(>_<)
主催は宮古地区介護支援専門員連絡会です

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グループワークで進めます

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今回のテーマは「ケアマネジメント・プロセス」です

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地域包括支援センターのみなさんも一つのテーブルで話し合います

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宮古島のオーシャンブルーです。遠くに宮古島と伊良部島を結ぶ橋が見えます

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海風が強いですね。白砂の海辺ではスキューバダイビングのスクール中です

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石川県白山野々市支部キャリアアップ支援研修会。テーマは「チームケアに活かすサービス担当者会議」です

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1グループ8人で話し合いを進めます

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観察者を立てて、話し合いの進行をチェック

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模擬サービス担当者会議用の名札

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最後に「チャレンジシート」を書きます


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コメント


先生、こんにちは。

毎週、楽しみにブログやメルマガ読ませていただいています。

先週、地域の方と話す機会があり、その場である方が「自分自身の知識や情報が増えると、自分自身の意欲が増す」とおっしゃっていました。

知ることを続けておくことで、いつか「わかる瞬間」や「使える瞬間」にワクワク、その方がおっしゃっていたことはこのことにつながるのかなと思いました。

この1、2年、意識して書籍を読んだり、情報に敏感になっているつもりです。

いつかの「わかる瞬間」を楽しみに継続していきたいと思いました。

がんばります!!!!


投稿者: 砂川の野口 | 2012年01月30日 12:44

高室先生が子供の頃から「なぜ?」と思われる習慣があったことをうらやましく思いました。
日々の中で「なぜ?」があると知りたくなって、知識が増えていくことを私も実感しています。

ただ、そういう習慣になったのは最近になってからなので、子供の頃からという先生のことが
うらやましいのです^^

私の今の「なぜ?」は、人間の体について、です。
勉強していくと「なるほど!」と思うことばかりです^^

これからも先生のブログを拝見して、たくさん知識を増やしていきたいです^^v


投稿者: 田中大造 | 2012年02月02日 10:39

砂川の野口さんへ

この砂川は北海道ですよね?
お久しぶりです。
小生のコラムの意図をくみ取っていただき、感謝です。まさにそうなんですよね!

公文式の書き取り訓練で達成感を感じ取れる意味も価値もわかるのですが、なるほどなぁと思える「学びの力」のほうが、本人の意欲にダイレクトに反応して、脳にとっても刺激的なのでは?

回想法も効果的だと思います。思い出すことで懐かしさもあり、人に話す話題を増やすことにもなりますが、「なるほど、そうか!」という知的興奮も捨てがたいものがあるのではないかと思います。

定年後に大学院に学ぶ新高齢者が増えています。とてもいいことだと思います。

「学ぶことは希望」・・・学びのケアをはじめる人があらわれることが楽しみですね!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2012年02月02日 19:14

先生、北海道の砂川の野口です。

砂川も今年は雪が多いそうです。

私も自分が地道に少しずつ溜めておいた学びの力が少しでも花咲くと、すごく刺激的な気がします。

『学ぶことは希望』、『学びのケア』
この言葉、なんだかとても奥深いけど素敵ですね!

北海道の地で頑張っていきたいと思います!!!


投稿者: 北海道砂川市の野口です。 | 2012年02月03日 12:42

田中大造さんへ

 そうですね、人体の不思議って、ありますよね。人間の仕組みには無駄がないし、理由があるし、よくできているなぁと思います。

 精子と卵子が受精してから育つまでのプロセスが人類の進化を再現しているという話には、いつも感動します。近頃では脳科学・・・いやいやはまりますね!

 そんなワクワク感に年齢は関係ありません。むしろ、その時点で脳細胞は活性化しているんですからね。

 気軽に書き込みをお待ちしています。このやり取りもお互いの心の活性化に役に立っているのでしょうから・・・!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2012年02月06日 08:32

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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