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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

連載楽屋話~キャリアデザイン

 さてお待たせしました。『月刊ケアマネジャー』の連載「高室流 10のマネジメント」では、2011年10月号から、セルフマネジメントをテーマとした内容が始まります。定期読者の方はお手元に届いていますか?
 前半はチームマネジメントでしたが、後半はセルフマネジメントです。なぜそうしたのかというと、自立(自律)を利用者の方に求めるなら、職業人としてケアマネジャーのみなさんも自立(自律)しましょうという思いを届けたくて、後半の約半年間、書きつづっていきますね。

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 その第1回がキャリアデザイン。キャリアとデザインとが合体した造語です。つまりキャリアとは、職歴のことです。でも、資格を意味したり、仕事経験を意味したり、いろいろですね。そしてデザインは「描くこと」。職歴を描くこと、それがキャリアデザインというわけ。

 話はちょっと横道に…近頃の面接用紙に必ず添付されているのがキャリアシート。通称「釣り書き」ですね。これまでだと職場遍歴だけでしたが、中途採用が当たり前になったここ10年は、どこにいたかより、どのような実績を上げてきたのかを雇う側は知りたいもの。おかげで、これでもかとていねいに書く方がいるようです。

 さて、今回の連載のコンセプトは「職業人の人生を決めるのはあなた自身」という当たり前のこと。しかし、ケアマネジャーといっても、法人の都合や人事異動で居宅介護支援事業所にいる人もいれば、いきなり施設の生活相談員に抜擢?される人もいたり。先日は、地域包括支援センターからいきなりユニットのリーダーに異動という人がケアプラン研修に来られていました。

 憲法では「職業選択の自由」は認められていますが、職場で業務選択の自由(もちろん、希望は受けつけますがね)はありません。そんなに甘くはありません。
 「私、この困難ケースは担当したくありません」なんて甘いことを言っている人はいませんよね?そう言いたい気持ちはわかりますが、どんな仕事についたって嫌なことはつきものです。
 それをいかに「前向き」に取り組めるか…すべての仕事に覚悟をもって取り組むべしと、悲壮感あふれる理屈を振り回すつもりもありません。

 要するに、「私にとっては願ってもない体験」とちょっと前向きに受け止めたほうが、どれほど楽か…なのに組織(上司)に恨み節を抱き、自分の力の無さを嘆き、将来を悲観しているとするなら、あまりに職業人として幼稚ではないでしょうか?

 やはり、自分を育てるのは自分です。「自育力」がある人は、多少のことではへこたれません。
 私自身、20歳代から30歳代にかけて4つの転職を経験し(すべて業界は別です)、周囲から「腰が据わらない奴」という冷ややかな刺すような視線を背に受けて仕事をしてきた身ですから、そのつらさは人並み以上にわかります。

 つまり私も「これも経験だ」と思うことでなんとか首の皮一枚を堪える日々でした。でも甘かったんでしょうね、広報専門会社の頃のことです。大クライアントの印刷物で大失敗をしてしまい(イベント前日に発覚!!)、先方の広報部長から1時間ものあいだ、車内でコンコンと説教されました。狭い車内ですから逃げようにも出られない。思い出すだけで情けない体験でした。
 でも今では、よくぞ28歳の若僧を叱ってくれたと感謝の気持ちです。多分、あの方、上司から大叱られだったと。それを思い返すだけで冷や汗ものです。

 またまた長々と書いてしまいました。自分にとって赤面ものベスト10の第5位にランキングするくらいの出来事だったもので…。
 希望どおりにならない人事も、自分の納得の仕方で、効能感や貢献感、達成感に自己成長感もかなり異なってくるのではと思うのです。
 そうでないと、結局、周囲や組織や自分を恨んで、なにも身につかないことになるのではないでしょうか?人生の時間は短いです。職業人として働けるのも、わずか40年…自分が大切にしてやれなくて、だれが大切にしてくれるのでしょうか。

 「自育力」…まさにみなさんに心とめていただきたい言葉です。2011年11月号の『月刊ケアマネジャー』の連載は「スーパービジョン」がテーマです。お楽しみに!(^^)!

ムロさんの写メ日記

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今年の3月31日に訪れた奥尻島です。初日は地域の住民の方向け、翌日は役場の職員向け研修でした

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奥尻ゆるキャラ「ウニ丸くん」の前で、観光課長の満石さんとツーショットです

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今回もお世話になった陽気な「奥尻かしまし娘」の方々

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奥尻津波記念館の巨大オブジェ。震災のあった(平成5年)7月12日には、凹の部分に落陽がゆっくりと海に沈んでいく光景に出会えるそうです

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三重県老施協主催「職員の育て方~人材育成の職員の定着~」

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ワークショップ風景です

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今回の研修会を企画した(写真左から)県老施協委員の山本香代子施設長、塩川由華施設長、堀田大氏の3人です

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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『ケアマネジャーの質問力』
著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
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