ページの先頭です。

ホーム >> 福祉専門職サポーターズ >> プロフェッショナルブログ
高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

女性的・男性的

 前回は「男性が行きたがるデイサービス」について書きました。従来の高齢者ケアでは、女性高齢者に好まれるアクティビティが多かったために、どうにも男性にとっては相当に居心地が悪い?サービス環境になっているかも、という問題提起としても書かせていただきました。
 読まれたみなさんはどうです?
 目からウロコだった人もいれば、「もうやっているよ」と思われた方も多いのではないでしょうか?

 ならば、今回は「女性的な発想のススメ」のご提案です。
 ちょっと大げさですが、やはり男性的な発想では「新しさ」を生みだすには、なかなかむずかしい面があると実感している私です。
 先日講師をした、Y県の民生委員さんを対象とした研修会です。午後の情報交換の時間に「これからの地域の支え合いをどうすればよいか」を話し合ってもらいました。

続きを読む

「民生委員のなり手がいなくて困っていますよ」
「うちの町でも同じです。持ち回りでやる人もいるので、あまり熱心じゃないしね」
「ある集落なんか、16戸のうち12戸が年寄りばっかりで、何もできないですよ」
 あるテーブルで話される話題はとても深刻で、先行き真っ暗な雰囲気です。ところが、その中でも、中央のグループはやたらにぎやか。男性4人に女性2人。それも、この女性2人がすごい。
「まあとにかく、そう言っても何も進まないから(笑)。私なんかが思うのはね……というやり方もあるんじゃないですか」「そうですよ、私の地域ではね……」と話す2人の勢いに男性陣はタジタジです。

 見回してみて、顔ぶれの8割が男性です。それも各市町村の主だった三役の方が来ているので年齢も70代が多く「私は81歳です。もうそろそろ会長職を降りたいのですがなり手がなくてねぇ(笑)」と白髪のオールバックの方も。60代の団塊の世代の方がとても若く見えます。男性陣中心の話し合いの典型的なムードです。                          

「どうしてみなさんはお元気なんですか?」
「やっぱり女はこだわらないからねぇ。元気な人が多いしね。横につながるのは得意だし。お喋りしているだけで元気になれるから(笑)」
 なるほど、女性は「こだわらない、つながる、おしゃべり」という3拍子があるから強いわけですね。

 一方、男の世界でイチモク置かれるのは「こだわり、孤独、沈黙」です。誰からも味方されず孤独であっても、自分のこだわり(価値観)に忠実で、つらくとも悲しくとも自分の胸の内に秘めるのが「オトコ」として育てられていますからね。

 この女性とは真逆の方向性は、悪いわけではないのですが、時と場合によってはまずい結果となることも。男性介護の注意したい点は、介護が孤独になり、つらさを話さず、みずからのこだわりで一方的に妻・母を介護してしまう点です。
「本当に熱心な方がいらっしゃいます。でもその熱心さが心配なんです」と、不安を口にするケアマネさんは案外と多いですね。

「性差」をアセスメントすることの大切さ、これは深めたいテーマとなっています。

ムロさんの写メ日記

20110124m1.gif
山口県民生委員と社協職員の方対象の地域福祉推進セミナーです

20110124m2.gif
午後のグループワークです

20110124n3.gif
文中の元気な女性民生委員さんです。守田伸枝さんは光市三井地区社協の会長さんで趣味はマンドリン。加納光江さんは美祢市の主任自動委員部会長で趣味はコーラス

20110124.gif
仙台市の「ケアマネジメントに活かす文章と記録の上達術」。250人予定が300人を超えました

2011012402.gif
求められる文章力の解説です

2011012403.gif
会場をすばやく動きます(笑)。ただの手ぶれですが……(^_^;)

2011012404.gif
曖昧な表記として「時間、場所、人称」などをあげ、どのように記載すれば具体的になるかを学びます


2011012405.gif
会場に入って質問をします。いきなりですから、ちょっと緊張される方も。でもみなさん、しっかりと発表できます

2011012406.gif
仙台市役所で発見した「社会課」のプレート。びっくりです。尋ねると「生活保護などを扱う課です」とのこと。だったら「生活福祉課」とかのほうがわかりやすいような……

2011012407.gif
仙台市市役所にあった「ご近所パトロール」のポスター。これを「金魚」に洒落るとは。なかなかインパクトありました

 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第263号(無料)は「スケジュール管理」(水曜日配信)です。メルマガは随時登録受付中です。ケアタウンの公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


女性的・男性的・・・
時代が変化しても、永遠のテーマですよね。

ある日の喫茶店の光景です。

70歳前後の女性の4人くらいのグループが二つテーブルを囲んで、モーニングを美味しそうに食べながらおしゃべりに夢中といった感じでした。
何時間くらいおられたのでしょう?

かたや、70歳前後と思われる男性の方は、それぞれ喫茶店に来られ、カウンターに座りコーヒーを一杯注文し、お店のママさんと一対一の会話か、もしくは新聞を難しい顔をして読んでいつのまにかお店を出ていっておられました。

違いますよね。
デイサービスもこのような感じです・・・

どちらが、良い悪いの問題ではなく性差をアセスメントしなければいけませんね。

ちなみに、私は男性に生まれていたら、仕事の帰りに屋台によってビールを飲みよもやま話しをして電車で帰るサラリーマンをしてみたかったです。

女性だからしてはいけないわけではないのでしょうが・・・なんとなく男性のイメージです(^^)


投稿者: 桃太郎 | 2011年01月29日 19:40

桃太郎さんへ

 お久しぶりです。島根は雪はいかがですか?
 今年の雪害の報道を見るたびに、日本海側のみなさんのことが心配になります。

 喫茶店での女性と男性たちの違いは、まさにそうですね。おしゃべり好きの女性、黙々と語らう男性・・・越えられない深い川なのでしょうか。

 こんな話題を読むと、やっぱり性差ならではだなと思わざるを得ません。デイサービスでも、やはりそうですか・・・う~ん(>_<)

 そうなると、男性にとってはデイサービスはとても長い長い時間、それも「孤独な時間」と思っている方はいるでしょうね。

 私の好きな喫茶店はグリーンの木々がある店です。もともと田舎の山育ちなので緑好きもあるでしょうが、適度に「目隠し」になるからです。
 人の気配は感じたいけど、カウンターからは程よく見えない距離感が好きなのですね(^_^;)。

 個別対応(性差対応?)の限界はあるでしょうが、そこをなんとか工夫ができないか。期待したいところです。

 桃太郎さん、またお手すきのときに書き込み、お待ちしています!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2011年02月06日 00:34

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

コメントを投稿する




ページトップへ
プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

【高室成幸さんの最新刊】
『ケアマネジャーの質問力』
著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
ご注文はe-booksから
3172.jpg


bn_caretown.jpg
メニュー
バックナンバー
その他のブログ

文字の拡大
災害情報
おすすめコンテンツ
福祉資格受験サポーターズ 3福祉士・ケアマネジャー 受験対策講座・今日の一問一答 実施中
福祉専門職サポーターズ 和田行男の「婆さんとともに」
家庭介護サポーターズ 野田明宏の「俺流オトコの介護」
アクティブシニアサポーターズ 立川談慶の「談論慶発」
アクティブシニアサポーターズ 金哲彦の「50代からのジョギング入門」
誰でもできるらくらく相続シミュレーション
e-books