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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

猛暑・酷暑の夏

 「暑いですね」とあいさつ代わりに交わす言葉も「熱いですね」としか聞こえない、今年の夏。「暑い」という表現は、大気全体が、温かいというより、じりじりする日差しのような感じがあります。でも「熱い」はアスファルトという鉄板の上で焼かれるような温度感といえばよいでしょうか。

 それほどに、今年の夏は……どうしちゃったんでしょうか。

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 ケアマネのみなさんも、寒さも大変でしょうが、この暑さの中も、あっちにこっちに利用者さん訪問を繰り返している姿が浮かびます。同様に訪問介護のヘルパーさん、訪問看護の看護師さんなど、訪問系の方々は一方ならぬ苦労があるようです。

「この夏はうかがった時の室内の印象が違います。まずは厚みのある暑さっていうんですか、部屋の湿度100%もある空気が私の身体を包み込む感じですかね。だってエアコンをお年寄りは入れませんもんねぇ」
 そりゃ、暑いですよね。せいぜい扇風機くらいといいますから。まず、あの人工的なヒンヤリ感のある風を嫌うお年寄りはたくさんいます。若い人でもクーラー嫌いはいますもんね。夜、寝るときは窓を開けることしかしないという人。健康にはこちらのほうがグッドですが、それもできない高齢者の方は、ジッとがまん。
 トイレに行くのが面倒だからと水分をとらない人もいますから、これでは脱水になるのを待っているようなものです。

「訪問するヘルパーさんたちの愛用は冷凍物を買った時に無料でついてくる保冷剤です。これをね、ほら、クビの下の方にくっつけて、そして訪問介護するんです。部屋は暑くても、ここを冷やすとひんやりとして、がんばれるんです。それにもともとタダというのがいい(笑)」
 そうですねぇ、それはいいですね。冬ならホカロンで身体を部分暖房、夏は保冷剤で部分冷却。ならばヘルパーさんはクーラーボックス持参で仕事しているのでしょうか?やはりそういう方もいらっしゃるそうです。

 全国に研修でうかがっているので、地方の話題にはつい耳がダンボになります。今回の全国暑さ自慢。岐阜県多治見市は、今年も39度以上の気温を記録して、埼玉県熊谷市の気温を上回っているそうですね。多治見市には一昨年もうかがっているので、身近な存在に感じています。聞くところによると「日本で一番暑い街」として売り出し中とか? 「この暑さ、体感してみませんか?」のキャッチフレーズで、わざわざ汗をかきに来る人もいるそうです。北海道の人にいいかもしれませんね。あちらは「カラッとした暑さ」ですからね。

 やはり私が気になるのは、さきほども書いたように、この暑さが高齢者の方に与える影響です。外出を控えても、エアコンはない、扇風機もない、水分もとらないでは、「室内熱中症」のリスクがある方はきっと多いはず。
 認知症の方で不穏になったり、不安感が増して徘徊(どうしていいかわからない、何かを探している)行動が頻繁になっている方もいることでしょう。

 ですから訪問系のサービスの方、ケアマネさんに、私は最近の研修で必ず紹介していることがあります。
「みなさん、百金ショップで温度計を買いましょう。そして訪問先では利用者さんの傍で温度を測りましょう!」
 温度って、人によって感じ方がかなり違います。とくに冬は本人の着込み方や持っているホカロンの数でも体感温度なんて違いますからね。訪問中に居室、便所、風呂の脱衣する場所、台所、それに玄関、廊下くらいのどこか2か所程度は図る習慣をつけて、それを記録に残すことをしてみてはいかがでしょうか?

「暑いですねぇ、体調壊していませんか?」
「お着替えはされていますか?」
「お茶を何杯くらい飲まれていますか?」
「寝苦しくないですか?何時間くらい眠れていますか?」
「自分なりの暑さ対策、どんなことをされています?」
 こんな、暑さ対策5つの質問を作って訪問している事業所さんやケアマネさんもいるようです。

ムロさんの写メ日記
 
2010081001.gif
鳥取県社会福祉法人中堅的職員研修の様子。やはりちょっとうだっているような雰囲気が・・・(^_^;)


2010081002.gif
鳥取県東郷湖の湖面を写メ。わたしの大好きな撮影スポットです

2010081003.gif
三重県のグループホーム「おたっしゃ長屋」さんの事務所に貼ってあった、職員を鼓舞?する施設長からのメッセージ。いやぁ、体育会系ですね。筆文字が力強いですねぇ。1ユニット9人なので、まるで高校野球のノリのようでした

2010081004.gif
ここのグループホームには黒ネコがいるので、廊下にはしっかり猫の足形のシールが貼ってありました。思わず黒ネコくんも「おやっ?」と見てしまいますね(笑)

今週のメールマガジン「元気いっぱい」第240号(無料)は「いるはず、いたはず?」です。今回は、100歳以上高齢者失踪?騒動についてガチで書きました。なおメルマガは随時登録受付中です。ケアタウンの公式HPではバックナンバーまで見ることができます。  



コメント


高室先生、今日も暑いです・・・
と、いつものようにご挨拶をさせていただきました。

暑さ対策の温度計、いいですね。
なかなか「感じ方」はひとそれぞれですので、高齢者の方には、「それほどではないですよ」と暑さを感じておられない方もいます。
また、同居家族に遠慮してエアコンを入れなかったり、年金生活で電気代を気にして使われなかったり・・・
大切な生命を守るためにお伝えしていかなければです!

早速、実行してみますね。

訪問させていただいたお宅の、簾、風鈴、朝顔に癒されます(^^)


投稿者: 桃太郎 | 2010年08月13日 15:15

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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