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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

過疎地・へき地・限界集落

 先週は愛知→栃木→山形→高知→東京→山形の大移動でした。アメリカ大リーグのプロの試練は、試合もさることながら、試合後の次の試合地への「移動」といわれます。これが相当にきつくて、コンディション作りが大変とのことです。
 同様に? 私も国内の大移動をいかに効率的に行うのかということにいつも知恵を絞っています。

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 いまでは飛行機の国内線が充実していますから、羽田から2時間もあれば大抵のところまでは空をつかって移動できます。ただし、台風や雪など「飛べない・降りられない」というリスクはつきもの。私も過去数回の経験があり、苦労しました。
 ですから、もしそのような不測の事態になっても、「根性」(笑)で移動できるルートと時間を想定しています(いざとなったら電車だけでなく、高速バスや路線バスを使っての移動も経験しています)。

 さて、私の今年のテーマは「過疎地・へき地・限界集落」を訪問することです。全国で研修をしていると、地域資源・社会資源の話題で「そんなことは都会だからできることじゃないですか?」という視線を感じることがあるからです。
 たしかに厚労省があるのは「霞が関」という都内一等地だからというわけではありませんが、人口の集積が「二極化」し、ケアマネジメントの事例や手法も「近郊都市型」が前提になっているように思います。
 かつての「過疎地・へき地」に加え、高齢化率50%以上となった「限界集落」といわれる土地に暮らす要介護高齢者や老老世帯を、どのようにケアマネジメントで支えていくか。これは、全国の中山間地や島しょ地域でがんばるケアマネジャーのみなさんの切実な悩みだと思ってきました。

 ならば「論より体験!」と、まずはそのような土地を訪れてみよう、立ってみよう、歩いてみようと思い、時間の許すかぎり、地元の行政の方や地域包括支援センターの職員、ケアマネジャーのみなさんに案内してもらっています。

 今回は、高知県四万十町です。
 日本でもっとも美しいといわれる清流をもつ町も、一昨年、十和村・大正町・窪川町・四万十町が合併して、新生「四万十町」として誕生しました(ちなみにお隣に四万十市があるのですね、これが。実は土佐町と土佐市があるらしく、超ややこしいですね(^_^;))。

 合併により小規模町村は吸収されたり、他とまとまったり。おかげで、過疎地・へき地の町・村は激減しました。町村は激減しても、高齢者ばかりの「町・村」はそのままです。つまり、過疎地・へき地が統計上も「見えにくくなった」わけです。

 さて今回の限界集落は「旧十和村」です。旧四万十町から旧大正町を経て、ガードレールもほとんどない山合いを走ること約1時間。山裾に貼り付くように立つ家々と狭い棚田。そして主が絶えた廃屋たち。
 元校長室が週1回の移動診療所に使われるだけの廃校となった小学校にも足を運びました。平家の落人たちの集落が現代に脈々と続いていると聞きました。
 森の中には蜂蜜を貯める蜜箱も点在します。地元の方のわずかな現金収入の糧となっていると聞きました。

 十数年後には廃村となるやもしれぬ家々をのぞみながら、福祉の光の「濃淡」にやるせない気持ちになりました。
 つぎは北海道函館市の限界集落を訪れる予定です。

ムロさんの写メ日記

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「ケアマネジャーの質問力」刊行記念セミナー(東京会場)のスナップです。150名の規模で壮観でした!(^^)!

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ロールプレーです。片まひの坂本喜重郎さんになりきっています

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右側の方は青森から。奥山真智子役を青森弁でお願いすると、会場は大うけ(笑)でした

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四万十川は太陽の光で輝いていました

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車一台分の道路でバックしてくれる大型トラック。これがまた運転がウマい!

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山裾に立つ家々。前は棚田です

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この立派な廃屋にビックリでした

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廃校となった小学校です

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案内をしてくれた四万十町地域包括支援センター池田さん(左)と西岡さん(右)。西岡さんは元広報課にいて、観光協会のような案内振りでした

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主催した地域包括支援センターと社協の方々です

 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第194号は「ささいな言葉」です。ケアタウン総合研究所の公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


 高室先生、先日は国内大移動の中四万十町にお越しいただきありがとうございました。
 限界集落ツアーもお楽しみ(?)いただけたようで幸いです。
 私も大道地区や龍王の瀧も見れて楽しかったです。
 十和の道の駅で撮ったまるで夫婦のような(笑)ツーショットも載せていただいて、さらに身に余るお言葉…
 また機会がありましたら、ぜひ高知四万十町にお越しください。


投稿者: 四万十町・西岡です | 2009年09月12日 21:25

 西岡さん、メール、ありがとうございます。
 西岡さんの解説がとても詳細でびっくりしました。街を知っているなと感心した次第です。
 四万十町はいろんな意味で興味深い街です。
 またお呼びいただけると幸いです。
 高室 成幸


投稿者: たかむろ | 2009年09月17日 01:22

 がんばっていらっしゃる方の笑顔がとても素敵ですね。
 へき地でがんばっている方本当に尊敬してます。がんばってください。(地元の方にも感謝!!)

 へき地な地元を何とかしたい!!
 元気な地域にしたい!!
 最近、、、地元住人の方の暖かさを感じるほどに思いがつのります。。。

 離れてても、支援続けられることは?どうしたら地元住人の方が、昔のような元気さ取り戻せるのか?
 あと3年したら子供は小学生、、、動きはじめることができるよう、考えていきたい。

Dear Mr.takamuro
 ぜひ、実家のほうにもお越しくださいね~。


投稿者: 地元 愛!  はら | 2009年09月25日 23:12

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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