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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

ヘッドワーク

 仕事はとにかくやみくもにやっていてはいけないものだ、と30歳代のときに上司に教えられました。とにかくがんばればいい! のではないということです。ではどうすればよいか…。

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 仕事には「練る仕事」と「行う仕事」の2つがあります。
 練る仕事というのは、ズバリ、構想あるいは企画、計画を練るということです。つまり仕事というのには段取りがあり、さあ始めるぞ! と気合を入れても、最初に準備が必要です。
 ケアプランの作成だって、いきなり慣れないパソコンのモニターに向かって考えながら打ち込むのと、あらかじめアセスメントした内容を「未記入のケアプラン」にメモ書き(下書き)したものを見ながら書く(打つ?)のでは、そもそも仕事の段取りの「質」が違います。

 一見、いきなり向かったほうが早いようですし、その気持ちはわからないではないです。でも、先に下書きがあるほうが絶対に「質の高い仕事」になります。なぜなら、メモ書きなどであらかじめ考える作業を行っているので、2回目を考えながら「清書」ができるわけですから。

 ところが、全国の研修会場でこの手の質問をすると、「いきなりパソコン派」が多いのには驚かされます。そして結構時間がかかると嘆いてらっしゃる方が多い。仕事の「効率化」の工夫は、仕事前の「10分」にあり! なんて仕事の効率化の話題として、ケアプランを例にとり話しをすると、結構、うなずきながらメモをとられる姿があります。

 仕事には、取りかかる前の「先読み」が大切です。
 何分でやろう! 何分かかるだろう? どの時間帯でやろう? など、一日や一週間、一か月をおおまかにゾーニングすること。これはタイムマネジメントの基本的なノウハウです。
 そうそう、15分を「ひとまとまりの時間」として設定するのもよいですよ。「25分かかっている仕事を、どうやったら15分でできるようになるかな?」「15分でやれる仕事の中味をどうやったら増やせるかな?」と発想することで、仕事の中味の見直しを図ることができますからね。
 15分っていいんですよね、人間の集中力が続くひとつの基本単位ですからね。10分では短い、20分では長い。15分が仕事にはちょうどよい時間単位です。
 これ以外にも「すきま時間」をいかに上手に使うかという仕事効率化の発想法もあります。

 仕事の中味を練ることと、段取りを練ること。
 これをしっかりとやっていないと「行きあたりばったり」の仕事、つまりは「出たとこ勝負」のブレのある仕事になってしまうことになります。ましてや、周囲や先人に学ぶことをしないでやっていると、それは、相当に「自己流」な仕事になってしまっているので要注意です(^_^;)。

 そして「情報を集める」ことも皆さんには大切な仕事です。アセスメントやモニタリングは利用者情報の収集です。ケアチームが利用者本位で動きやすいように情報提供するには、まずは「集める仕事」が先です。
 医療機関への情報提供に「連携加算」がつくようになりました。これだっていつでも提供できるように、あらかじめ収集し整理しておくことで、加算に耐えうる仕事が行えるのです。

 これらの一連を「ヘッドワーク」といいます。
 マネジメントに関わる者は、ただがんばればそれなりの結果がでるものではありません。それでは、チームはすぐに機能不全を起こします(身体だと循環器系の機能不全は、即体調不良、病気状態となりますもんね)。
 能力ならぬ「脳力」をしっかりと使いこなしましょう!!!!

ムロさんの写メ日記
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バスの中で見つけたナイスな広告です。「ハッピー・バス・デー」なんてなかなかいいですね

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このバス内のすさまじいまでの柱? の数々。高齢者の方が降りる時に身体を支えるためのタテ手すり群。もちろん高さは低いステップバスでした

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東京のJR品川駅構内にあるミニチュア電車型の郵便ポストです

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鳥取に向けて飛ぶ飛行機から見えた雲海です。とてもホッとする眺めです。この光景を目にすると、宮崎駿アニメ「天空の城ラピュタ」を思い出すのは私だけでしょうか

今週のメールマガジン「元気いっぱい」第179号は「チームケアは連携力」です。ケアタウン総合研究所の公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


 先生お久しぶりです。やっと念願叶って!記録術の研修近いところで…嬉しいです。早速申し込みましたよ。
 記録もそうですが、ケアマネの仕事は本当に段取り8分という感じです。年数経っていてもどうしたら効率よくできるか?毎日考えながら仕事してます^^。
 いろんなものを「ためない」こともひとつですよね。なかなか、難しいことですが・・その日の段取りをいくらしていても、利用者からの緊急電話に・・結局その日、今日はなんだったんだろう…と思う日もしばしば。
 ☆天空の城ラピュタ!は、去年息子の中学の合唱祭でPTAの親の部で練習して歌いました。懐かしい…。あの雲の上の景色が見られる飛行機が私は大好きです。できれば、スッチーに!?なりたかった!です。(笑わないで~)
 飛行機といえば…実は本当なら今日からお隣の国に行ってる予定だったんですが、インフルエンザのおかげで中止せざるをえず…。こういう仕事してるとなかなか難しいですね。
 では、田植えのあと…田んぼの綺麗な風景と新緑の眩しいのどかな町から愛を?こめて先生にお届けしました。


投稿者: kobajun | 2009年06月07日 20:36

 ムロさんのブログは私の生活を見透かしたかのように発信されるのでありがたいです。
 施設の業務をしながらのケアマネだと、どうしても現場に気が散ってしまって落ち着いて文章に向き合うことができず、やみくもに仕事をして、翻弄されているのが今の私です。集中15分やってみます。
 それと「注意したいお言葉集」のアドバイスありがとうございました。朝礼すらなかった現場に今月から5分でいいからと朝の会を始めたばかりです。まるで私の生活がみえてるような…。


投稿者: Anonymous | 2009年06月09日 19:31

kobajun さんへ

 本当にあっという間に時間って経っていますよね。「えっと~、まだ仕事にかかっていないのに」なんてね。かくいうブログへの返信も、あとで書こうと思っていると、タイミングを逃して、このように一週間後以上となってしまっている(^_^;)。

「kobajun さんにはゆっくりと後で心をこめて書こう」と思ったよい心がけ?が、結果的に「後回し」(すみません、そんなつもりはないのです)となってしまったりするんですよね。ああ反省です。

 身をもって「すぐやる習慣づくり」が大切と思ったりしています。(^_^;)


Anonymousさんへ

 心を見透かすような…いえいえ、そんなことはありません。でもメルマガの感想でも「ちょうど悩んでいることを書いていただきました」という感想メールが届きます。
 そんなときはうれしいですね。
 人には「共時性」というものがあります。
 私もみなさんと一緒に「共鳴」しているとするなら、なによりです。

 自分の「感性」と「勘性」を信じて、みなさんに発信&アドバイスができればと思います。

 これからも気軽に感想の書き込み、よろしくお願いします!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2009年06月18日 13:39

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

【高室成幸さんの最新刊】
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