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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

講師は話し方教室では育たない

 GWは皆さん、どうされていましたか?
 世間は1000円乗り放題の高速道路や定額給付金パック小旅行で盛り上がるかと思えば、豚インフルエンザで季節はずれのマスク姿に成田空港は大パニック。
 リーマンショックで世界の金融システムがガタガタになったのが冷めやらぬうちに、今度は新型ウイルスが世界の人々の健康をガタガタにするのか…と、心底びっくりしています。

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 さて、今回も講師ネタで書きますね。前回の「講師手法」の件でみなさんの書き込みも積極的で、さらにメールで直接感想を寄せていただく方もいらっしゃるので、連続して今回も書いてみたいと思います。
 ケアタウン総合研究所の公式サイトの質問コーナーに、直接感想をいただく手もあります。

 今回は「話し方教室」との違いについてです。
 今書店に行くと「話し方」に関する本が、見やすい場所に必ず陳列されています。これからは学力・学歴よりも「コミュニケーション力」が求められている! と堂々とビジネス書も特集を組んでいますから。
 でも中味をのぞくと、大抵は結婚式などのスピーチや会議での発言方法、それに会話の仕方が多いですね。

 また近頃は、ビジネス系では「プレゼンテーションの技術」をうたった本も出されています。人数も少数(5~10人程度)から中数(20~30人程度?)、大数(50人以上?)を相手にしたコミュニケーション手法の1つとしての話し方が解説されています。
 多くは商品や企画のコンペを想定したもので、パワーポイントの効果的な使い方、30分程度で他社と比べていかに印象づけるかなど、要は「勝ち組」になるためのノウハウのオンパレードといったところでしょうか。
 もちろん、このような内容であっても、講師をされる方にはとても参考になる内容も多く紹介されています。私もちょくちょく参考にもしています。
 「あがらない方法」なんてのも、最高に参考になる場合もあります。
 第一声は大きな声を出す、深呼吸をする、予備練習をするなどから、気に入った人を見つけて語りかける、アガリ症の過去志向をやめる、背伸びの話はやめる、なんてね。
 ひと昔前は「聞いている人をカボチャやジャガイモだと思え」なんて、非人間的(笑)なことを平気で書いている本もありましたね。参考として取り入れるには、何事もムダはないですからね。

 ただし、スピーチとプレゼンテーションと講義はまったく違います。
 スピーチは、自分の思いやいくつかのエピソードを交えながらメッセージを伝えつつ、場を盛り上げることに眼目があります。
 プレゼンテーションは、自社商品の特性を書面・画像・動画などを駆使してうたい上げ、クライアントの契約にこぎつけるためのビジネス手法の1つです。

 しかし、講義は違います。
 講義は、いくら大人数であっても「1対1」(講師対受講生)の関係を基礎とします。ですから、6割の受講生が満足ではなく、個人として何割ぐらい満足したかが大切になります。
 そして講義でも、知識・情報提供型講義と手法・手技伝達型講義、意欲・姿勢向上型講義では、やり方も段取りも、そして使う小道具類も異なります。それに時間! が半端に違う!!!!
 なにしろ式典のスピーチは3~5分間、プレゼンはせいぜい30分間ですが、講義は1時間から3時間くらいありますからね。
 さらに自分の思いを話すわけでなく、他者との優位性などをうたい上げるわけでなく、どちらかというと地味な内容を、一定の知識と経験をもつ受講生(30代~50代)相手に行うわけですから、話し方教室で教えてくれる内容だけでは、プロ仕様としては少々不十分(いや、かなりでしょうか)な感があります。
 でも、何事も無駄はありません。腹式呼吸での話し方、目線の置き方、話す姿勢などは基本ですから、本を購入されたり教室に通うことはお勧めします。
 講義の仕方をしっかり書いた本は、実はほとんどありません。いずれまとめてみたいとは考えています!(^^)!。

ムロさんの写メ日記
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第3期講師養成講座(初級コース)には、昨年12月に行った山形県主任介護支援専門員研修参加者の鈴木直人さん(中央)も参加されました

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秋田空港です。近頃の飛行機は派手なペイントで子ども受けを狙っているのでしょうか? これ以外にポケモンがありますね。さすがにキティちゃんは見たことないですが(パチンコ台がアニメ化する時代ですからね。ギャンブルしながら宇宙戦艦ヤマトでイスカンダルに向かうわけですねぇ。だったらそんな機体があれば、30~40代サラリーマンは大喜びだったり)

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よく使う自宅近くのバス停からのワンシーンです

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秋田で、主催者の方と最後に入ったラーメン屋さんのカウンターにあった懐かしの「特大マッチ箱」です。子どもの頃、この中に火を点けたマッチ棒を入れて全焼(笑)させたい衝動に駆られたことを思い出しました(ちなみに小生は禁煙派です)

今週のメールマガジン「元気いっぱい」はお休みです。第176号は「甥っ子の涙」でしたが、反響ありがとうございます(^_^;)。ケアタウン総合研究所の公式HPでもバックナンバーをすべて見ることができます。


コメント


高室先生、こんにちは(^^)

『一定の知識と経験をもつ受講生(30代~50代)相手に行うわけですから。。。』
そうですよね…
経験も、基礎資格も年齢も違う方々に話をすることは、本当に難しく冷や汗がたらり~んと流れることも…

いつか絶対に養成塾を受講させてください!
自分の可能性は、自分で開いていくチャンスを掴まなければ…(*^_^*)

写メ日記のこのフレーズに思わず反応しました☆
~宇宙戦艦ヤマトでイスカンダル~
年齢がわかっちゃいますが、今でも時々主題歌の「真っ赤なスカーフ」を口ずさんでます♪


投稿者: 桃太郎 | 2009年05月10日 22:53

桃太郎さんへ

写メ日記へのリアクション、ありがとうございます。

先週、ロックミュージシャンの忌野清志郎さんが他界しました。
彼で思い出深いのは「ぼくの好きな先生」です。フォークなのに歌い方が妙にとんがっていて。でも声も詞もとても印象に残っています。

学校になじまない清志郎少年に、まあゆっくりとやろうやと声をかけ、絵筆を握る彼を見つめていたというエピソードを新聞で読みました。

ほのぼのとしたいい情景が浮かんできます。

歌には「思い出」が宿っています。
山間部だったので、雑音混じでラジオから流れ出る文化放送のセイヤングを聞いていたものでした。

昭和30年代が前期高齢者層となる15年~20年後は、デイサービスはどのようなアクティビティとなっているでしょうね(笑)?


投稿者: たかむろ | 2009年05月11日 13:59

 セイヤング…またまた懐かしいです。
 仕事で療育音楽などに一緒に参加させていただいた時に、私たちの世代だったら、ヤングマン♪やピンクレデイの曲で療育音楽してるなかな~と。
 『歌は世につれ、世は歌につれ』でしたっけ? こんなフレーズもあったような…
 明日訪問する利用者さんは、歌のとてもお好きな方なので、お話してみます(*^_^*)


投稿者: 桃太郎 | 2009年05月11日 22:05

 私はデイのお年寄りが歌う歌を聴きながら「昭和30年代生まれの私たちは何を歌わされるんだろう」と良く思っていたので、この会話は「そうそう」と思って投稿しました。
 まだフォークソングはみんなで歌いやすいものがあるけど、キャンディズやピンクレディはスピードに口が追いつくのかな?デイサービスにギター背負って通ってくるお年寄りがいたりして…。
 ちなみに私がいた地域包括の所長はかぐや姫のフアンで、ギター小僧でした。


投稿者: 中高年 | 2009年05月12日 22:00

中高年さんへ

 なんか世代を代表したようなハンドルネーム、ありがとうございます。共感のメール、同世代ならではと感じ入った次第です。
 フォークソングは「横揺れ」が基本でしたね。肩を組んだりして。ああ恥ずかしい(^_^;)。
 みんなで「遠い世界に」なんて歌っていると、きっと僕たちが大人になったら世界は変わるんだなんて思っていたりして。ところが、変わったのは歳をとっただけで、世の中は暮らしづらくなるばかりですね。
 ご心配のキャンディーズやピンクレディの件です。これは立派に介護予防体操に使えますね。ただし上級コースですが(^_^;)。
 ダンスは当時は複雑でしたが、アムロのダンスシーンをみると、まるでオママゴト?だったりね。今のあの振りをやったらすべてぎっくり腰になったりしてね。
 それと心配なのは衣装です。UFOなんて、ほとんどコスプレですから。でも70代のチアリーダーなんて、とてもおしゃれだったりしませんか?

 中高年さん、昭和30年代ネタをお待ちしています。


投稿者: たかむろ | 2009年05月16日 00:37

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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