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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

自己成長力のある人

 今回は、ケアマネジャーの「自己成長力」についてです。
 前回は「平均年齢」をテーマに、ケアマネのみなさんの加齢と高齢化についてお話ししました。この手のテーマは緊張しますね。だって、解釈する人によっては「馬鹿にしてんの!」と受け取られかねない話題ですから。ただ、研修会でこの手の話になると、実は頷く人が多いのも事実です。昨日の岐阜市介護支援専門員連絡協議会の研修会でも「そうなの、そうなの!」という共感の熱いまなざしが痛いほどでした(^_^;)。

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 さて、自己成長力です。「なんじゃそりゃ」という方も多いでしょうね。要するに、伸びる力と申しましょうか。案外、これが十分に備わっていないのではないか、いえいえ、大人になって(加齢で?)落ちてきているのではないかと思う時があるからです。
 振り返ると、私たちは少々「伸ばしてもらう環境」にどっぷりとつかりすぎてきたのではないかと反省する時も…。

 ちょっと考えてみると…。
 子どもの時代はもっぱら「周囲が伸ばしてくれる」時代です。それは小学校から大学まで続きます。教室にいれば、先生が頼みもしないのに「教えて」くれるのですからね。塾ならかかるお金も、義務教育では負担なしですもんね。宿題まで出してくれて、フォローアップまでしてくれる。親も「勉強せんとあかんよ」と言ってくれる。とにかくうっとうしくて、正直嫌だけど、かまってくれます(ここがポイントです)。
 たしかに大学になれば、いちいち周囲も言いませんが、親が学費を負担したりするのも、いわば学ぶ環境を用意してくれていることになります。今どきの大学教授も、学生の評価が人事考課に反映しますから、教え方も熱心。これは就職先が決まるまで続きます。

 さて、就職すると新人研修があります。新人の3年ほどはまだ教えてもらう環境といいますか、関係は存在しますが、さすがに20代後半になって周囲に教えを請うていると、「そんなことは自分で努力すること!」となります。
 この「教えてもらって当然」という身に染みついた感覚(習慣?)をどこで感じるかというと、ケアマネジャーの方々に次の質問をした時です。
 「この1年間で、ケアマネジメントや相談援助にかかわる専門書を2~3冊以上読まれた方は手を挙げてください」
 これが予想以上に手が挙がらない。もちろん恥ずかしさもあるでしょうが、年々挙げる人が減っている?ようにも感じます。もちろん本だけではありませんので、研修会の参加回数や、ビデオ、TV番組を見ることも大切と、お話しします。
 要するに、自分を成長させる「機会」は自らが意識して作るしか誰も用意してくれません。在宅での重度化による医療との連携や認知症ケア、終末期ケア、虐待対応など、学ばなければならない知識や手法はたくさんあります。研修会の参加はあくまで「スタート」や「きっかけ」でしかありません。それで「わかった・学んだ」つもりになるのは、あまりに浅すぎます。
 このブログを読んでいただいている方は、何らかの知識やノウハウを求めている積極的な方が多いと思いますので、心配はないのですが。

 さて、そんな前向きな皆さんにちょっといいノウハウを…。
 まずは、得た知識を周囲の仲間に語りましょう。そうすることによって、自分の不十分さに気がつき、やがて繰り返すうちに、知識が「知恵」となり、やがて「身体知」になっていくことに。「できている自分」「わかってきた自分」が実感できた時、みなさんの自己成長力にさらに磨きがかかったことになります。
 くすんだ玉石を輝かせるために布で磨くと、キュッキュッと音がします。さぞや玉石の側はちょっと痛い(^_^;)でしょうが、それがあるから「くすみ」がとれるんですもんね。
 自己成長する「努力」をされることで、維持と向上することができます。維持をしていないと、そこにあるのは「停滞と後退」です。気がつくと、あっと驚く周回遅れになっていたりして。
 プロフェッショナルとして「努力することも仕事のうち」と思えたほうが、不断に伸び続けていくのだと思います。
 ケアマネジメント学会など自主的な研修会や勉強会では、そういうケアマネジャーさんにお会いする機会が増えています。
 輝きが違います。何がって?
 表情と姿が輝いています…!(^^)!。

ムロさんの写メ日記
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山陽新幹線の新山口駅での写メです。シャッタースピードが微妙に遅い携帯写メですので、まるで火の玉がホームに突っ込んでくるようですね(笑)

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新山口駅の近くの割烹料理屋さんのレジ横にいた猫の置物です。存在感がありありなので、思わず写メしました

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山口県宇部市の社会福祉法人光栄会の人材活性化委員会のみなさんとのご苦労さん会。4月から4回シリーズで連続講座をしました。最終回は「職場のコミュニケーション術」でした。

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コメント


 こんばんは!年齢発言、自己成長…老化する一方の脳に?こたえます。2010年3月更新です。何か行き詰まると、テキストを買ってみたり研修会に参加してみたりするのですが、研修などで参加者の皆さんのエネルギーや頑張っています発言に益々落ち込んでしまう今日この頃です。こんなネガティブな想い自体いやなのですが…
 困った事例(決して困難事例ではないと思いますが…)で、研修会などのアドバイスが実践になかなか反映できなくて、教科書どおりにいかないのは勿論だと思います。実践をこなしていく中で答えを見つけるのでしょうか。
 ストレス解消行事に時間を割きすぎかな?


投稿者: gunnmachann | 2008年09月21日 23:04

 自己成長力…と考えてみると、相手から学ぶ姿勢を持っていると違うのでは? と感じることがあります。
 職能の会議にでると、必ずと言ってよいほど他職種の批判がでて… では自分たちはどうなのだろうかと振り返ることもなく(>_<)
 また、新人のケアマネさんの素晴らしいところを認めず、出来ていないところばかりを責めるなど…
 共に成長できるように学びあっていきたいですね☆


投稿者: ひまわり | 2008年09月24日 21:26

gunnmachann さんへ
 メール、ありがとうございます。
 ストレス解消行事…興味ありますねェ。大切だと思います。援助職は、特にバランス感覚が大切です。これは人柄、性格もあるでしょうが、やはり人間力や人生経験がものをいいます。自分の強み…人生の重ね(年齢)も大切な強みだと思います。

 ひまわりさんへ
 職能批判…残念ですね。悪気はそんなにないのかもしれませんが、案外とそういうのが、かならずどこかでにじみ出たりして。
 新人さんを責める…叩いて育てるのもアリだと思いますが、それは愛情があってこそ。その方にも、基礎資格の実績や人生の経験はあります。尊重する関係こそ大切と思いますね。
 まずはひまわりさんが、そういう姿勢を皆さんに見せてみると、案外、皆さんもやがては気がつくのでは…期待しましょう!(^^)!。
                「どげんかせんといかん」の宮崎にて


投稿者: たかむろ | 2008年09月25日 07:38

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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