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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」

ケアンズ Part3

 きょうはオーストラリア観光の最終日。明日は日本に帰る日だ。
 ケアンズのホテルは海沿いで、港まで歩いて10分くらいだ。港に7時半に集合なので、港の建物に行くと、クルーズの人でごった返していた。中国人の団体さんが多かった。今日はグリーン島とアウターリーフツアーだ。アウターリーフというのが、グレートバリアリーフのようだ。グリーン島、アウターリーフという看板を見つけて並んで、チケットを購入して、桟橋に移動して並んだ。大きな双胴船だ。8時半に出航。まずは1時間以上かけてグリーン島を目指す。コーヒーや紅茶やケーキが配られる。中国人の団体さんたちは実にテンション高く、アゲアゲだった。

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 グリーン島は遠浅なので、長い長い桟橋だ。桟橋から早くもきれいな熱帯魚が見えている。2時間ほど自由行動なので、浜辺で泳ぎ回った。砂は雪のようにきめ細かく、歩くとサクサクする。島全体が珊瑚礁のカケラでできているそうだ。島にはホテルも完備されていて、ぼくたちとは逆に、午前に船に乗り込む人たちもいた。
 沖合は水が黒く見えているので、泳いで行ってみると、岩場になっていて、熱帯魚がたくさんいた。クラゲも多く孫が刺されてしまった。

佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」2012年3月8日
グリーン島に咲いていた植物

 さらに船で2時間かけて、珊瑚礁に浮かぶ筏のような「ポンツーン」と言う海上基地に向かった。縦50m横20mくらいの2階建ての白い鋼鉄の筏だ。食堂や着替えをする場所がある。クラゲを警戒して、今度はみんなウェットスーツを着用した。救命胴衣をかぶって、シュノーケリングだ。ダイビングもできたのだが、孫もいるので、水面に浮かんでのシュノーケリングにした。ダイビングのために、主治医に病名と薬の説明を書いてもらって、ネットの辞書で英訳した紙をもっていってはいたのだが。「空港で持参した薬を調べられるかも」と言われていたけれど、それもなかった。きょうは運良く最近でも特に波がなく、透明度が高いとスタッフさんが言っていた。

 最初に日本人スタッフに浮き輪を引いてもらって、遠くまで泳いで行った。顔をつけたまま、珊瑚礁とお魚たちの多さに歓喜だった。誰も泳いでいないところまで行って、視界の遠くまでのおびただしい大小の魚の群れや、ホントにさまざまな色をした大きな重層的な珊瑚の重なり、でっかいなまこや、頭のこぶが軍人の帽子のようなナポレオンフィッシュや、鮮やかな色のクマノミの群れや、細長いヤガラなど。水中でくるっと一回転して、本当にこんな美しい海に生でライブで自分がいることに、心から感動した。
 深いところは7~8mありそうだが、珊瑚は色が暗くまばらで、浅いところの珊瑚は色が明るく重層度が高い。沖縄で見た珊瑚より、肉厚で何より量が圧倒的だ。本当に魚が多く、魚の群れは1000匹単位くらいで、それぞれが違った色をしている。浅いところでは、珊瑚に足ヒレが当たらないように気をつけた。

 「ポンツーン」に上がって昼食をとった。日本式のカレーがあった。船員が食事の放射能を測定していた。日本の事故はこんなところにまで影響していた。
 またすぐに海に入って、泳いだが、水中カメラがないのが残念だった。
 珊瑚礁での2時間の滞在はあっという間だった。船が出航の警笛を2回鳴らしても、まだ海にいる人もいた。船では人数確認だ。スタッフさんから何度も「ステイ・ヒア!」と言われて、しばらくは、船内を移動することができなかった。ぐったりと気持ちよく疲れ、ケアンズの港に着いたのは5:30だった。
 次の日には、ケアンズ空港から成田行きに乗った。

 さて英語がネックで、海外旅行を敬遠している人も多いだろうと思う。
 海外旅行のツアーは国内旅行より安かったりするので、難しい空港での手続きや、ホテルの手配などの心配をしなくていい、ツアーもいいと思う。ぼくも空港での手続きやホテルの予約や現地でのチェックインは、娘の旦那さんに任せっきりだった。旦那さんは英語が通じるかどうかは、「気合いだ!」と言っていた。たしかに中学レベルの単語力があれば、あとは身振り手振りで何とかなるものだ。ぼくはコーヒーショップでアイスコーヒーを買おうとして「ハウ・マッチ?」という単語がとっさに出てこないレベルだ。それでも十分に買い物を楽しめる。

 ちなみにオーストラリアでアイスコーヒーと言えば、アイスクリームのたっぷりと入った、甘いコーヒーフロートのデラックス版といったところだ。コーヒーフロートは昭和の喫茶店ではふつうに飲めたものだが、みなさん覚えているだろうか?もちろんふつうのカプチーノとかエスプレッソ、ラテなども美味しい。オーストラリアは大規模なコーヒーの産地だと、はじめて知った。ホテルに置いてある無料のインスタントコーヒーも、日本で飲むものよりも美味しい。内陸部にはコーヒー農園、バナナ農園、サトウキビ農園、マンゴー農園、ピーナッツ農園、オージービーフの牧場などが広大に広がっている。土地がいくらでもあるから建物はどこも平屋が多い。バナナには、一房一房袋がかけてあって、フルーツバットというフルーツばかりを食べる美食家のコウモリの被害を防いでいる。バットマンのバットだ。フルーツバットは都市部にも群がっていて、駐車場の車が被害にあったりしているらしい。自然保護の国もそのフン害には悩まされているようだ。

 ケアンズでは日本人の店員さんが多く、気軽にお買い物が楽しめる。その日本語の看板の多さには驚かされるし、店員さんは片言の日本語をしゃべることが多い。お店のメニューにも英語と日本語が併記されている。大橋巨泉のオーケーギフトショップもある。今回の目玉、キュランダ観光やグレートバリアリーフ観光のベースがケアンズだ。観光パンフレットもガイドも日本語だ。ホテルのフロントにも日本人職員がいて、ツアーの予約などをしてもらった。

佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」2012年3月8日
ケアンズの街角でレゲエの弾き語りをする、
フレンドリーなアボリジニらしきおじさん

 35歳までならワーキングホリデーという制度を利用して、オーストラリアで学校に行ったり、働いたりできる。最長2年間だ。チャレンジしてみるのもいいと思う。クジラ問題でのトラブルまでは、オーストラリアと日本はとても親密だったようだ。

 オーストラリア旅行を満喫するには、日本に近いケアンズに滞在するだけの往復旅行だけでも十分な気がする。いろいろな航空会社が相乗りして、1日1本、日本に直行便が出ている。8時間ちょっとのフライトだ。
 生きているうちにいろいろと旅行を満喫するのもいいんじゃないだろうか、と思う。ぼくもあと10年くらいは旅行を楽しみたい。


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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
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