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永島徹の「風」の贈り物

態度(心ある行為)で心をつかむ。心は心でつかむものさぁ

 今週は、群馬県老人福祉施設協議会のデイサービス職員の一泊二日研修会で講演をしてきました。会場は群馬県内の温泉郷の一つ、榛名山の側にある伊香保町でした。私は二日目の午前中の講演担当ということで、自宅から早々と向かい、会場入りしました。その向かう車中から、伊香保町近辺の山々は雪化粧になり、冬の装いを堪能できる景観でした。

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 今回の研修では、初日に「接遇」についての講師を招き、改めて人とかかわる心得など、演習を交えて行ったようです。最近福祉従事者の研修で、接遇の研修が盛んに行われています。接遇について振り返ることは、日頃の自分自身の姿勢を見直す良い機会になるでしょう。うっかりすると、慣れにより雑な対応になってしまうことも考えられます。一つの雑な行為が、せっかく築き上げてきた信用をなくすこともあります。改めて「接遇」を学ぶことで、自分自身を振り返ることは大切です。
 自分自身を振り返ることは、専門職に必要な行為です。拙書『必察! 認知症ケア』でも、自分自身の振り返りを大切なこととして紹介しています。そのことも含めて、研修の二日目には「必察認知症ケア」の講演をさせていただきました。
 『察する』ことは、人と人とのかかわりの基本です。言葉に出さずとも、私たちはその場の雰囲気を感じとって生活や仕事をしています。そこに「いつもと同じだ」という思い込みをしてしまうと、わずかな変化に気づかず、結果的には心ない対応をしてしまうことになります。しかし、自分の行っている行為はどうなのかということを、時折意識しつつ誠実に仕事していくことが、結果的に良い仕事ができます。それは、相手からも私たちを察してもらえているためでしょう。

『必察』を語る筆者
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ショート演習に励む参加者の皆さん
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熱心に応えてくれました
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 そのことを教えてくれる方がいました。
 ある日のデイサービスでの出来事です。日本太郎さん(79歳)と隣にいる日本花子(82歳)。2人がソファで休憩していたときのことです。花子さんはデイサービスを利用し始めて日が浅く、ようやく緊張がほぐれ、その場の雰囲気にも徐々に慣れてきた頃でした。スタッフが花子さんをさりげなく気遣いながら、花子さんの持ち味をさらに活かしていこうとかかわっていた時です。
 それを見ていた太郎さんが、スタッフに向かって「あんたはうまいねぇ~。そうやってしてくれるから、この人もわかってくれるよなぁ。表情からわかるよ」と、職員の行為を褒めてくれたのです。そして次に出たのが、「やっぱり態度(心ある行為)で心をつかむ、心で心をつかむということさぁ」という含蓄のある言葉でした。
 私たちも生身の人間です。疲れたりイライラするときもあります。それでも、専門職として上手に自身を調整して仕事をこなしていく。そこにマイナスに作用していまうのが「慣れ」です。「慣れ」と「自信」は異なります。「慣れ」ではなく、専門職としての「自信」を築き上げていくためにも、日々の自分自身を振り返る(内省力)ことを大切にしていきたいものですね。


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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

【永島徹さんの最新刊】
『必察! 認知症ケア 思いを察することからはじまる生活ること支援』
著者:永島徹
定価:¥1,890(税込)
発行:中央法規出版
ご注文はe-booksから
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