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永島徹の「風」の贈り物

新たな社会資源に、助かった~

 6月のある朝、デイホーム「風のさんぽ道」の駐車場で、赤ちゃんすずめを発見しました。
 どうやら、屋根の軒下に作られた巣から落ちてしまったようです。飛べるまでには成長していないものの、ある程度大きくなっていた雛は、命にかかわる傷を負うことはなく、短い羽でパタパタと飛ぼうとしているようでした。

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 そんなわが子をなんとか助けようと、近くでチュンチュンと夢中で鳴いている親すずめ。そんなすずめと出会ってしまったからには、知らんぷりはできません。
 とりあえず身近にあった虫かごに入れて、デイホームに集まった皆さんと緊急会議!?になり、「さて、これからどうすんべ?とみんなで話し合うことにしました。
 「チュンチュンつついているから、お腹が空いているんじゃな~い」
 「何食べさせたらいいのよ…?」
 「みみずとか、食べるんじゃな~い」
 「それじゃ、捕まえてこないと」
 食べものの話に、自分たちの昼食の話だと勘違いされたSさんからは、「すずめを食べるの!?」なんて発言も飛び出しました。

 あれこれみんなで考えているところへ、少し遅れてRさんがご家族に送られ来所。Rさんのご家族から「家から虫を持ってきてあげようか!!」と温かい言葉もいただきました。
 そんなこんなで、みんなで考えてみたものの、どうにも素人が育てるのは難しそう。同時に、私がインターネットで検索してみたところ、発見したら獣医さんに相談することが大切という情報もありました。そこで、「本当にすずめのことで相談にのってもらえるのかな~?」と、どきどきしながら獣医さんに電話。すると、「うちの先生は野鳥保護の担当医です。すぐに連れてきてください」とうれしい返事。「よかったね~」とみんなでほっとしました。
 獣医さんの中には、すずめなどの野鳥を保護する担当医がいることを初めて知りました。すずめの雛は餌も食べようとしているので、一週間位で飛べるようになるでしょうとのこと。それまで動物病院でお世話してくれるそうです。

 こんな何気ない出来事も、次の瞬間には忘れてしまうかもしれない皆さんですが、一つひとつの出来事を共感する瞬間を大切にしていくことで、安心して尊い時間を過ごすことができると思います。
 しかし地域には、私たちがまだ知らない社会資源がたくさんあるのだな~と実感。人間の生活だけじゃなく、すずめの生活(いきる)を支援するために、みんなで考え、必要な社会資源とつながることができて本当に良かった!!。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

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