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永島徹の「風」の贈り物

地域社会にある、一人ひとりがもつ底力

 先週は、新潟県妙高市で開催された「第8回全国介護保険推進サミット」に参加してきました。
 妙高高原の山々がうっすらと衣替えを始めている中、2日間でのべ4000人という多くの参加者が集い、講演会、パネルディスカッション、レセプションや分科会などが開かれました。
 私は第1分科会に参加し、みんなで育む介護予防「身近な『なじみ』を活かした介護予防~認知症理解を踏まえた介護予防の取り組み~」という演題で、地元の活動を報告させていただきました。コーディネーターに、NHK解説委員の村田幸子さんに入っていただき、他のパネラーの和光市の東内京一さん、Jリーグ・アルビレックス新潟の小山直久さん、厚労省の古元重和さんとご一緒させていただきました。

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 小心者の私は、この日が近づいてくるにつれ、緊張のため、夜休むときにうつぶせ寝になっていました。仰向けに寝られず、うつぶせ寝で眠りが浅くなるのが、私の心の不安や緊張を表わす、もっともわかりやすいサインです。
 このサミットは、「介護保険を推進する」という目的もさることながら、開催地の「地域力」を結束し、その地域ならではの特性を活かした、味のある企画になっていました。
 そこに全国からの参加者を迎え入れ、ともに考え、笑い、そして元気とアイデアをもらった参加者は、再び明日から自分たちの地域で思い思いの活動をしていくという「思いのバトン」が受け継がれていくことになります。また、何か一つの目的、目標(今回はサミット開催)に向かって、市民、専門職、行政関係者の一人ひとりが、自分にできることから動いていくことで大きな力になり、結果的に自分たちの地域の結束力を高めることになったのではと感じました。
 かなりの時間をかけて進めていくこのサミットで、準備は地道で根気のいることです。けれども、一つ物事が成功することで自信になり、さらなる未来を築き上げていく原動力になります。
 結果的に郷土を愛する思いは、誰もがもっており、その「思い」が具体的な形になっていくことで、より心豊かな地域になっていくのではと思います。そのような息吹を全身で感じることができた2日間でした。
 サミットの準備をされてきた妙高市、新潟県などの多くの関係者の皆さんに心から感謝しつつ、皆さんからいただいた温かい「思い」(元気)を活力として、自分にできることを一つひとつていねいにしていきたいと考えています。

 ちなみに、妙高市から戻ってきた晩の私も、やはりうつぶせ寝でした。報告させていただいたことを、さらに発展し地域のために活かしていきたい。そう考えると、気持ちはさらに引き締まり、緊張は続きます。当分、仰向けで寝られそうにありません。

追伸
 妙高市の入村市長は、妙高市の「妙高」という言葉について、釈尊は「大海の針、妙高の糸」と言われており、その意味は大海の底に沈んでいる一本の針を拾い上げるほどの難しさであり、ヒマラヤ山頂から糸を垂れて、麓の針の穴にその糸を通すほどのまれなことであると話されていました。人間の生を受けることの難しさ、そして命の尊さを考えさせられる意味があるとのことでした。

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緊張する永島


コメント


 妙高の分科会を聞き、感動しました。最後の、認知症の人の気持ちをつづったものを聞き、涙がでました。
 私も認知症サポーター養成をしていますが、ぜひこの言葉をサポーターに伝えたいと思います。教えていただけませんか?よろしくお願いいたします。


投稿者: 三浦里美 | 2007年10月23日 19:02

 初めてコメントさせていただきます。
 永島さんが仰向けで休まれるとき、そのときの郷土の姿はどんな風なのでしょう。これからも、ブログ楽しみにしております。


投稿者: 河村 | 2007年10月25日 19:00

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

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著者:永島徹
定価:¥1,890(税込)
発行:中央法規出版
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