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永島徹の「風」の贈り物

I am a Social Worker!?

 「ソーシャルワーカーって何?」その仕事についていても、こんなふうに考えることはありませんか?
 アメリカなどでは、「I am a Social Worker」と伝えれば、相手は、その人がどんな仕事の専門家なのか理解することができるということです。でも、日本では…!? 日本には、社会福祉士というソーシャルワーカーの国家資格が作られています。それでも、「私は、試験に合格して、資格はもっているけれど……」と話される人も少なくないように思います。
 日本では、まだまだソーシャルワーカーという仕事は一般の人々に知られていません。そして、その職についている自分自身も、「ソーシャルワーカーの役割っていったい何?」と考えながら働いているのが現状だと思います。

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 先日、風の詩で、「ソーシャルワーカーとは」について、ある先生をお招きしてスタッフ研修会を行いました。そして、ソーシャルワーカーの専門性(価値・機能・知識・技術)の中でも、特に「価値」に関する話が広がりました。
 先生からは、バス停で時刻表を持ちながらバスを待っている男性のたとえで、なるほどと頷ける話をしていただきました。
 バス停でバスを待っていて、「あれっ? バスが来ないぞ、おかしいぞ」と思えるのは、時刻表を持っているからだということ。もし時刻表がなかったら、あれっと感じることもないでしょうということです。そして私たちにも「あれっ?これはおかしいぞ」と気づき、感じることのできる時刻表が必要だということでした。つまり、この「時刻表」がソーシャルワーカーのもつ「価値」ということになります。
 次に先生は、シャッターの降りた店の前の路上に横たわっている一人の男性の写真を見せ、「これを見て、何を感じ、何に気づきますか」ということを私たちに問われました。「仕事がなくて、食べ物も食べてないのだろうな」「帰る家もないのかな」など意見が出されました。
 そして、「倒れているようだが、何か病気なのでは? 意識はあるのかな、救急車を呼んだほうがいいのでは」と、感じたことを話したスタッフもいました。すると先生から、そのスタッフに対し、「そのように感じられるということは、医療系の視点があるのかもしれませんね」とのこと。ちなみに彼女は、最初に看護の教育を受け看護師という資格も持って仕事をしてきました。このことからも、それぞれの専門職がもつ「時刻表」があるということを実感できました。
 皆さん一人ひとりは、どんな時刻表をもって仕事をされていますか?
 私は、「I am a Social Worker」として、狭義のケアではなく、地域の中でソーシャルワークの視点を活かしたソーシャルケアの実践をめざして、風の詩の活動をスタートしました。活動を重ねれば重ねるほど、これでいいのか、必要なことは何なのかと、迷いや悩みがなくなることはありません。それでも、ともに活動する仲間とともにさまざまなことを経験し、学び感じて、「We are Socialworker」としての時刻表を深め、身につけていきたいと思っています。
 ソーシャルワーカーって何? と感じながら仕事をされている皆さん。そして、そんなことを感じずに「I am a Social worker」として仕事をされている皆さんも、時には自分の時刻表と向き合ってみてはいかがでしょうか。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

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