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宗澤忠雄の「福祉の世界に夢うつつ」

麻雀とデイケア その2

 朝の会が終わり一日のプログラムが始まると、麻雀にそそられるメンバーは何となく雀卓の周辺に集まります。誰からともなく「やろうか」となって、メンバーが足りない時や私が入るようにメンバーからのご指名を受けたときに、私も台を囲みました。

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 「麻雀歴とりあえず10年」の私からみて、メンバーの麻雀の打ち方はなかなか手堅いもので、いたずらに点数の高い上がり方に冒険するような人はめったにいません。あるときのメンバーは、高校時代に発症した2人と、大学時代に発症した1人に私でしたが、上がり手は平和(ピンフ)、断公九(タンヤオ)、全帯公(チャンタ)といった基本形の役か、立直(リーチ)で役をつけて上がるのが主でした。
 それでも、最初の配牌には「運命の女神」のいたずらがさまざまにあるものです。
 メンバーのAさんは、配牌のときに「1」と「9」が多かったため、点数は高いけれど上がりにくい純全帯公(ジュンチャンタ、「1」と「9」を必ず含む順子-「123」「789」、刻子-「111」「999」を揃える手のこと)を目指しているようでした。
 この「ジュンチャンタ」という手は、「12」が手元にあって「123」に揃えようとしても、「3」一枚の待ちになるところが難しいところです。たとえば、「56」と手元にあって「4」が手に入って「456」とするか、「7」が入って「567」が揃うときのように、両面で牌を待つことと比較すれば、ジュンチャンタの手はなかなか完成しないことが分かります。だから、麻雀の打ち方の基本は「1」と「9」の端の牌を捨てて、「2~8」の数字を手元に残していくのが定石です。

 「ジュンチャンタ」を目指すAさんは、繰り返し「世が世なら」と言って「5」や「6」の牌を切っていきます。勝負の厳しい風向きを自覚して、「世が世なら」という台詞が続きます。
Aさん 「世が世なら」(また、「5」を切る)
Bさん 「恐ろしい。Aさん高い手を狙ってますね」
Cさん 「甘いな~。俺なんて、四暗刻(スーアンコ)てんばっちゃった」(「4つのアンコ」で「甘い」という駄洒落、この手は滅多にできないから勝負の駆け引きとしての大法螺です)
私 「くわばらくわばら」
 このような会話がしばらく続いて、Cさんが突然「ツモ」(「上がり」のこと)。Aさんは「もうちょっとだったのに~」といかにも悔しそうです。Cさんの上がり手を見ると平和(ピンフ)でした。
 Cさんは誇らしげに「世の中、平和(へいわ=ピンフで上がりの駄洒落)が一番ですから」
とニコニコ。
 それから1か月ほど経ち、AさんとCさんには就労自立に向けた実習先が決まりました。

 さて、このような麻雀での会話は、現在でも果たして成立するのでしょうか? 麻雀自体がゲームとして廃れ気味ですが、そのこと以上に、麻雀に限らずトランプや将棋・囲碁を含め、PCかテレビゲームの経験しかない人たちが今やほとんどのように思います。
 ゲームの中で、生身の人たちとの会話に花開く経験は、青年期まではテレビゲームに、大人になってからもPCのゲームに駆逐されているように思えて心配です。

 そこで、福祉の職場を目指している若いに皆さんに一言。ゲームは生身の人とすることにしましょう!! PCやテレビの画面を相手にゲームに興じていると、就職の機会を狭め、支援のゆたかさを育めないかも知れませんから。


コメント


 私は大学生です。勉学を疎かにして麻雀に明け暮れた毎日もありました。
 中学生のころから麻雀をカジッテいますが、麻雀以上に面白いと感じたゲームはありません。
 何が面白いかというと、卓を囲んだ相手、いわゆる敵とも和気藹々と会話ができるところ、そして麻雀をしたことにしかわからないかもしれませんが、「なんでこうゆうときにそうなるんですか?」という運命?神の悪戯?とも感じられるゲーム制です。
 麻雀が福祉の世界でも使われている、という話は聞いたことがありました。指先を使う、頭をフルに使う、会話ができる、複数人と楽しさを共有できる。思いつくだけでもいいことばかりだと思います。
 当然、ギャンブルという点で嫌う人も多いと思いますが、マイナスなことばかりではないと思います。
 これから、私の人生で多くの人たちと知り合って、関わりあっていくと思いますが、その一つの手段としての麻雀、ボーっとした頭に刺激を与えるための麻雀、自分がおじいちゃんになったとき指先を鍛えるための麻雀、いろいろな麻雀ライフを楽しみたいと思います。
 自分が好きなことが、自分とは関わりのないところで、何かしらの役に立っていることに嬉しく思います。


投稿者: YUKI | 2008年12月04日 17:47

 私も大学生です。今でもよく麻雀して、朝日を拝む生活をする日もあります。。。
 最初に出合ったのは中学生の頃でした。友達に後ろについてもらいながらうっていました。意味もわからず同じ柄と同じ数字を必死に集め、対々であがり、また、風牌でカンしようとしてみたり、とよく場を乱していたのを思い出してしまいました。
 昔から、ゲームの類はあまり好きではなく、誰かと一緒にするゲームのほうが楽しめました。確かに今人と向き合うのではなく、パソコンに向かってするゲームが広がっており、歯止めが掛けられない状態になってると思います。身近なところからでも何か変えていかなければと思いました。


投稿者: ピクルス | 2008年12月06日 00:25

ブログ拝見させていただきました。
私は麻雀をしたことが無いのでルールは良く判りませんでしたが、宗澤さんのおっしゃていることはその通りだと思います。
最近はインターネットを通じて顔も分からない相手ともゲームの対戦や、やりとりが可能になりました。そのことをいいことに心も無い誹謗や中傷などの問題もたくさん出てきています。ゲームをすることは全く悪くないし、むしろ、(生身の人と)ゲームを通じてやり取りをすることによって、相手とのコミュニケーションが取れるというのはいい機会ですね。
私も最近はネットゲームをすることがあるので、はまり過ぎないように気をつけようと思いました。


投稿者: M | 2008年12月09日 01:23

 私もマージャンはよくするので今回のブログはとても楽しく思いました。
 マージャンの最中に、マージャンと普段の生活をかけたくだらない会話をしながら友人達と囲む卓は、本当に他では体験することのできない楽しさです。
 私は現在、大学四年生です。無事に卒業することができた場合、もう今のような時間は過ごせないんだなと近頃良く感じます。
 マージャンというゲームは人生に似ていると思います。配牌は、良い時と悪い時があり、これは生まれた時の子供だとします。初めばらばらに見えた手牌が、あきらめずに育てることでとてもきれいな手になったりもします。
 調子が悪い時でも、自分にできる精一杯の努力(他家を縛るなど)すれば、いつかむくわれていい手が入ります。人生も諦めずに努力することが大事なのです。
 私は小倉の学生大会で優勝したこともあり、多少は腕に自信もあります。もし機会があれば先生とも卓を囲ませていただきたく思います。


投稿者: たかひろ | 2009年01月24日 04:30

 こんばんわ。
 『麻雀』が絡んだせいか読みやすかったのでこの日記にコメントしました。まさか麻雀がこんな形で役にたつとはおもいもしませんでした。
 麻雀をしているというだけでギャンブラーなどといわれ、世間的もマイナスな遊びだと思っていましたが、物は使いようとはよく言ったものですね。
 これは僕の経験なのですが、雀荘にいってときおじさん(50代くらい)の方と売ったのですが企業の話、政治の話など色々な話をしました。しかもけっこう真面目な感じで。なので僕も雀卓を囲んだときのあの雰囲気はどこか特別で気を許せ、いろいろなことを話せる場になると思います。

 僕も人と話をするのが好きなせいか、オセロ、囲碁、将棋など対人の遊びが比較的得意です。機会があったら僕もせっかくこのような対人ゲームができるので役にたててみたいと思いました。それと機会があれば先生とも打ってみたいものです。


投稿者: まーちゃら | 2009年07月29日 00:35

 こんにちは。ブログを拝見させていただきました。
 様々な視点から福祉を語っていて興味深いと思っていましたが、『麻雀』と『福祉』が結びつくとは思いもよりませんでした。
 確かに、麻雀に限らず、対人型のわいわいと遊ぶゲームをする機会というのは、減ってきているように思えます。
 時間がなかったり、時間があっても遊ぶ道具がなかったりと、そもそもの機会が訪れないことが原因ではないかと、個人的には思っているのですが。
 最近では、ネット上でそういった対人型ゲームを(チャット付きで)遊べる場もあるのですが、それでもやはり生身の人と話し、遊ぶほうが楽しいと感じます。
 その場の空気、雰囲気といったものが、チャットだけでは感じづらいのです。
 これからは、自分から親しい友人に「遊ぼう!」と声をかけていくことで、そういった機会を増やしていけたらなぁ、と思いました。


投稿者: イツカ | 2009年08月05日 12:53

 このお話も面白いお話ですね。
 もし、自分以外のメンバーが心の理論が未発達な人たちだとしたら… どんな展開になって、雀卓を囲む事によってなにが得られるのか(サポートする側も当事者達も)、とても興味が有ります。
 しかし残念な事に今、私の周りにそういう環境が有りません。でも、実践してみたい。
 でも、この実践は本当にユニークですよね。目から鱗です。
 麻雀の他にも身近で意外ななツールを使って楽しく当事者達と関われたら面白いですね。自分でも何か探してみます。


投稿者: ねこ | 2010年01月18日 22:29

 私の一族は全員が麻雀を嗜むので、私も小学生の頃から麻雀を覚え、親戚が一堂に会した際はよく卓を囲んだ記憶があります。
 今でも実家に帰省した際には、祖母の「ボケ防止になるから」という誘い文句に乗っかり祖父や両親も巻き込んでの徹夜麻雀が始まります。
 半荘を打つにしてもかなりの時間がかかりますから、その間大学の話や家庭で起こった出来事など様々な会話が交わされ、今ではある意味で重要な「コミュニケーションツール」となっています。
 今回、麻雀の有用性が再認識させられたので、今後も家族、友人との麻雀の時間を大切にしたいと思います。


投稿者: KOP | 2011年07月09日 17:41

デイケアという福祉の現場でまさか麻雀が行われるとは思いもしませんでした。そこで自分が友人とやっている時のことを考えると、テレビゲームを一緒にする場合と違って、自然と4人の会話が弾む楽しさや、駆け引きの面白さを味わうことができるなと思いました。ですからこの他愛もない会話や勝ち負けの一喜一憂が、デイケアにおいて必要なコミュニケーションに役立っていることは理にかなっているなと思います。そして繊細な福祉の現場ではこういった工夫のある柔軟な対応が必要であるのだなと思いました。


投稿者: 林檎π | 2011年07月10日 19:54

この記事は私自身も麻雀が好きなのでとても読みやすかったです。私の友達で介護等体験のためデイサービスに行った子が居ましたが、やはりそこでも麻雀は大切なコミュニケーションのツールだったようです。(私は特別擁護老人ホームなので一緒に打つことは叶いませんでした)麻雀はルールや得点計算が複雑ですし、心理戦であり、かつ人の顔をしっかり見るゲームなので、こうした福祉の場ではうってつけなのではないかと感じました。


投稿者: リーヅモ | 2012年07月18日 10:10

私は大学入学とほぼ同時に雀荘でバイトを始めた廃人です。自分の中では麻雀というとやはりギャンブルという意識が強く、またあまりにも理不尽な経験も多くしてきてクソゲーだなと最近では思っていました。しかし、そんな麻雀がデイケアで使われているとは知りませんでした。たしかに麻雀は頭も使いますし、しゃべりながら楽しむことができる、いいゲームだなと改めて思いました。


投稿者: 未知のエリア・・・! | 2012年07月24日 16:54

うちの施設では、麻雀は、いけないもの扱いでしたが、他の施設では友好的にやっているし、って言ってもわからないから施設の職員用のパソコンから検索させて、納得して貰いました。
麻雀歴そんなに無いけど、一応ルールは知ってます。でも点数計算まだまだなので麻雀の本片手に持ってやってます。重複する役とかも有るので、鳴いた時に下がる手とかも出し、点数計算とか本と照らし合わせてあげると覚えやすいかなと思ってそれと初めての人とか自分がどうして上がれたのかより理解出来る思います。
これから施設とかデイケアに広めて行きたいです。僕が使った手かなり使えますよ。もしデイケアや施設でいけないもの扱いなら職員のパソコンから検索かけて貰いましょう。手っ取り早く話しが進みます。


投稿者: ホッシー | 2013年03月17日 15:21

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プロフィール
宗澤忠雄
(むねさわ ただお)
大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

【宗澤忠雄さんご執筆の書籍が刊行されました】
タイトル:『障害者虐待 その理解と防止のために』
編著者:宗澤忠雄
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発行:中央法規
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