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上野文規・下山名月が全国で触れた、出会いは一期一会

介護の原点

「近頃、ビジネスがおかしいですね。“ハウ・ツー”ばかり教えているからでしょう…。日本人は大きな“忘れもの”をしている」
 以前読んだ雑誌に、そんなことが書いてあった。
 昨今の多発する企業不祥事の再発を防ごうと、盛んに透明性のある経営のあり方、責任のあり方がマスコミを賑わす。事が起きたらいち早く情報を取り、世間に公表し、謝罪する。そのための社内体制をどう作るか…であるが、そこには大きな忘れものがある。
 ビジネスを理由に偽装、隠蔽、改ざん等、人としてやってはならないことが、“起きることを前提に”善後策を考えているという本末転倒さである。
 本来、起こさないためにどうするかが肝心なのに、前提を履き違えているために、「世界に冠たる経済大国」であったこの国は、学習力がないのであろうか…不祥事のたびに“反省のない謝罪”を繰り返し、私たちは何度も同じニュース映像を見せられることになる(あの頭の下げ方…“安っぽく”見えてウンザリするし、悲しくなる)。
「ビジネスとはお金儲けなり」と、その方法ばかりを教え続けた結果、悪事をもってでも利益を守る行為が横行してしまったのだから、根本を解決しない限り再発防止はあり得ない。
 商業の原点は「お金儲け」ではなく、「人々を豊かにすること」だといわれている。お金は、その対価なのだ。人を豊かにする喜び、社会に貢献することの誇りを、いかに経営者から幹部へ、そして社員へと教えていくことが重要なのである。

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 このことを「介護」に当てはめてみると、まったく同じことが言えないだろうか。
「近頃、介護がおかしいですね。“ハウ・ツー”ばかり教えているからでしょう…」
 介護の原点もまた、「人々を豊かにすること」であり、そのことによって互いが「喜び多い人生」を再構築していくことなのである。
 どうです? みなさんは…おかしくないですか。
(上野文規)


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プロフィール
上野文規・下山名月
(うえの ふみのり・しもやま なつき)
上野文規
介護総合研究所『元気の素』代表。専門は「地域ケア論」「ケースマネジメント」。全国を講演・講座・指導に飛び回るかたわら、施設などの開設準備にともなう「ひと・もの・はこ」の総合プロデュースを手がける。著書に「遊びリテーション学」(雲母書房、1999年。共著)、「入浴介護実践集」(ブリコラージュ、2002年)、「新しい痴呆ケア」(雲母書房、2004年。共著)などがある。

下山名月
民間のデイサービス「生活リハビリクラブ」創始者。現在は生活とリハビリ研究所研究員、元気の素スタッフとして、全国の老人関係施設への実技指導や講演、講座の講師などを務める。著書に「遊びリテーション学」(雲母書房、1999年)、「安全な介護」(ブリコラージュ、2004年。いずれも共著)などがある。
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