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秋山映美の「監獄から社会へ」

寒い冬、刑務所の中では

 8月のブログでは冷房のことについて書きましたが、同様に、北海道などの寒冷地の一部の刑務所を除いては、受刑者の居室等には暖房施設はありません。
※比較的新しい施設では、廊下に冷暖房の設備があり、そこから暖かい空気が居室に入るということはあるようです。
 北海道以外でも日本では、北陸や長野の刑務所では寒さはかなり厳しく、みなさん耐えているのではないでしょうか。

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 受刑者は、メリヤスと呼ばれる暖かい肌着を着ることはできるのですが、私たちが寒い冬にはセーターにコートなどを着ることを考えると、かなり寒いのではないかと思います。
 刑務所を出所した元受刑者からいろいろと話を聞いていると、冬はしもやけはもちろん、凍傷のようになる受刑者も結構いるとのことです。
 監獄人権センターにも時々、しもやけの相談や「寒さでまいっている」という相談がありますが、それほど多くはありません。
 こういった相談がそれほど多くないことについても意見を聞いてみたところ、その出所した方は「寒さよりももっと辛いことが刑務所の中ではあるからだと思う」とおっしゃられていました。「寒さは我慢すれば何とかなるけど、医療、懲罰、昼夜間独居、手紙や面会の制限など本当に耐えられないことを監獄人権センターや外部の人たちに相談するのではないか」とも。

 監獄人権センターにも、医療に関する相談と比べると寒さに関する相談はそれほど多くこないため、全国の施設の状況を把握できていません。
 もしかしたら、表に出ていないだけで大変な状況になっているところもあるのかもしれません。
 今度またこのような相談があったときには少し注意して見ていかなくてはと思いました。



コメント


そういえば、どこで見たか聞いたんだったかな。冬場はお風呂が週二回しかないとか聞きました。何がつらいって、それがつらい、と。

寒い冬に暖かいお風呂でほっとする、というのがほとんどできないということですよね。

夏場でも週三回しか風呂がなかったそうで、それだと汗を流すのにも足りない、とか。激しい工場での働きの後に汗も流せないというのもねえ。

つらい現場なんだなあと思いました。

監獄人権センター、頑張ってください。


投稿者: まくらしゃ | 2011年01月14日 21:46

まくらしゃさんのおっしゃるとおり、入浴は毎日ではありません。集団生活なので、夏にお風呂に毎日入ることができないのは、とてもつらいですよね。


投稿者: 秋山 | 2011年03月28日 00:41

栃木県の施設では、このところ、マイナス5度の寒さで手も動かず、本も読めない状態だそうです。何処の施設か不明ですが、満期房に入っていた時、外を見ていたら、一週間の内、二回位 遺体を運んでいたので亡くなる方は毎週いる状況である(2012/4/29)との記事があり、涙が止まりません。改善策を打ち出す方は、おられないのでしょうか?



投稿者: たいこ | 2012年12月25日 04:46

氷点下の中、体調を崩す受刑者は、多くいるのではないでしょうか?
暖房が無いのであれば、厚手の衣類を重ね着する自由を、と人権保護の立場から提案出来ないものなのでしょうか?


投稿者: ひよこ | 2012年12月25日 05:48

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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