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利用者さんの一番身近にいる介護職にこそ 
身につけて欲しい知識と技術!


「いつもと違う?」「何かおかしい!」

 Aさんは入浴が大好きな利用者さん。週2回のデイサービスでの入浴を楽しみにしています。しかし、デイの職員であるあなたはAさんの様子が少しおかしいことに気が付いていました。微熱があり、咳も少し出ていて、両足にむくみもあるようです。このままいつものように入浴してもよいのでしょうか?  このようなちょっとした変化に気づけるのは介護職ならではのことですが、ここで「いつものケア」を続けるかどうかについては迷ってしまうのではないでしょうか?

 こんな時に『フィジカルアセスメント』の知識と技術が役に立ちます。これが身についていると、Aさんの身体に起こっている状況を正確に判断するために、足りない情報を集めて、集めた情報を整理し、そこから答えを導き出すことができるのです。Aさんは入浴しても良いのか、あるいはダメだとすれば、なぜダメなのか、そうした判断の根拠となる知識と技術が『フィジカルアセスメント』なのです。
(上記の解答は本書を読んでいただくとわかります!)

フィジカルアセスメントで看護職は変わった!
介護職はどうか!?

 介護職にとっては、耳慣れない『フィジカルアセスメント』という言葉、看護職にとってはもはや常識の一つです。けれどもそれは最近の話で、かつては違いました。本書の監修者である山内豊明先生と執筆の大澤智恵子先生は、長年、看護職にフィジカルアセスメントを根付かせようと取り組んでこられました。高名な日野原重明先生も看護師が『フィジカルアセスメント』を身につけて、看護師自身が診断をくだせるレベルになることを啓蒙されてこられましたし、多くの先達の努力が実って、看護師の教育にも取り入れられるようになったのです。

 そして、今、『介護職にこそ、この知識と技術を身につけてほしい』という山内先生と大澤先生の思いが結実して本書が出来上がりました。これが広まれば、介護の現場はもっと変わる、介護と医療の連携がもっと深まる、そんな期待が込められています。

 利用者さんが安心して安全に生活を続けていけるように・・・その思いを支えるための知識と技術を詰め込みました。明日の介護を担うみなさんにぜひ読んでほしい1冊です。

本書における『フィジカルアセスメント』の意味
 直訳すると「身体的な評価(フィジカル=身体的な、アセスメント=評価)」となりますが、本書では広義の意味で捉えて、利用者さんを観察して、(起こっている状態に)評価を下し、対応・対処をして、その情報を共有する、こうした一連の行為をフィジカルアセスメントとしています。

(第1編集部編集第1課 中村 強)

→本書のご注文はe-booksから