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乳幼児の音楽表現
――赤ちゃんから始まる音環境の創造――

赤ちゃんから幼児まで、音楽が好きになる考え方・手法が詰まった一冊


企画の出発点

 本書は、主に保育士を目指して日々学んでいる学生へ向けた音楽表現の教科書です。こうした教科書は、「幼児教育」を中心に据えたものが多いのが現状です。それはなぜか。乳児くらいまでは主体的に動いたり、意思表示をすることもままならない、まして養育者によるお世話が大前提の赤ちゃんに音楽なんて……!?、という見方が教育界や保育現場には根強く残っているからです。

 そこで本書は、「赤ちゃんでも音楽に親しむ優れた能力がある」ことを科学的に明らかにしながら、乳児から幼児までを対象に「音楽とのかかわり方」について多角的に提案をしています。

既成概念が音楽の楽しさを奪ってしまう?

 音って、ドレミ以外にもいろいろあるって知っていますか? 日本の伝統的な楽器である三味線は、いわゆる五線譜を基本にしていませんよね。でも、いつしか音楽といえば「ドレミ」通りの音程で歌わなければいけないとか、楽譜通りにピアノを弾かなくてはいけないという概念にとらわれすぎて、当の子どもたちが主体になっていない場面をみかけます。

 たとえば、ピアノ演奏をしている保育士の先生が、ピアノを間違えずにきちんと弾くことばかりに気をとられて子どもたちの表情をみていなかったり、キーが高すぎて歌えない子どもがいることに気づかなかったり……。あるいは、行事の演題としてよくある「演奏会」でも、子ども一人ひとりが音やリズムを楽しむことは置き去りのまま、音を「間違えずにみんなで合わせる」ことばかりが“成功”とされていたりします。

 本書の主役は子どもたちです。乳児には乳児の、幼児には幼児の「歌いやすい」メロディや楽曲があります。楽器も、ピアノや鍵盤ハーモニカだけでなく、いろいろなものが活用できます。本書では、「子どもたちが心から楽しい」と思える音楽とのかかわり方をたくさん提示しています。

掲載か所の一部を音声や動画でも確認できる

 音楽は、言語よりも先に発達していたという説もあります。音楽は湧き出る気持ちを表現する一手段だったからこそ、太古の昔から、いつでも人のそばに、そしていまも大切なものとして存在し続けるのではないでしょうか。

 音楽は「あるべき論」からでなく、まずは音を心地よい、美しいと感じ、心から楽しめること。そうすれば、きっとますます音楽が好きになる。子どもたちには音楽と豊かなかかわり方をしてほしい、そんな風に願う監修者、編者、執筆者の思いから、本書は生まれました。

 子どもたちの声や音楽への興味・関心、楽しみ方、音環境などの実際を音声や動画でも一部楽しむことができる、ダウンロードによる配信サービスもついています。

(中央法規出版 第1編集部 近藤 朱)

→本書のご注文はe-booksから