メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

こうすればうまくいく! 医療的配慮の必要な子どもの保育
――30の病気の対応ポイントがわかる!――

保育園や幼稚園で受け入れることの多い30の病気について、ポイントを理解して自信をもって保育しよう!


「医療的配慮の必要な子ども」とは?

 最近、テレビや新聞で「医療的ケア児」という言葉を耳にしたり、目にしたりすることがあるのではないでしょうか。「医療的ケア」の必要な子どもというと、気管切開をして人工呼吸をつけて、いくつか管をつけていて・・・というようなイメージがあると思います。今は、このように比較的重い病気や障害のある子どもでも、保育所や幼稚園などでみんなと一緒に過ごせるように、必要な配慮をしていくことが求められる時代になりました。

 とはいえ、法律の規制により、保育士や幼稚園の先生は「医療的ケア」は行えません。人工呼吸器や経管栄養、導尿などのお世話は医師や看護師など資格のある人(+保護者)しかできません。けれども、それ以外は、少しの配慮があれば保育園などで生活できる子どももいます。また、「医療的ケア」は必要ないけれども、慢性的な病気などのために服薬が必要だったり、日焼けしないよう注意が必要だったりして、「医療的な配慮」を必要とする子どももいます。本書では、そうした「医療的配慮の必要な子ども」のことを保育者に理解していただき、配慮すべきポイントをおさえて自信をもって保育をしてほしい、という思いで企画されました。類書がないので、本邦初だと思います。

実際に相談の多い病気をピックアップ

 編者は東京未来大学の西村実穂先生と、筑波大学の徳田克己先生です。西村先生は徳田先生の研究室ご出身で、保育士、看護師、保健師の資格をもち、保育所での勤務経験もおありという、この企画にピッタリの先生です(ここだけの話ですが、NHKの近江アナに雰囲気がよく似ています)。徳田先生の研究室には、これまでに保育園などから、病気や障害のある子どもへの対応、受け入れについての相談が多数寄せられていて、指導や助言をしてきました。その実績を元に、本書は相談の多かった30の病気について、(1)基本の知識、(2)保育のときの配慮、(3)体調が悪くなったときの対応をコンパクトにまとめています。

 具体的な内容は、第1部で医療的ケアと、保育者ができること・できないこと、保護者理解の解説があり、第2部で、下記のような病気への具体的な対応法がまとめられています。全ページにイラストを入れて、子どもの状態や配慮のポイントがひと目でわかるように工夫しています。

 アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、てんかん、脳性まひ、難聴、盲、弱視、斜視、腎臓の病気、低身長、ターナー症候群、糖尿病 心臓の病気、特発性血小板減少性紫斑病、血友病、重度の貧血、白血病、脳腫瘍、神経芽腫、口唇裂・口蓋裂、水頭症、二分脊椎症、レックリングハウゼン病、アルビノ(白皮症)、ウィリアムズ症候群、小さく生まれた子ども(低出生体重児)、ADHD(注意欠如多動症)、(コラムでHIV感染の子どもへの対応が入っています)

 現状では、病気や障害があると、保育園などでその子どもの受け入れをためらってしまう、場合によっては受け入れを断ってしまうなどということが、残念ながらあるようです。しかし、本書を読んでいただければ、基本的には保護者とよく相談して、ポイントをおさえて配慮をすれば大丈夫だということがおわかりいただけると思います。どんな子どもであっても、育ちを応援する専門家として保育者の力を発揮してくださることを期待しています。

(第1編集部 荒川陽子)