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高齢者とのコミュニケーション 利用者とのかかわりを自らの力に変えていく

新たな気づきと深い学びにつながる一冊

 

 相手を理解すること、信頼関係を形成し、深めていくこと、関係性のなかで生まれるストレスや葛藤との向き合い方、専門職として成長し続けることなど……。これらは、介護職をはじめ、高齢者の支援にかかわるすべての人にとって気になる重要なテーマではないでしょうか。

 では、相手を理解するとはどのようなことをいうのでしょうか。信頼関係とは、具体的にどのような関係を指すのでしょうか。また、どのような状態であれば専門職として成長していることになるのでしょうか。

 本書では、このような抽象的で答えにくい疑問に対して、どのように考え、行動したらよいのかを著者の野村豊子先生が丁寧に解説しています。例えば、コミュニケーションの得意・不得意について、「コミュニケーションに長けている人というのは、“コミュニケーションを思いのままに扱う人”ではなく、“相手との間に生まれるコミュニケーションにきちんと向かい合い、謙虚に考える人”である」と解説しています。そして、苦手だ、不得意だと思う人は、誰に対して、どのような場面で「苦手だ」と感じたのかを具体的に振り返ることが大切であると説明し、振り返るための演習を紹介しています。

 また、利用者が「相談する」ということについては、なぜ、話しにくいことを話すのか、そのときの利用者のこころの葛藤をどのように受け止めたらよいのかを丁寧に解説し、話を聴いてもらえたときと聴いてもらえなかったときとの違いを体験できる演習を紹介しています。

 本書は、第1章で、コミュニケーションとはいったい何かを学び、第2章で、自分自身のコミュニケーションの傾向を把握します。続く第3章では、人生のまとめを歩む高齢者にかかわることを専門職としてどのように考えたらよいのか、「共感」「感情」「死」「回想」「家族」などのキーワードから考えます。本書を通して、声かけや相談援助とは異なる「通い合う人と人の姿」としてのコミュニケーションを伝えることができればと思います。

 「コミュニケーションは苦手」「コミュニケーションはむずかしい」「コミュニケーションは楽しい」「コミュニケーションについてもっと学びたい」など、コミュニケーションに何らかの関心がある人にとって、新たな気づきと深い学びにつながる一冊になると思います。

(中央法規出版 第1編集部 須貝牧子)

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