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ソーシャルワークに基づいた認知症ケアを実践しよう!


 認知症の人への支援がどうしてもうまくいかないことはありませんか? そんなときは、相手の思いも理解できていないもの。まさに悪循環です。

 認知症ケアは、相手の思いを察して関わることが必須です。著者はそれを「必察(ひっさつ)」と呼び、本書では「必察」するために必要な5つの対人力(面接力・感性力・思考力・調整力・配慮力)の養い方を紹介しています。

 著者の永島徹さんは、生まれ故郷の栃木県佐野市で2003年にNPO法人「風の詩」を立ち上げ、認知症デイサービス「風のさんぽ道」を中心に、居宅介護支援事業所「南風」、社会福祉事務所「風のささやき」などを運営しています。社会福祉士(ソーシャルワーカー)、ケアマネジャー、認知症ケア専門士として、認知症の人への支援に尽力しています。

 本書の特徴として、支援対象を認知症の人だけに限らず、そのご家族や地域の人々も含めていることが挙げられますが、それはまさにソーシャルワーカーとしての視点といえます。真に認知症の人の「生活(いき)る」を支援するためには、目の前のご本人の支援だけではなく、本人を取り巻く人々や環境にも配慮しなくてはなりません。こうしたソーシャルワークの視点が、これからの認知症ケアには必須となってくるでしょう。ソーシャルワークというとなんだか難しそうに感じますが、本書で紹介する「5つの対人力」を使えば、誰もが実践できることです。

 初期介入から安定期、不安定期を経て終結期まで、一人の方の事例に沿ってケア職の関わり方を示すとともに、日常生活における対人力の鍛え方や事例検討会の方法なども収載し、個人で読むにも、研修会等のサブテキストとしても使える内容になっています。「風のさんぽ道」に集うお年寄りの事例を元に「必察」の理念を紹介した前著『必察!認知症ケア~思いを察することからはじまる生活(いき)ること支援』と併せて読むとより効果的です。

(中央法規出版 第1編集部 寺田真理子)

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