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エビデンスに基づく疾患別看護ケア関連図 改訂版

医学の進歩がわかる ロングセラーの改訂版

 

 本書の制作の始まりは、2001年の『エビデンスに基づく症状別看護ケア関連図』という看護書の発行です。幸いなことに好評だったため、編者の阿部俊子先生に続編の執筆をお願いし、2004年、本書の初版にあたる『エビデンスに基づく疾患別看護ケア関連図』を出版しました。両書とも、看護学生・新人の看護師さんのみならずベテラン看護師さんまで、誰もが関連図で理解しやすいため、発行から長期間経っても大きな書店では陳列していただき、ロングセラーとなりました。そこで、2013年に『症状別』、さらに今年2014年に『疾患別』をおよそ10年ぶりに改訂しました。

 本書のタイトルは、初版発行当時、社内で「長すぎて覚えられないから、もう少し短くならないのか」と言われました。『エビデンスに基づく』の「エビデンス」は「根拠」という意味です。1990年代後半に、EBM(Evidenced Based Medicine)という言葉が「根拠に基づいた医療」という意味で、医学の分野を席巻しました。これは、研究や論文を精査し、きちんとした根拠に基づいた治療を行うという考え方です。それまで決して根拠に基づいていなかったわけではないのですが、その頃に研究論文のデータ化がなされオープンになったため、その医療行為そのものが、どのくらい効果があるのかが目に見えるようになりました。

 このEBMのなかでは、医療行為の推奨の段階付けとして、エビデンスレベルという考え方がされるようになったのです。例えば、もっとも高いエビデンスレベルAは、ある医療行為を行った人たちと行わなかった人たちを比較し効果があるかどうかを確認した研究論文があり、さらに複数の研究論文を検討して得られた結果をいいます。

 また、ある疾患や治療、薬剤などについて、比較的高いレベルを集めたものがガイドラインと呼ばれ、学会などでそのガイドラインが整備されて、スタンダードな指針として整備されるようになっています。最初は、慣習的に治療は行われていたけれど、研究がなされておらず、エビデンスがないということもありましたが、その後次々に研究されてきて、エビデンスがしっかりされているようになっています。

 およそ10年ぶりに改訂を行い、執筆者から原稿をいただいて実感したのは、次々に新しいガイドラインが出され、医療が進歩していることです。例えば、「がん」については、乳がん、食道がん、大腸がん、肺がん、膀胱がん、膵臓がん、胆道がんなど、それぞれの学会において、診断、治療、統計などを整理しているのですが、臓器によっては医療の進歩に従って数年ごとに改訂されています。また、心臓や血管などの病気に対する治療についても、急性心筋梗塞、心不全、高血圧など、どのような治療薬を用いるか、どのような手術が効果があるか、細かいガイドラインが作成されています。これらが、すべての診療科にわたって行われています。

 本書では、上記のようなことに基づいて、すべてのアップデートを行い、さらに病気のしくみをあらわした図である病態関連図で解説しました。病態関連図では、どのようなことが誘因・原因で、身体のどこが、どうなって疾患を患い、どんな症状が生じるのか、どのような治療を行うのか、どんな看護を行うのか、を一目で分かるように示しています。看護学生のみならず臨床の看護師さんでも、すぐに使うことができる内容となっています。

 というようなことを、初版発行時に社内で説明して、「エビデンスに基づく」「関連図」も必要なタームなので残してくださいとお願いしたものです。幸いにして好評でホッとしました。店などで見かけたときは、ぜひ手にとってください。

(中央法規出版 第1編集部 星野哲郎)

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