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この一冊で、「認知症カフェ」について今、知りたいことがわかる!


 「認知症カフェ」をご存知でしょうか。「聞いたことはあるけれど、誰がどのようなことをする場所なのかよくわからない…」という人も多いのではないでしょうか。

 「認知症カフェ」について、いまのところ明確な定義はありませんが、目的は、「認知症の人や介護家族、地域住民、専門職などの参加者が、認知症についてゆるやかに学び、自宅や職場、デイサービス以外の「第三の場所」として、生活に彩りを与える場所」であると思います。

 施策では、2012年の「オレンジプラン」、2015年の「新オレンジプラン」で介護家族の負担軽減のための一つの柱として位置づけられました。自治体によって取り組み状況はさまざまですが、2012年以降、全国各地で認知症カフェを始めたり、準備を進めている地域が次々と現れています。

どんな課題があるの?

 施策の後押しもあり、全国的に盛り上がりをみせている認知症カフェですが、上記のとおり目的や方向性が明確になっていないなかで、「とりあえず開催しているところ」や「とりあえず開催が決まっているところ」が多く、多くの関係者が不安や迷いのなかで進めている状況です。

 先日、私が参加した認知症カフェに関するセミナーでは、「すでに開催している人」の参加も多く、「開催してはいるもののこれでよいのか」という疑問や不安を抱えている人たちが、プログラムや運営方法について具体的な意見交換をしていました。一方で、これから開催する人たちは、認知症カフェが一体、誰に対して何をする場所なのかがイマイチわからず、「いつ、どこで、だれが、どのように開催したらよいのか」アドバイスを求めて参加している状況でした。

本書の内容は?

 本書では、「介護家族支援」を専門とする著者が、認知症カフェの発祥の地であるオランダと伝統あるイギリスへの視察をふまえて、日本の認知症カフェがめざす方向性を分析し、目的を示します。また、著者自身が「認知症カフェ」を開催する過程でぶつかったさまざまな疑問について、Q&A形式で解説しています。さらに、オランダ、イギリス、日本の認知症カフェの事例を、プログラムや部屋の見取り図、会場内の写真などを駆使して詳しく紹介しています。つまり、目的を理解し、開催のためのハウツーを学び、実際の認知症カフェのプログラムや雰囲気も知ることができるよう構成されています。

 本書の特徴をいくつかあげてみましょう。

本書の特徴

  • (1)【巻頭】…認知症カフェを開催し、継続していくための手順を10のステップに分けて簡単に説明しています。これでおおよそのスケジュールとやるべきことがわかります。
  • (2)【第1章】…だれもが抱く「認知症カフェとはいったい何なのか」という疑問について、施策、海外の事情、日本の認知症ケアの現状から見たニーズなど、さまざまな角度から分析し、説明しています。
  • (3)【第2章】…どんな場所が適しているのか、地域の人の理解はどのように得たらよいのか、専門職の役割は何か、参加費はどうしたらよいのかなど、だれもがぶつかる疑問にわかりやすく答えています。
  • (4)【第3章】…オランダ、イギリス、日本の認知症カフェの事例を11紹介しています。プログラムや会場の雰囲気、参加者の表情などが伝わりやすいように資料や写真を多数掲載しています。
  • (5)【その他】…若年認知症当事者の丹野智文さんに、帯と推薦のことばをいただきました。当事者のストレートな言葉からも認知症カフェの意義を見出していただけると思います。

こんな方々に読んでいただきたい!

 本書は、認知症カフェをこれから開こうと思っている人、すでに開いている人のいずれにも役立つ内容になっています。「認知症カフェ」に関する疑問や悩みを解決するヒントが満載で、類書には負けない「本当に使える(実践に役立つ)認知症カフェの本」です。

 ぜひ、お読みください。

(中央法規出版 第1編集部 須貝牧子)

→本書のご注文はe-booksから