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全ページイラスト入りで、子どもへの伝え方の工夫を満載


 著者・監修者は、筑波大学の水野智美先生と徳田克己先生です。お二人とも研究や講義の傍ら、全国の保育所・幼稚園等に巡回指導に出かけて「気になる子」についての相談に応じ、対応方法を研究してきました。また、保育者がしてしまいがちな「よくない対応」もたびたび見てこられたのだそうです。それらの経験を踏まえて、子どもと保育者それぞれの「あるある」を反映させた本を書いていただきました。

 「気になる子」というテーマの本はすでに世にたくさん出ていますが、今回は徳田先生たちと相談して、「ADHDのある子ども」「自閉症のある子ども」「知的障害のある子ども」「医療的配慮の必要な子ども」の4つのテーマで、それぞれに深めた本を作るという企画を立てました。

 第1弾は『ADHDのある子どもの保育』です。いまや、ADHDの子ども(その傾向のある子を含めて)が園に複数人いることが普通のこととなっています。ADHDというと、「落ち着きがなくて乱暴」など、〈衝動性〉が強いことが知られていて、行動が目立つため、保育者は毎日のように子どもを怒ってばかりになりがちです。一方、〈不注意型〉が強い子は「何をするのも時間がかかる」「ぼーっとして話を聞いていない」などの気になる点はあるものの、目立たないために、保育者が問題と認識できずに放っておかれることが多いのだそうです。

 本書では、これら〈衝動型〉と〈不注意型〉、ADHDの2つの特性を解説し、子どもの視点に立った理解を保育者に促しています。保育者を困らせることが多いのですが、子どもに悪気はなく、脳や感覚の特性によって本人もうまくいかずに困っているのだ、という視点から、保育者の行うべき支援の方法、伝え方の工夫を紹介しています。

 また、よくある困った場面ごとの対応をクイズ形式で紹介していますので、答えを考えることで保育者がいつもの自分の保育を振り返り、よくない対応と望ましい対応の違いを明確に理解できるようになっています。ぜひ、多くの園で本書を活用いただいて、子どもをしっかりと支えて伸ばす保育に取り組んでいただけることを願っています。

 第2弾として『医療的配慮の必要な子どもの保育』が6月上旬に発行予定です。そちらもぜひ、ご活用ください。

(第1編集部 荒川陽子)

こうすればうまくいく! ADHDのある子どもの保育
イラストですぐにわかる対応法

著者:水野智美
監修:徳田克己
サイズ:B5変 132頁
価格:1,600円(税別)